アンセルメ到着!



結局買ってしまった。アンセルメ…


DSCN6066 (640x427)


だいぶ前から気になっていたアンセルメのボックスセット。フランス音楽編・ロシア音楽編・欧州編。

アンセルメ/デッカレコーディングス~ロシア音楽録音集
アンセルメ/デッカレコーディングス~フランス音楽集
Ernest Ansermet: The Great European Tradition

少し前の記事で何度か取り上げたアンセルメとスイスロマンド管。いろいろ評価が分かれるが、やはり一時代を成したコンビ。もちろんフランス物、ロシア物はその主要なレパートリーだが、意外にというべきか、ベートヴェンやブラームスにも隠れファンが多い。もう二十年近く前にこのコンビによるベートーヴェンとブラームスの交響曲集が発売されたとき、予想を上回る数が売れたとも聞く。 歴史の長いコンビゆえ、同じ曲のモノラルとステレオの両録音があるものもある。このセットではその両方と収めた曲もあれば、ステレオを外してモノラルが採られているものもある。この辺りの選定基準は不明。もっとも評価が高い名演として知られるファリャ三角帽子は1952年のモノラル録音のみだったのが少々残念。


全96枚の開陳・検分はこれからボチボチと。 挨拶代わりに、隠れファンの一人になるきっかけとなった<意外な>ベートーヴェンを貼っておく。第8交響曲ヘ長調。 軽く抜けるような弦のアインザッツ、彩り豊かな管楽器群、明快な各声部の描き分け…何とも爽やかなLVB。



★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

イリーナ・クリコヴァ(G)-続き-



きのうに続き、イリーナ・クリコヴァの盤を聴いている。


201707_Irina_Kulikova.jpg


ロシア出身のギタリスト;イリーナ・クリコヴァ。十年近く前からいくつかのコンクールで優勝し話題になっている若手ギタリストで、ナクソスレーベルから3枚のアルバムが出ている。きょう取り上げる盤はそのうちの最初の盤で、2011年11月に録音されている。収録曲は以下の通り。申しわけ程度の付いている<アルハンブラの思い出>に違和感を覚えるが、他はそれぞれに聴かせどころの多い楽しめるプログラムだ。

・J.S.バッハ;無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV 1007
・フェルナンド・ソル;ファンタジア第7番 Op. 30
・マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ;ギター・ソナタ ニ長調 Op. 77
・ホセ・マリア・ガジャルド・デル・レイ;カリフォルニア組曲
・フランシスコ・タレガ;アルハンブラ宮殿の思い出

ひと昔前のギタリストの演奏は曲の難所あるいは肝心なところで必要な音が確保できずに、聴く側も本来の音楽に安心して耳を傾けられないことも多かった。しかし最近の若いプレイヤーにはそういう心配は極めて少ない。クリコヴァもその例にもれず技巧的なレベルが極めて高く安定していて音楽そのものに傾聴できる。更に彼女の愛器;サイモン・マーティーから繰り出される音には浸透力とパワーがあり、しかもそのパワーをよくコントロールしている。

バッハは静かで思慮深い趣きのプレリュードで始まる。この開始を聴くだけでクリコヴァが単なるパワーと技巧だけの奏者ないことは十分わかる。やや遅めのテンポで息の長いフレージングで悠々と奏でられるプレリュードは、まさにプレリュードの名に相応しく、そのあとに続く舞曲群への期待が高まる。よくこのプレリュードを朗々と歌い切ってしまう演奏があるが、ギターであろうとオリジナルのチェロであろうと、やはりここは抑制を効かせて弾くべきだと思うがどうだろう。続くアルマンドも一音一音つぶ立ちのいい音でゆったりと弾き進める。クーラントは技巧の切れの良さがよくわかる弾きぶりで、ときどき繰り出すフォルテも余裕があって好ましい。サラバンドもかなり遅めのテンポで、深い呼吸を感じるフレージングだ。

ソルの幻想曲。やはり名曲。序奏に続く変奏曲も、同時代の凡百の変奏曲とは一線を画す。各変奏が単なる技巧的なバリエーションに終わらず、多彩な和声に彩られ美しい。クリコヴァはもちろん余裕をもってこの曲を弾き進めるが、こうした和声の移ろいも十分感じ取っているのがよく分かる演奏だ。後半のアレグレットでの重要な付点音符の扱いもいいし、長い休符前後の間合いなども配慮が行き届いている。

テデスコのソナタはボケリーニへのオマージュという副題が付いているように前古典的色合いの濃い名曲。ここではクリコヴァの技巧レベルの高さとパワフルな音が全開。古典へのオマージュという観点では違うアプローチもあるだろうが、この曲の持つモダンな側面を完全に表現し切っているし、決してパワーで押し切る感じはなく、各楽章の性格もよくその違いを表現していて不足はない。

レイのカリフォルニア組曲は少し前にmixi仲間の発表会であるメンバーが弾いたのを聴いて初めて知った。1985年に書かれた作品で、第1曲のプレリュードなどは一聴してバッハ;無伴奏チェロ組曲を模していると分かる。バロック期の組曲スタイルながら、後期ロマン派から現代ポピュラーへつながる和声を感じていたら、ライナーノーツにバッハとラフマニノフにインスパイアされた曲と記されていて納得。現代風のポピュラリティーの強い曲で、近年人気曲の一つだ。

ついでながら…この盤のジャケットにはクリコヴァが優勝した2008年のアルハンブラ国際ギターコンクールのロゴが入っている。このコンクールはスペインの量産ギターメーカーであるアルハンブラ社がスポンサーについている。どうりで、もう1枚のCDには使用楽器としてサイモン・マーティーの名が記されているがこの盤にはその記載がない。楽器メーカーであるスポンサーへの配慮だろう。


ドイツのギター販売会社Sicca社の動画。2008年作のホセ・マリンで弾くトローバのソナチネ。軽く発音するホセ・マリンだとクリコヴァの強いタッチに負け気味。もっとも、この曲はもう少し軽く洒脱に弾く曲かとも思うが…


ショパンの編曲物もタレガ以来いくつかが知られるが、これくらい安定した技巧で弾かれればギターでも楽しめる。米国のギター販売会社GSI社の動画。セゴビアが使用した1969年ラミレス3世ギターとのこと。


カリフォルニア組曲から<プレリュード>


同組曲の<ワルツ> 1929年製ハウザー1世による演奏。



★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

イリーナ・クリコヴァ(G)



一週間前に放送されたセゴビア@Eテレ。ご覧になった輩も多いかと思うが、番組の主題以外でぼくが気付いた点は以下の通り。

◇二人のゲストが抱えていた楽器は…
村治佳織:ロマニリョス/トルナボス付き
手塚健司:ドミンゴ・エステソ

◇セゴビア1959年来日時に羽田空港で花束歓迎を受けたとき…
セゴビアの後ろでギターケースを持っていたのは小原安正。

◇弦長650mmと665mmの比較…
650はラミレス1世、665はラミレス3世。 村治佳織がラミレス1世を手にしたとき、(オフレコで聞こえなかった)つぶやいた言葉は…「軽~い!」(多分)

…そんな番組の余韻もあって、今夜はこんな盤を取り出した。


201707_Kurikova2.jpeg 201707_Kurikova.jpg


これまで何度か記事に取り上げているイリーナ・クリコヴァのギター。ナクソスから出ている彼女の3枚のアルバム中の一枚。確かこの盤が一番最初にリリースされたはずだ。収録曲は以下の通り。20世紀になってから書かれた充実した近代作品がたっぷり楽しめる。

 ・ポンセ/ソナタ第3番(1927)
 ・タンスマン/スクリャービンの主題による変奏曲(1972)
 ・ポンセ/子午線のソナチネ(1930)
 ・ブローウェル/ジャンゴ・ラインハルトの主題による変奏曲(1984)
 ・ホセ/ソナタ(1933)

まずは本格的な近代作品を並べた姿勢に感服する。ポンセやタンスマンは、少し音楽的感度の高いギター弾きに取っては、好きな作曲家の双璧ではないだろうか。実際この盤に収録されているポンセの2曲とタンスマンの曲だけでもこの盤の価値がある。クリコヴァの演奏はいずれの曲も完璧な技巧とよく練られた解釈で、これらの作品が持つ和声の面白さや構成や展開の妙が存分に楽しめる。

名曲ポンセのソナタ3番はセゴビアの演奏もこの曲のオリジンとして素晴らしい。セゴビアで聴くとその音色もあって何かノスタルジックなイメージが沸いてくるが、この盤で聴くとより新しい音楽を聴いているような気分になる。録音の状態や音の録り方も曲が与えるイメージに随分と影響する。
タンスマンの変奏曲はスクリャービンに目を付けた時点ですでに賞賛したいくらいだ。濃厚な19世紀的ロマンティシズムを、タンスマンはギターにうまくのせ、美しい響きと造詣に仕立て上げている。ブローウェルの作品はその曲名からイメージするほどジャズ的でもジャンゴ的でもなく、ブローウェルらしい前衛的要素も強く打ち出していて、安直な楽曲に終わらせていない。アントニオ・ホセのソナタは、34歳で夭折したホセの代表作でありながら80年代になって知られるようになった曲のようで、実のところ70年代終わりで一旦ギター生活を休止し、21世になって復帰したぼくなどには、タンスマンの変奏曲(1972年作)やブローウェルの変奏曲(1984年作)と同様、この盤で初めてまともに聴いた次第だ。

クリコヴァはチェリストであった母親から音楽の手ほどきを受けたことも影響してか、単音のメロディーの歌い方がインスピレーションに満ちている。加えて愛器;サイモン・マーティーから繰り出される音は広いダイナミクスと浸透力がある。トータルとして現代的なギター演奏の典型であり、一つの頂点ではないかと感じる。YOUTUBEには相当数の彼女の演奏があるが、いずれも音質に問題が多い。オリジナルのCDを聴くことを薦めたい。お手軽、便利なYOUTUBEではあるが、それですべてを間に合わせるのは、演奏の本来の姿を見落としかねない。


ポンセ「南のソナチネ」。ナクソス盤録音セッション時のものと思われるが、CDの演奏とは微妙に異なる。CDに収録されたテイクの方が丁寧に弾かれていて音色も美しい。


タンスマンのスクリャービンの主題による変奏曲。



★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

METのコレクション



実はアメリカは未だ見ぬ国の一つ。仕事でもプライベートでも縁なく今に至っている。もし彼の地を訪れたら行きたい場所の一つがメトロポリタン美術館(MET)だ。


201707_MET.jpg


METには多くの美術工芸品、歴史的遺産があるが、それらに混じって楽器類のコレクションも多い。その数が世界の他の美術館、博物館に比べ多いのか少ないのかは寡聞にして不案内ではあるが、幸いなのはそれらの楽器を使った美術館内での演奏をYOUTUBEで公開していることだ。楽器も名器、演奏者も名手。 そのいくつかを以下に貼っておく。


1940年ハウザー1世。ホルヘ・カヴァレロによる演奏。
バッハの無伴奏フルートパルティータBWV1013からアルマンド。


ラベルにフェルナンド・ソルのサインが入ったラコート(ジュリアン・ブリーム所有)による演奏。
スタロビンによるマティエカのメヌエット。


クリストファー・パークニングが使っていたラミレス3世。



クラシックギター全部のプレイリスト
https://www.youtube.com/watch?v=2LimbuditYM&list=PL8HAkqKX065D5z2aREqWjjvKFLh27IRfq


17世紀のオリジナルリュート他によるプレイリスト。
https://www.youtube.com/watch?v=0QD1rEuqL3A&list=PL8HAkqKX065DON5asamLyu4ptRmqkA7Og


MET全体のプレイリスト
https://www.youtube.com/user/metmuseum/playlists


ギターのコレクション
http://www.metmuseum.org/art/collection/#!?q=guitar&perPage=20&sortBy=Relevance&sortOrder=asc&offset=0&pageSize=0



★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

R・シュトラウス<チェロソナタ>



週半ばの水曜日。きょうも気温程々ながら、朝夕には雨もあって湿度MAXの蒸し暑い一日。帰宅後ひと息ついて生気を取り戻す。方寸の道楽部屋が程よく冷えたところで音盤タイム。ドンパチ派手な管弦楽曲を聴く気分でもなく、こんな盤を取り出した。


Richard_Strauss_Vc_Sonata.jpg


リヒャルト・シュトラウスの室内楽と合唱曲などを収録した3枚組みセット。室内楽としては、ヴァイオリンソナタ、チェロソナタなどが収められている。きょうはその中から、R・シュトラウス18歳のときの作品<チェロソナタ ヘ長調 作品6>を聴いている。ムスティスラフ・ロストロポービッチのチェロ、ヴァッソ・デヴェッツィというギリシャのピアニストによる1974年の録音。ちなみに、ピアノのヴァッソ・デヴェッツィはマリア・カラス晩年の友人として知られ、ときにカラス毒殺説の犯人として名があがると、ものの本に書いてあった。

さて、このソナタ。18歳のシュトラウスがミュンヘン大学在学中に作られたもの。当時ミュンヘン宮廷管弦楽団にいたハンス・ヴィーハンというチェロ奏者との出会いがきっかけとされる。曲は急緩急の3つの楽章から成り、両端楽章はソナタ形式という、いたってオーソドクスな構成。曲想もロマン派の典型的なもので、この盤のライナーノーツにも書かれているように、シューマンの作風に近い。第1楽章は初めてこの曲を聴く者にもはっきりと第1主題、第2主題、展開部、再現部が認識できるほど明快なソナタ形式。冒頭は力強くベートーヴェン風に始まるが、以降は穏やかでロマンティックな響きが続く。第2楽章のアンダンテ・マ・ノン・トロッポはニ短調に転じ、憂いに満ちたフレーズが歌われる。

ロストロポービッチのチェロはいつも通り強く明快な音。もちろん技巧も満点と思われるが、一方で、この曲のもつ、若き青春時代ゆえのもやもやとしたロマンティシズムの表出には、もう少しかげりのある弾きぶりが合うようにも感じる。録音状態はアナログ最盛期の優秀なものだが、ピアノとチェロが共にほぼセンターに定位して、響きの広がりにやや欠けるのが残念だ。


医師でありチェロ奏者でもある竹内康高氏による第1・2楽章。幸いぼくはちょっとした縁があって、日本アマチュア演奏会協会APA主催の<チェロの会>で二度、また竹内氏が主催するカルテットの演奏会でも竹内氏の実演に接している。


同第3・4楽章
https://youtu.be/WPJYjQi4YOQ


ミッシャ・マイスキーによる全楽章。



★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

ガーシュインのピアノ音楽



野暮用で仕事は休み。昼前後には終わってあとはのんびり…と踏んでいたのだが、思いのほか手こずり、結局終了は夕方近くに。まあ、そんなこともあるよね…と帰宅後一服。ついでにこんな盤を取り出した。


201707_Gershwin.jpg


<ガーシュインのピアノ音楽>というタイトルの一枚。
十年ほど前にネットで知遇を得た方から箱買いしたLPの中に混じっていた。CDでも一時期出ていたようだが現在は廃盤の様子。
A面にガーシュイン・ソング・ブックという1932年に出版された18曲の小品集が収まっている。いずれもガーシュインのミュージカルナンバーをピアノアレンジしたもの。おおむねジャズやラグタイムのスタイルによる軽快なショートピースだ。B面は「劇場外のざわめき」という題の、ガーシュインが17歳のときの作曲したラグタイムで始まる。マイナー・キーによるスィング感がなかなか切なくて聴かせる。
ぼくはガーシュインの特別なファンでもなく素養もないので、語ることも出来ないが、ガーシュインはクラシック音楽にジャスの手法を持ち込んだという言われ方をする。一方で、こうした作品を聴くと、根っからのポピュラー音楽の作家と感じるし、その素養としてのピアノ作品の手法や管弦楽の手法についてはクラシカルな伝統技法を身に付けていると解釈するのが適当かもしれない。ピアノに心得のある向きは、例のIMSLPのサイトで楽譜が閲覧できるので、トライしてみてはいかが。


<Gershwin–Songbook>全18曲


<劇場街のざわめき:Rialto Ripples> ガーシュイン自身のピアノロールによる音源。ギターデュオにアレンジしてもよさそうだが、すでに誰かトライしているかな…



★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

ローラ・ボベスコのモーツァルト



週明け月曜日。関東地方は先週梅雨明けしたが、皮肉なもので、梅雨明けした途端ここ数日ぐずついた日が続いている。きょうは気温ほどほどながら高湿度で蒸し暑い一日だった。 さて七月も下旬。本日も律儀に仕事をし、定時少し前に退勤。あすはちょっとした野暮用で仕事を休む予定につき、今夜は夜更かしOK。ひと息ついて、こんな盤を取り出した。


DSCN6055 (560x560)


ローラ・ボベスコ(1921-2003)の弾くモーツァルトのヴァイオリンソナタ他の2枚組。1981年来日時に新座市民会館でセッション録音されたもの。ピアノはボベスコと若い頃から組んでいるジャック・ジャンティ。手持ちの盤は10年ほど前に出たタワーレコードの企画盤<ヴィンテージコレクション>の一枚。収録曲は以下の通り。

ベートーヴェン:
ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調「春」
ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調「クロイツェル」
モーツァルト:
ヴァイオリン・ソナタ第34(27)番変ロ長調K.378
ヴァイオリン・ソナタ第40(33)番変ロ長調K.454
ヴァイオリン・ソナタ第28(21)番ホ短調K.304

1921年生まれ(生年は諸説あり)のボベスコは2003年に亡くなるまで長いキャリアを持ち、きっとぼくらより少し上のオールドファンに馴染みが深いだろう。名声に比して来日は遅く1980年。熱心なファンによる個人招聘で初来日して一気に人気沸騰。以来8回に渡って来日を重ねた。かつてはブロンドの美貌ヴァイオリニストとしても知られ、この盤が録音された還暦を過ぎた頃の写真を見ても往時の美しさをうかがい知ることができる。

先ほどから絞り気味のボリュームでモーツァルトのソナタを聴いている。おそらくコンサートヴァイオリニストとしての彼女のピークは50年代から60年代ではないだろうか。その意味では、この盤はすでに往時のピークを過ぎた頃の録音ではあるが、却ってそのことが奏功し、決して騒がず、控えめな音量で楚々とした弾きぶりで、モーツァルトのこうしたソナタに相応しい。すべての音にヴィブラートがかかったような、そして音がしずくとなってこぼれ落ちそうな音色も他に類をみない。セッション録音ではあるが、何か親しい仲間うちでのサロンコンサートを聴く趣き。こうした特質はK.378の優美で成熟した曲想にぴたりだ。K.454第2楽章の美しさも極上。モーツァルトのヴァイオリンソナタ中唯一の短調作品K.304はやや速めのテンポをとり、感情過多になることなく弾き進められる。音色やボーイングはややオールドファッションでありながら、テンポ設定や抑揚は意外にもすっきりとした造詣で、全体として音楽の品格が高く、優美この上ない。


1958年ライヴ録音のK.304第1楽章。ピアノは本盤と同じジャック・ジャンティ。本盤より速いテンポ設定をとり、劇的な表現。


同第2楽章。



★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
QRコード
QR
閲覧御礼(2010.10.01より)