バッハ:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ハ短調BWV1060



八月もきょうで終わり。天候不順だった関東地方。東京の八月の日照時間は史上最短になりそうだと、ネットのニュースが伝えていた。きょうも時折小雨の降る一日。北東風の流入で気温も上がらず。このまま夏も終わるのだろうか…。 さて、天気とは裏腹に業務は順調に推移。きょうも気になっていた案件がスムースに進み休心。帰宅後、ひと息付いて音盤タイム。きのうのホリガーのオーボエがきっかけで、こんな盤を取り出した。


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諏訪内晶子が弾くバッハのヴァイオリン協奏曲集。オケはヨーロッパ室内管弦楽団。2005年ロンドンでの録音。ぼくには珍しく発売とほぼ同時に輸入盤で買い求めた。バッハのヴァイオリン協奏曲集ということで、あらためて記すまでもないが、収録曲は以下の通り。

 ・2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
 ・ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV1042
 ・ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 BWV1060(R)
 ・ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 BWV1041
   諏訪内晶子(ヴァイオリン、指揮)、ヨーロッパ室内管弦楽団
   フランソワ・ルルー(オーボエ)、フォルクハルト・シュトイデ(ヴァイオリン)

以前、この盤のBWV1043の記事を書いたが、今夜はもう一つのドッペル、ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲を聴く。ヴァイオリンソロはもちろん諏訪内晶子、オーボエはフランスの名手で世界トップとの誉れ高いフランソワ・ルルー(1971-)。

世にドッペルコンチェルトの名曲は多い。その代名詞のようなブラームスのVn&Vcのドッペル。モーツァルトのVn&Va、Fl&Hrp、そしてバッハの2台ヴァイオリンBWV1043が即座に思い浮かぶ。加えて、このヴァイオリンとオーボエのための協奏曲も劣らず名曲だ。LP時代までのバッハのヴァイオリン協奏曲集というと、このヴァイオリンとオーボエのための協奏曲が収録されていないことが多かったように思う。2台チェンバロ協奏曲BWV1060の原曲としての復元と、CDになって収録時間が延びたことが幸いして、この盤のようにすべてを聴けるようになった。もちろん2台チェンバロ版もいいが、このヴァイオリンとオーボエの組み合わせは、この曲がバッハ作かどうかの真偽に疑問があることを考慮しても、素晴らしく魅力的だ。第一楽章を貫く豊かな歌。両ソロ楽器の綾なす二次元的広がりに、雄弁なバスパートが加わり、音楽はまさに生き物のように立ち上がる。第二楽章は淡々と拍を打つ弦のピチカートにのって、ヴァイオリンとオーボエが果てることのない美しい旋律を奏でる。

この盤は全曲、諏訪内晶子の弾き振りということになっているが、コンセプトしては決して彼女のオンステージという感じはなく、名手揃いの合奏体によるアンサンブルを聴く盤だ。録音もソロヴァイオリンだけにフォーカスすることなく、相方の名手フランソワーズ・ルルーのオーボエはもちろん、オケの響きも十全に響き渡る。いずれの曲も活力と推進力に満ち、美しさと強さと奥深さと、そうしたものをみな併せ持つ。録音も過度な残響を排して各パートがクリアにとらえられ、取り分け低弦群の動きがリアルで、時々ソロパートそっちのけでチェロ・バスのパッセージに聴き入ってしまうほどだ。古楽をオーセンティックに楽しむ風情ではなく、あくまでモダンな今風の解釈と音響だが、その代表格といえる演奏だ。

ニューヨーク・クラシカル・プレイヤーズという団体による演奏。


リヒター盤のスコア付き音源。やはり時代を感じさせる演奏だ。


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ハインツ・ホリガーのオーボエ



一昨日の朝だったか、通勤車中のNHKFMでアルビノーニのオーボエ協奏曲が流れていた。そういえば昔よく聴いたなあ、アルビノーニ…と青春回顧。今夜、音盤棚を見回していたら、FMで流れていたものと同じ音源を見つけ、久々に取り出してみた。


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ハインツ・ホリガー(1939-)のオーボエとイ・ムジチ合奏団によるイタリア・オーボエ協奏曲集。1986年録音。手持ちの盤は当時リリースと同時に買い求めたもの。収録曲は以下の通り。

 マルチェルロ:オーボエ協奏曲ニ短調
 サンマルティーニ:オーボエ協奏曲第1番ヘ長調
 アルビノーニ:オーボエ協奏曲ト短調作品9-8
 ロッティ:オーボエ・ダモーレ協奏曲イ長調
 チマローザ:オーボエ協奏曲ハ長調

チマローザ以外はイタリアンバロック隆盛期の面々。とくにマルチェルロは映画「ベニスに死す」で使われたこともあって、70年代から80年代にかけて実によく耳にしたものだ。他の曲も、いかにもイタリアらしいのびやかな旋律美にあふれている。中でも短調作品のマルチェルロとアルビノーニの憂いに満ちたメロディーは印象的で、バッハが憧れをもって自ら編曲したイタリア作品の典型ともいえる。

久しぶりに針を落としたのだが、当時すでに手馴れてきたデジタル録音と、アナログ盤最終期の高い技術レベルもあって、音質、SNともまったく文句のない録音状態。バックのイ・ムジチの音色が思いのほか渋く落ち着いていることも、今回あらためて確認した。手馴れた曲ゆえに、もっとあっけらかんと明るい音を聴かせるのかと思っていたが、さすがはイ・ムジチ。中々懐が深い。

思えば、オーボエが一般愛好家の目にとまり、オリジナル作品のみならず様々な編曲物のアルバムまで発売されたのは、このハインツ・ホリガーにして最初で最後ではないだろうか。当時フルートならランパル、ゴールウェイなど広く知られる存在だったし、トランペットならモーリス・アンドレがいた。そうした面々と片を並べてホリガーの人気は高かった。おかげでアルビノーニやマルチェルロのオーボエ協奏曲が市民権を得たともいえる。 予想外に渋めの音を奏でるイムジチをバックに、ハインツ・ホリガーのオーボエも過度な抑揚を排した吹きぶりで好感がもてる。オーボエそのものの魅力的な音色と、イタリアンバロックの旋律美に身を任せられるよいアルバムだ。


アルビノーニの協奏曲ト短調作品9-8 同じコンビによる60年代の録音音源。


この盤には入っていないが、これもよく聴いたなあ。アルビノーニ作品9-2


チマローザの協奏曲ハ長調。この曲はアーサー・ベンジャミンが指揮者バルビローリの夫人でオーボエ奏者だったイヴリン・ロスウェルのために、チマローザのチェンバロソナタから4曲を選び協奏曲に仕立てたものだそうだ。


このチマローザの最初の楽章使われているソナタは、ブリームのギター編でも知られる。



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夏の夜の妄想



八月も今週でおしまい。今月で夏が終わるわけではないが、なんとなく安定を欠く夏。不純な天候ばかりが報道される。これも夏型気圧配置が弱いことに起因するようだ。しっかりせえよ、太平洋高気圧! さて週明け月曜日。今夜は夏の夜の妄想を…

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しばらく、いや随分前からアンプ選びでしゅん巡している。
現有のラックマンL-570に特段不満はない。一昨年、予防保全を含むメンテナンスパックも施したから、当面不具合が発生することもないだろう。とはいえ、さすがに発売から四半世紀以上を経過している。そろそろ人生の行く末を考える歳になったこともあり、これからの人生黄金期の二十年(実態はそんなバラ色とは程遠いが)を共に安泰に過ごせるかどうかを考慮すると、バブル期の贅沢な設計思想で作られているとはいえ、ぼちぼち退役も考慮しないといけないと考えている。ダメになったらそのとき考えればいい、アンプがなくなるわけでもなし…。その通りではあるのだが、アンプの入替えはスピーカのそれとは違って音質が180度変わってしまうようなリスクは少なく、浮気をしても痛い目にあうリスクが少ない。つまりオーディオとしてのお楽しみ的要素が強い。音そのものが廉価モデルとさほど変わりなくても、デザイン、操作感覚、存在感などが選択の基準になるのも、道楽のお楽しみが由の世界だからだ。

この手の妄想の前提として、ひとまず懐事情は横に置くことにして…
現有機のレベルから考え、候補はプリメインの上位モデルかセパレートへの移行を考えている。次にどのメーカーにするかだ。同じラックスマンで行くのが妥当なのだが、ラックスマンのプリメイン上位機種に少々不安があることから、世評ではまったく異なる音質キャラクターのアキュフェーズを本命としている。プリメインならE-600(この機種はおそらく今秋モデルチェンジされるだろう)。セパレートならパワーアンプA-47+プリアンプC-2450(このプリアンプは出たばかりの新製品)が候補。このクラスのプリアンプにはレコード再生用にAD-2850というフォノモジュールが用意されている。優れたモジュールのようだが、価格もそれなり。フォノモジュールだけで国産の中級プリメインアンプが買える。プリアンプを一つ下のモデルC-2120にする手もあるが、こちらはオプションのフォノボードが現有のL-570より確実に見劣りしそうで悩ましい。もちろんそれぞれの機種のひとつ前くらいの中古という選択もアリだ。

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アキュフェーズは手堅い設計思想と継続的メンテナンスとで国内外オーディオマニアの強い信頼を得ているメーカー。外見デザインも安易に変えない。しかし、客観的にみると年商二十数億の小規模メーカー。大企業の一部門であれば真っ先に整理対象になりかねない規模だ。市場拡大がそうそう望めない本格オーディオの世界にあって企業活動の維持には苦労していると推察する。それが証拠に、安易なモデルチェンジはないというアキュフェーズの各モデルではあるが、実際はいずれも4~5年周期で確実にモデルチェンジをし、同時に価格もアップしている。モデルチェンジに際しては「最新の技術を投入し…」「全面的に見直し…」というふれこみがもちろん付くが、多くがマイナーチェンジの域を出ない。大きな技術変革は10年に一度くらい。最近でいえば、音量調整にAAVCと称する技術(入力信号を電圧一電流変換。その後必要なレベルに応じて電流加算したのち再び電圧レベルに戻す方式)くらいではないだろうか。それに加えて周辺技術として、音量ボリュームにメカとセンサーを組合せた操作感覚に優れたデバイスを投入したこと、スピーカへの接続回路の開閉を機械式接点のリレーからMOSFETの半導体スイッチに変えて信頼性とダンピングファクターを向上させたこと、小信号回路をパラレル動作させてSN比を改善したこと…くらいだ。アナログオーディオの主要回路に関しては、すでに技術革新はほとんどない証左ともいえる。そんなアキュフェーズではあるが、やはり日本オーディオ界でのリファレンスであることに違いはなく、数年ごとのマイナーチェンジと価格アップも、アキュフェーズ存続のための応援費用と考えるのが妥当だ。

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気になるメーカーは他にもある。
漆黒のフロントパネルにブルーアイズのマッキントッシュの存在感はどうだ。過去何度か身売りを繰り返して経営主体は変っているようだが、そのデザインと音質のポリシーはアキュフェーズ以上に一貫している。こちらも数年ごとにモデルチェンジをし、価格もアップしている。プリメイン上位機種は最近MA9000がリリースされた。しかし45キロを超えるその重量は、衰え行く老体を考えると諦めざるをえない。そこまで考えるなら、マークレヴィンソンやクレル、ジェフローランドはどうか。いや、いくつかの国内ガレージメーカも個性的な製品を出している等々。おっと、球アンプを自作という道もあるが、小学三年のときからラジオ工作で真空管と付き合い、三球ラジオ(三球・照代にあらず)からオールウェーブ受信機にSSB送信機、各種アンプと十分遊んだので、もう球はいいかなと。

オーディオ選びで悩んでいます…という質問に対して<識者>から必ず出てくる答えが「試聴してご自分の耳でよいと思いものをどうぞ」というものだ。その通りだろう。しかしスピーカならともかく、ことアンプに関して、音質の良否、自分の好みとのマッチング等、静寂良質な試聴室であっても判断できる自信はぼくにはまったくない。従ってアンプに関しては、もっぱら機能と面構え、操作感覚で選ぼうと考えている。アンプは見た目が100%。でも35億も存在しない…こうして妄想はいつ果てることなく堂々巡りを繰り返す。

横浜に本社工場があるアキュフェーズ社。誠実な日本のメーカイメージそのものだ。


マッキントッシュMA9000



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ハスキルの<狩>



スイスで開かれていたクララ・ハスキル国際ピアノコンクールで、18歳の音大一年生藤田真央さんが優勝した。きょう昼間の移動中カーラジオから流れるニュースで知った。若手新人の登竜門での快挙。大いに祝福したい。おめでとうございます。
クララ・ハスキルといえばぼくらより少し上の世代により馴染みがある往年の名演奏家だった。きょうのニュースで思い出したこともあって、久々にハスキルの盤を取り出した。


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クララ・ハスキル(1895-1960)によるベートーヴェン。ハスキル晩年1959~60年録音。手持ちの盤はまだフィリップスレーベルが健在だった2005年に廉価盤で出たときのもの。協奏曲第3番ハ短調(マルケヴィッチ指揮ラムルー管弦楽団)と、ピアノソナタ第17番ニ短調<テンペスト>と第18番変ホ長調<狩>が収録されている。今夜はこのうち18番を選んでプレイボタンを押した。

モーツァルト弾きとして名高いハスキルだが、もちろんベートーヴェンはピアノ弾きとして重要な作曲家だったに違いない。とはいえ、むやみにれパトリーを広げる演奏家ではなかったとようで、ベートーヴェンではこの盤に収録された3曲を取り分けよく演奏したそうだ。

ベートーヴェンのソナタ18番はそう多く取り上げられる曲ではないかもしれないが、よりポピュラーな第17番<テンペスト>と好対照を成している佳曲。全楽章を通じて、ベートーヴェンとしてはやや珍しく、チャーミングで軽みのある曲想だ。第1楽章は付点音符によるリズミックなモチーフが印象的な明るい楽章。2楽章に4分の2拍子のスケルツォをおき、第3楽章に優美なメヌエットが配されている。このメヌエットは美しい。終楽章は8分の6拍子。タランテラ風の急速調で、ベートーヴェンらしい熱を帯びたフィナーレとなる。

ハスキルはいずれの楽章も力で押すことなく、美しい音色と穏やかなフレージングが生きた演奏だ。全楽章を通じて、ハスキルが力を込めたフォルテシモで鍵盤をたたく箇所はそう多くない。メッゾフォルテ以下の弱音のコントロールが素晴らしいのだ。人間もそうだが、大事なことは大声で叫ばず小声で伝えるものだということが、ハスキルの演奏からはよく分かる。あのチャップリンをして「私の生涯に出会った天才はチャーチル、アインシュタイン、そしてハスキルだけだ」と言わしめた天賦の才に恵まれながら、若くして病魔に冒され、ナチスに追われたハスキルの過酷な人生を思うと、晩年のこれらの演奏を裏付けるものが分かるような気がする。


ハスキルの弾く18番。但し、こちらは1955年の録音(モノラル)。


18番の楽譜付き音源。ケンプの演奏だそうです。


横山幸雄による18番のレッスン。


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ブレンデルの<告別>



早いもので八月最後の週末金曜日。いつも通り7時過ぎに帰宅。一服したあと少し雑誌を眺めていて、気付いたらもう11時を回っていた。実はこのところ、以前にも増して音楽を聴こうというパッションが減少。かろうじてこのブログ時期の更新をトリガに何か盤を探してはみるが、あまり真剣に聴いている状態ではない。きょうもそんなノリの悪い夜なのだが、気を取り直して音盤棚をサーチ。何枚か出しては戻しを繰り返して、ようやくこの盤に落ち着いた。


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ブレンデルの弾くベートーヴェンのピアノソナタ2曲が収められているLP盤。1985年のリリース。時代はCDへのシフトが進みつつあった頃。当時、ベートーヴェンのピアノソナタはグルダのアマデオ盤全集が手元にあったのだが、時流にのった演奏も聴きたいと思い、1800円というミドルプライスと、録音のいい直輸入原盤使用という触れ込みに釣られて手に入れた。しかしその後あまり聴いた記憶がなく、盤面も真新しい。さきほどからいつものCEC製プレイヤーとオルトフォンSPU-Gという組み合わせで聴いているが、プチッというノイズ一つなくクリアな音を聴かせてくれている。その後、この録音を含むブレンデルの70年代録音の全集セットをCDで手に入れたが、LPはLPで味わい深い。
告別ソナタはベートーヴェンのピアノソナタな中では好きな曲の一つだ。特に第一楽章がいい。落ち着いた、しかし緊張感のある序奏。そして主部では短調と長調のスケールが微妙に交錯する。ブレンデルの、この1977年録音の演奏はやや遅めのテンポで急がず騒がず、展開部に入ってもフレーズの一つ一つをじっくり確かめるように進む。ベートーヴェン演奏にありがちな剛直な感じは皆無。むしろ静寂感が支配しているといってもいいくらいで、ぼくが抱くこの曲のイメージにぴったりだ。一緒に入っている大曲ハンマークラヴィアソナタについてはまたいずれ。


ブレンデルによる告別ソナタ。


楽譜付き音源。



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ベートーヴェン後期ピアノソナタ



関東地方はジワジワと暑さ復活。暑い一日だった。
さて、このところアンセルメ翁の検分で管弦楽ばかり聴いていたのだが、今夜はピアノをと思い、こんな盤を取り出した。


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例のグールド・ボックスセットの中からその2枚目にあるベートーヴェンの後期ピアノソナタ集。第30・31・32番というベートーヴェンの最後期の3曲が収録されている。録音は1956年でグールドの盤歴の中では初期のもの。ベートーヴェンのピアノソナタは第29番『ハンマークラヴィーア』で頂点に達したといっていいだろう。その後の最後期の作品となった30番から32番は、29番に比べると規模や構成は小さくなり、反面、簡素な構成の中で精神性と叙情性がより深みを増している。特に31番と32番などはその趣きが一段と際立っている。31番の第3楽章は深い美しさをもった旋律とそのあとにベートーヴェン後期の特徴的手法でもあるフーガが続く。最後のピアノソナタとなった第32番も第1楽章こそベートーヴェンらしい激しさも現れるが、第2楽章はやはり静かな歌とその変奏が続き、全体としては静寂が支配する音楽だ。叙情性と対位法的扱いあるいは変奏形式は、深く静かに瞑想しながら曲の核心にせまるグールドの一面によく合うように思う。


スタジオ収録の第31番終楽章前半


同楽章。フーガが始まる後半。


エレーヌ・グリモーの弾く第31番。 一段とショートヘアになったグリモー…美しすぎるぞ(^^;



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ウェーバー クラリネット協奏曲



きのう取り上げたアンセルメのウェーバー序曲集で思い出し、ウェーバーついでといってはナニではあるが、こんな盤を取り出した。


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ウェーバーの作品の中では比較的メジャーなクラリネット協奏曲。手元の盤はイギリスのクラリネット奏者;アントニー・ペイがソロを吹き、伴奏をピリオドオケのOAE=Orchestra of the Age of Enlightenmentが付けている。1986~87年の録音。当時ちょうどバブル期突入前夜の日本。ピリオドオケも少しずつ認知され始めた頃にリリースされた。この英ヴァージン・クラシクスの盤は、故・黒田恭一氏が何かの雑誌で推薦していたのを読んで買った記憶がある。それももう30年近く前にことになるが…

収録曲は3つ。番号付きの協奏曲第1番へ短調と第2番変ホ長調、それと作品26変ホ長調のコンチェルティーノが入っている。いずれも古典期の様式をもちながら、所々に初期ロマン派の薫りを感じさせる。第1番やコンチェルティーノの冒頭などは短調の調性感を生かして意味深長に始まるが、ベートーヴェンのようにそれがどんどん深刻度を増していくようなところはなく、いずれも明るく転じていく。どの曲も典型的な3楽章形式。いずれも第3楽章はクラリネットのテクニカルなパッセージが披露され、中々楽しい。モーツァルトのクラリネット協奏曲に比べるとやや能天気と格下に位置づけられるかもしれないが、古典的な様式感と各所に組み込まれた楽句や和声は十分に美しく魅力的だし、クラリネットのときにコミカルな音色にはむしろウェーバーの方が合っているようにも感じるが、どうだろう。


第1番のスコア付き音源。


ロペス・コボス指揮ガルシア交響楽団と、同団の首席クラリネット奏者ファン・フェレールによる第1番。


この盤の音源があったの貼っておく。 コンチェルティーノ 変ホ長調 作品23



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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