モーツァルト<魔笛>



きょうの関東地方は朝からムッとする熱気。きのうに続き、各地で真夏日を記録した。天気予想では台風3号が接近中とか。いよいよ梅雨も後半に入って本気モードか…。 さてさて、七月もスタートし、本日もけな気に業務に精励。8時少し前に帰宅した。ひと息ついてエアコンオン。部屋も程々に涼しくなったところで音盤タイム。このところの声楽物の流れで、こんな盤を取り出した。


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モーツァルトの歌劇<魔笛>全曲盤。オットマール・スウィトナー指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団による1970年のセッション録音。手持ちの盤は写真のジャケット帯でも分かるように、昭和55年1980年の来日を記念して出たLP三枚組のセット。就職して三年目、給料日には勇んでレコード屋に向かっていた頃に手に入れた。手元にある数少ないオペラ全曲盤の一つだ。主なキャストは以下の通り。

 ザラストロ:テオ・アダム
 タミーノ:ペーター・シュライアー
 夜の女王:シルヴィア・ゲスティ
 パミーナ:ヘレン・ドナート
 パパゲーノ:ギュンター・ライプ
 パパゲーナ:レナータ・ホフ

このレコードを買ってきてターンテーブルにのせて音を出したときのことをはっきりと覚えている。当時すでにN響に度々来演していたスウィトナーのことは知っていたし、モーツァルトの交響曲録音を何枚か持ってはいたが、彼に対するイメージは決してよくなく、ちょっと地味な東独の指揮者…くらいの印象しかなかった。あまり期待もせずにこの盤を手に入れたと記憶しているが、針を降ろして出てきた音に驚いた。 冒頭の序曲の素晴らしい管弦楽の響き。弦は柔らかく、管楽器はその弦楽とよくブレンドされ、一体的に響く。コントラバスの基音がしっかしと全体を支える完全なピラミッド型のバランス。そして、そうした響きが鈍重にならないようドライブするスウィトナーの運び…。序曲を聴いただけで完全にノックアウトされてしまった。

この盤は当時もそして今でも、スウィトナーの代表盤であると同時に<魔笛>の最良の演奏の一つとして評価が高い。実際、HMVのサイトでも絶賛のコメントが多い。オペラの配役をうんぬんするほどの眼力はないが、当時の東独オールスターズを配したキャストも文句なしで、特にテオ・アダムの深々としたバスが印象的だ。夜の女王は現代ならもっとドラマティックなアプローチを採るのかも知れないが、この盤で聴くシルヴィア・ゲスティの、夜の女王にしてはいささか楚々としている歌いっぷりも、スウィトナーの音楽全体の作りと調和していて悪くない。

きのうの記事にも書いた通り、言葉の壁があるオペラに関してはまったく手付かずのまま来てしまったが、そんな中で、この<魔笛>は何度も通して聴いて親しんだ。実際の舞台に接したことはないのだが、この盤を聴いていると、その音楽だけで十分に満たされるところもあって、その先に進んでいないのが現状だ。


この盤が来日記念盤となった1980年スウィトナー&ベルリン国立歌劇場来日時の舞台。第1幕。


ルチア・ポップが歌う<夜の女王のアリア> 過激な歌詞!


クラシックギター曲の定番、フェルナンド・ソルによる<魔笛>変奏曲の主題は、第1幕第17場<なんと素晴らしい鐘の響き>による。この音源では1分40秒あたりから始まる。



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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