ワルターのベートーヴェン第二



週半ばの水曜日。天気晴朗。陽射し強く、気温も30度超えの暑い一日。きょうも程々に働き、いつも通りの日常が終了。ひと息ついて、さて、あまり意欲的に聴く気分にはならなかったが、こんなときの元気付けには、これが良かろうと、こんな盤を取り出した。


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ブルーノ・ワルター( 1876-1962)とコロンビア交響楽団によるベートーヴェンの交響曲第2番。このコンビによるワルター晩年の録音の一つ。手持ちのCDでは名演の誉れ高い第6番<田園>がカップリングされている。牛を引くジャケットデザインは確かLP盤<田園>のオリジナルジャケットだ。このコンビによるベートーヴェン交響曲の録音は偶数番号がとりわけ優れているといわれる。ワルターの陽性で温厚な解釈からそういうことになったのだろう(もちろん奇数番号も悪くない)。この盤では2番と6番という組み合わせで、このコンビのよい面が十全に現れている。

第1楽章冒頭から充実した響きがスピーカーからあふれてくる。ワルター晩年の記録を残す目的で録音セッション用に集められたやや小編成のコロンビア響だが、そうしたハンディキャップはまったく感じない。ロスアンジェルスやハリウッドの腕利きを集めただけのことはある。むしろ小編成ゆえにワルターに指示に対する反応がダイレクトに現れて、アクセントやスフォルツァンド、短いフレーズ内でのクレッシェンドなど、少し大仰かと思うほど小気味良くきまるし、低弦群もしっかりと聴こえてくる。いや、むしろ異例といってくらいチェロ・バスの音形やアクセントを強調し、ときにゴウゴウをうなりを上げるほどの迫力だ。スタイルとしてはやや古いドイツ流の様式感で、音楽の味付けとしてはやや濃い口となる。しかしコロンビア響の運動性能はきわめてよく、音楽は鈍重になったり滞ったりはしない。
この2番の圧巻はやはり第2楽章だろう。本ブログでは度々この第2楽章の美しさを語っているが、ワルターの演奏は中でも抜きん出て素晴らしい。手持ちの盤幾多ある中でテンポはもっとも遅く、ゆったりとしたテンポにのせて歌うカンタービレは他では聴けない素晴らしさだ。参考までに第2楽章の時間をいくつかの盤と比較してみた。多くの演奏の平均値に比べると4割も長い。

 14分30秒 ワルター&コロンビア響 この演奏
 12分30秒 クリュイタンス&BPO カラヤンに先立つBPO最初のステレオ盤全集
 11分07秒 スウイトナー&SKB 中庸をいくスタンダード
 10分33秒 カラヤン&BPO 60年代録音
 10分01秒 ノリントン&LCP ピリオドスタイル
  9分59秒 トスカニーニ&NBC

終楽章はもう少しテンポを上げたい気もするが、音楽は充実し切っていて、決め所のティンパニやトゥッティはエネルギーに満ちていて申し分ない。トスカニーニやフルトヴェングラーらと並んで20世紀前半の巨匠時代の一翼を担ったワルターだが、モノラル期までで亡くなった他の二人に比べ50年代後半から60年まで存命し、晩年コロンビア響との良好なステレオ録音が残せたことは幸いだった。


この盤の音源。第2楽章は10分29秒から。


同曲。カール・ベーム( 1894-1981)最後の来日となった1980年ウィーンフィルとのライヴ@昭和女子大人見記念講堂。賛否あった演奏だった。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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