ヤニグロのベートーヴェン
寒波到来の週末土曜日。関東地方は青空広がる冬晴れ。昼前から夕刻まで野暮用外出。昨年末納車となりながら、まともに乗る機会のなかったVWゴルフを駆って往復200キロ程の高速ドライブ。ようやくその感触を楽しんだ。動力性能、静粛性、乗り心地といった車の基本性能に加え、昨年のマイナーチェンジでアップデートされた運転支援システムの出来がすこぶる良好で、昨今話題になる自動運転はすぐそこまで来ていると実感するほど。高速巡行時の快適性と安全性は期待以上だった。いずれ機会があればあらためて紹介したいと思う。 さて、あすは日曜という週末の夜。ドライブ疲れを癒しつつ聴く今宵の一枚。こんな盤を取り出した。

きのう記事にしたシューベルトのトリオでチェロを弾いていたアントニオ・ヤニグロ(1918-1989)。初めてその名前を聞いたときには中南米のどこかの国のプロレスラーかと思った(^^そのヤニグロが弾くベートーヴェン:チェロソナタ全曲を収めた2枚組アルバム。その中から第1番ヘ長調を聴く。イエルク・デムス(1928-)のピアノ。録音は半世紀前1964年ウィーン。
ベートーヴェンの5曲あるチェロソナタのうちでもっともポピュラーなのは第3番イ長調だが、マイ・フェイバリットはこの第1番ヘ長調だ。以前チェロ相方女子と話をしていた際、彼女も第1番が好きだと言っていた。第1番は二つの楽章から出来ているが、その第1楽章冒頭のアダージョ・ソステヌートの序奏が素晴らしい。荘重な雰囲気の中に美しい歌があふれる。この序奏だけでもこの曲を聴く価値があるだろう。主部に入ってまず気付くのはピアノパートの雄弁さだ。もちろん単純な伴奏音形に留まることはなく、しばしば主旋律を取り、チェロが脇役に回る。チェロとピアノの協奏ソナタと言ってもいいほどだ。ヤニグロのチェロは例によって高貴で美しく申し分ない。協奏的に合わせるピアノのデムスも全盛期だろう。古典的な折り目正しさを守りつつ、ロマンティックなフレーズも歌い過ぎず、終始品格の高い音楽に満ちている。ベートーヴェンというだけでエモーショナルな表現で押す演奏がありがちだが、そうした演奏とは一線を画す名演だと思う。
この盤の音源。第1番と第2番。
第1番の楽譜付き音源。ブレンデル親子による演奏とのこと。
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