結局買ってしまった。アンセルメ…

だいぶ前から気になっていたアンセルメのボックスセット。フランス音楽編・ロシア音楽編・欧州編。
アンセルメ/デッカレコーディングス~ロシア音楽録音集
アンセルメ/デッカレコーディングス~フランス音楽集
Ernest Ansermet: The Great European Tradition
少し前の記事で何度か取り上げたアンセルメとスイスロマンド管。いろいろ評価が分かれるが、やはり一時代を成したコンビ。もちろんフランス物、ロシア物はその主要なレパートリーだが、意外にというべきか、ベートヴェンやブラームスにも隠れファンが多い。もう二十年近く前にこのコンビによるベートーヴェンとブラームスの交響曲集が発売されたとき、予想を上回る数が売れたとも聞く。 歴史の長いコンビゆえ、同じ曲のモノラルとステレオの両録音があるものもある。このセットではその両方と収めた曲もあれば、ステレオを外してモノラルが採られているものもある。この辺りの選定基準は不明。もっとも評価が高い名演として知られるファリャ三角帽子は1952年のモノラル録音のみだったのが少々残念。
全96枚の開陳・検分はこれからボチボチと。 挨拶代わりに、隠れファンの一人になるきっかけとなった<意外な>ベートーヴェンを貼っておく。第8交響曲ヘ長調。 軽く抜けるような弦のアインザッツ、彩り豊かな管楽器群、明快な各声部の描き分け…何とも爽やかなLVB。
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実はアメリカは未だ見ぬ国の一つ。仕事でもプライベートでも縁なく今に至っている。もし彼の地を訪れたら行きたい場所の一つがメトロポリタン美術館(MET)だ。

METには多くの美術工芸品、歴史的遺産があるが、それらに混じって楽器類のコレクションも多い。その数が世界の他の美術館、博物館に比べ多いのか少ないのかは寡聞にして不案内ではあるが、幸いなのはそれらの楽器を使った美術館内での演奏をYOUTUBEで公開していることだ。楽器も名器、演奏者も名手。 そのいくつかを以下に貼っておく。
1940年ハウザー1世。ホルヘ・カヴァレロによる演奏。
バッハの無伴奏フルートパルティータBWV1013からアルマンド。
ラベルにフェルナンド・ソルのサインが入ったラコート(ジュリアン・ブリーム所有)による演奏。
スタロビンによるマティエカのメヌエット。
クリストファー・パークニングが使っていたラミレス3世。
クラシックギター全部のプレイリスト
https://www.youtube.com/watch?v=2LimbuditYM&list=PL8HAkqKX065D5z2aREqWjjvKFLh27IRfq
17世紀のオリジナルリュート他によるプレイリスト。
https://www.youtube.com/watch?v=0QD1rEuqL3A&list=PL8HAkqKX065DON5asamLyu4ptRmqkA7Og
MET全体のプレイリスト
https://www.youtube.com/user/metmuseum/playlists
ギターのコレクション
http://www.metmuseum.org/art/collection/#!?q=guitar&perPage=20&sortBy=Relevance&sortOrder=asc&offset=0&pageSize=0
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知人から問い合わせのメール有り。
「与太さん、小原安正のレコード持ってる?友だちのギター弾きが探していて…」
「あぁ、一枚だけあるかな。」


…で、音盤棚から取り出したのが、この盤。
何でもその知人の友人がその昔、60年代終わりから70年代初頭に広まっていた通信教育の「東京音楽アカデミー」でギターを習得し、そのときの教材音源として付いてきたレコードで聴いた小原安正の演奏が印象の残っているとのこと。残念ながらその友人が持っていたレコードは処分してしまい手元にない。どこかで手に入らないものだろうか…といういきさつだ。
東京音楽アカデミーによる通信教育のギター講座は、ぼくら世代には懐かしいアイテム。高校時代の当時、ぼく自身は加入しなかったが、同じ部活の友人が入っていて、その教材や楽譜を時折拝借して眺めていた記憶がある。小原安正のこの盤は、その教材の一つとして配布されたものと思う。あの頃から30年近く経った2000年初頭に、近所のリサイクルショップのジャンク箱で見つけて捕獲してきた。
小原安正(1914-1990)は戦後のクラシックギター界を牽引してきた一人。ぼくがギターを弾き始めた70年代には、この東京音楽アカデミー他、現代ギター誌の記事でも見かけたが、演奏に触れたことはなかった。あらためて、この盤を聴いていみると、やはりひと昔前、ふた昔前の感がある。この盤に収録されているのは初級から中級入り口レベルの小品。教材用ということもあって、教育的意図を明確にするような解釈もあるのだろうが、現代の感覚で純粋にギター音楽を楽しもうというには、いささか物足りないのはやむを得ない。それでも、マドリード王立音楽院で学んだタッチは、最近はあまり省みられないアポヤンド主体のしっかりとしたタッチで、ギターの音が明快に立ち上がる。武井守成の「森の精」、ケイロス「母の涙」、サビオ「なつかしのわが道」など、クラシックギターを弾き始めた当時にさらった曲もあり、実に懐かしく聴いた。 小原安正のレコードをもう一度聴きたいという、知人の友人の願いにミートするかどうか分からないが、近々その友人の元へ嫁ぐ予定だ。
この盤の音源。ワルカー<小さなロマンス>
ラモー<二つのメヌエット>
小原安正を父にもつ小原聖子の貴重な音源。1980年前後のものと思われる。小原聖子もマドリード王立音楽院に学んだ。曲の解釈は賛否あるだろうが、レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ直伝の正統派タッチは実に明快。音も美しく(使用楽器はおそらくエルナンデス・イ・アグアド)、技巧のキレも十分だ。
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きのう梅雨明けした関東地方。きょうも暑い一日だった。定時に退勤。夏至からひと月ほど経つが、まだまだ夕方の陽は高い。帰宅後、ひと息ついてPCを覗くと…。相変わらず、このところブログアクセスは低調。アクセス数では少し前の三割減で、一日100アクセスを下回ることもしばしば。バナークリックも、こうしてウダウダ書くと心優しき方々がワンクリックしてくれるが、長続きしない。あと三ヶ月でブログ開設から7年。ぼちぼち潮時かなあ…と思うことしきりだ。 さて、それはともかく…ここ数日ギターねたが続いたので、今夜は本流回帰。渋い室内楽でクールダウンしようかと、こんな盤を取り出した。

ブラームスの弦楽六重奏曲第1番作品18。ベルリンフィルの弦楽セクションのメンバーで構成されたベルリンフィル八重奏団による60年代後半のフィリップス録音の盤だ。
この曲の第2楽章の主題が、その憂いに満ちたメロディーによって人気になり、映画音楽にも使われた。通常の弦楽四重奏にヴィオラとチェロを加えた構成のこの六重奏曲は、中低音の楽器が加わったことにより、きわめて重厚で落ち着いた響きを持つ。穏やかな変ロ長調のテーマで始まる第1番の第1楽章。ブラームスってどんなイメージと聴かれたら、ぼくは迷わず、これっ!と言って、このテーマを聴かせたくなる。晩年のブラームスに比べると若やいだ明るさに満ちているものの、いかにもブラームス的な、重厚で叙情的な始まりだ。重厚だが悲劇的ではない、穏やかであるが楽天的になり過ぎない、そんな第1楽章の始まりを聴いていると、投げやりでネガティブな気分もだいぶ和らいでくる。これも音楽の効用か。有名な第2楽章は一聴して耳をとらえるほど魅力的なメロディーだが、<いかにも>的で少々気恥ずかしくなるのは、ぼくだけではないだろう。が、主題と変奏としてはよく出来ているし、特に長調に転じる第4変奏が、穏やかな安息に満ちて美しい。
同じ曲を写真右のウィーンコンツェルトハウス四重奏団とウィーンフィルの追加メンバーによるウェストミンスター盤で聴くとまったく趣が異なる。録音年代によるところも大きいだろうが、ベルリンフィルメンバーによる演奏と比べ、音色や音のアタックが穏やかで優しい。やや鼻にかかったような音色で、ベルリンフィルメンバーの現代的でシャープな音とは随分異なる。曲の印象を決定付けるアーティキュレーションも、ウィーン組の演奏は様々な変化の度合いが穏やかだ。ベルリン組はずっとダイナミックに切り込んでくる。ブラームスのこの曲という限定を付けると、ぼくはウィーンフィルメンバーによるウェストミンスター盤に軍配を挙げる。ほとんど格違いといっていいほどの差がある。ひと昔前のスタイルと言えばその通りだろうが、何もスタイルは変化・進化するばかりが能じゃない。留まることも時に大事だ。
この盤(ベルリンフィル八重奏団員)の音源。
70年代にジュリアン・ブリームとジョン・ウィリアムスによるデュオがこの曲の第2楽章を取り上げた。
以降、ギターデュオのレパートリーの一つとして定着している。
参考までに、ブラームスの室内楽曲をリストしておく。
<二重奏曲>
チェロソナタ 第1番・第2番
クラリネットソナタ 第1番・第2番
ヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」・第2番・第3番
<三重奏曲>
クラリネット三重奏曲
ホルン三重奏曲
ピアノ三重奏曲 第1番・第2番・第3番・作品番号なし
<四重奏曲>
ピアノ四重奏曲 第1番・第2番・第3番
弦楽四重奏曲第1番・第2番・第3番
<五重奏曲>
クラリネット五重奏曲
ピアノ五重奏曲
弦楽五重奏曲 第1番・第2番
<六重奏曲>
弦楽六重奏曲第1番・第2番
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ギターネタを続けましょう(^^;
ギターを構成する部品のうち重要なものの一つに糸巻きがある。ギター用糸巻きにはヴァイオリン族と同じような木ペグ仕様もあるが、現代のクラシックギターの多くは、メーカー製のギア式メカのものが取り付けられる。星の数ほどではないにせよ、糸巻きも様々なメーカー・モデルがある。ギターを買うときは糸巻きも付いているのでそれを使うわけだが、故障で交換したり、オーダー楽器の際に糸巻きも指定する場合は、多くの選択肢から選ぶことになる。糸=弦を巻くという本来の機能に装飾性も加わって、ギターの価値を高めるアクセサリーでもある。その選択は中々楽しくも悩ましい。以下、手元にある(あった)楽器の糸巻きの写真とインプレッション。
米国スローン社製。10年以上前のモデル。当時としてはデザイン・性能とも評判が高かった。

米国スローン社製。近年のもの。以前とギア仕様が変わった。巻き心地が向上。

ギルバート。サイモン・マーティーに標準装備。いかにもメカニックで極めて堅牢な作り。巻き心地はまずまず。

独ライシェル社製。ハウザーに標準装着されている。やや硬めながら確実なアクション。

独ルブナー社製。シンプルなデザイン、価格も低めだが、やや硬めながら悪くない。これに似た独シェラー社製(下記シャラーではない)のものがある。

独シャラー社製の廉価なモデル。見た目、使い心地とも価格相応。

後藤ガット製。当地が世界に誇るトップメーカー。フステロ風の王冠付きデザイン。螺鈿細工の天使が舞う。

西フステロ社製。昔からラミレス他スペイン製ギターの多くに標準装着されていた。同社は2011年に営業を停止。市場にはまだ流通在庫がある模様。

19世紀ギター;仏ラミー社の楽器に付いていたもの。極めて滑らかかつ確実な使い心地。

19世紀ギター;英シャペル社の楽器についていたもの。これも素晴らしい巻き心地。この時代のツマミはもちろん象牙。王室御用達のマークも。

真打!ロジャース。シンプルながら気品あるデザイン。気持ち悪いほど滑らかな巻き心地。少し前までは最高級糸巻きといえばロジャース一択だったが、最近は、アレッシー、バルジャック等選択肢が増え、また古くからあるメーカーもハイエンドモデルを次々に出し始めている。

糸巻き交換の様子
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きのうの記事に書いた通り、今週金曜日のNHKBSプレミアム<美の壺>ではギター特集が組まれている。それだけでもちょっとしたトピックスだが、なんと、同じ日のEテレでもギターが取り上げられる。

Eテレの7月21日金曜午後9時半から10時に放送される「ららら♪クラシック」で現代クラシックギターの父といってもよいアンドレス・セゴビア(1893年2月21日-1987年6月2日ちょうど没後三十年)が特集される。少し前に知っていたのだが、すっかり忘れていて、きょう職場の知人から知らされて、そうだったと思い出した。『高橋克典も驚がく!貴重な映像記録に見るギターの世界を変えた神業 (1)セゴビアトーンの秘密(2)ギターの天才は革命家 (3)波乱の生涯を貫く不屈の音楽家魂』とのこと。村治佳織、手塚健旨をゲストに迎えて、クラシックギタートークが繰り広げられそうだ。
ららら♪クラシック「解剖!伝説の名演奏家~偉大なるギターの革命家 セゴビア~」
http://www4.nhk.or.jp/lalala/x/2017-07-21/31/19997/2133231/
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先日、懇意にしているギター製作家:田邊雅啓さんからメールがあった。
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与太さん、こんばんは。
毎週金曜日午後七時半より、BSプレミアムにて『美の壺』という番組があります。来週21日はギターが特集で、私もクラシックギターの製作家として、短時間ですが、出ることになりました。もし可能ならば見て頂けると嬉しいです。実演等は準備の成果もあり。良い出来と思いますが、コメントはうまく話せずにボツになったか、ナレーターか、代弁してくれているのではと思います(^^;
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…とのこと。<美の壺>はぼくもちょくちょく見る番組の一つ。定かではないが、楽器が取り上げられるのは初めてではないだろうか。番組HPには「クラシック・ギターからエレキ・ギターまで、使いやすさや豊かな音を求めた独特のフォルムを紹介。杢(もく)と呼ばれる模様を持つ、貴重な木材を使ったものや、精緻な貝の装飾など、芸術の域に達したギターが勢ぞろい!日本各地のギター工房でギターの造形美に迫りながら、ギタリストの村治佳織と渡辺香津美が、演奏とともにギターの美しさを語る。」とあった。番組紹介のショートムービーには村治佳織がトーレス(おそらく)を弾く姿も…。
美の壺「ギター」
http://www4.nhk.or.jp/tsubo/x/2017-07-21/10/19686/2418231/
ギターに馴染みのない方は意外と思われるかもしれないが、装飾性という観点からみると、ギターは楽器の中で最も見どころのあるものの一つだ。弦楽器という枠組みでみても、機能美に徹したヴァイオリン族とは対照的に、ギターは古来、様々な意匠性のある装飾が施されてきた。おそらく今回の番組では、その辺りにスポットを当てたものになるだろうと、楽しみにしている。
そんなこともあって、三連休最終日の日曜日のきょう、ことのついでに今手元にある楽器の装飾、とくにサウンドホール周りの通称ロゼッタといわれる部分の写真を撮ってみた。様々な色や模様は1mm以下の細かな木片が組み合わされて出来ている。日本の箱根細工と似た技法だ。その昔、何も知らないガキの頃は、印刷したラベルでも貼ってあるのかと思っていた(^^; 昨今は、デザイン、色合いとももっと意匠性にこだわったギターもあるが、ぼく自身は伝統的で地味な木質系デザインが好みだ。
サイモン・マーティー:2006年

ゲルハルト・オルディゲス:2008年

ホセ・ラミレス3世:1978年

ヘルマン・ハウザー3世:2006年

英チャペル社:1860年代
こちらは貝殻を使った螺鈿。胴周りの白いパーフリングは鯨の髭。


以下は美の壺に出演予定の田邊さんのマイギター。どこもかしこも高い工作精度で作られていて、いつ見ても惚れ惚れする。もちろん音も極上だ。




ロゼッタの作成
ギターの製作を10分で紹介
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