シーズン7



きのう聴いたブルックナーの第6番。それじゃあ流れで第7番を…7番、7番、ナンバー7…と唱えながらネットを覗いていたら、いきなりビッグニュースが!


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孤独のグルメseason7放送決定の報。4月6日金曜日スタートで全12回。
6年前の2012年1月にひっそりと始まりながら、深夜帯としては異例の高視聴率をマーク。今やテレビ東京の看板番組といってもよいほどになった「孤独のグルメ」。井之頭五郎を演じる松重豊も以前からバイプレイヤーとして知られていたが、この番組で一気にメジャーになった。昨年2017年4月からseason6が放映され、年末には瀬戸内出張編スペシャルがあったばかりだ。ともあれ、思いのほか早くシーズン7の登場となったことを喜びたい。


急逝した大杉漣が出演した回の一部。「東京キネマ倶楽部」は、中に入ったことはないが、ギターショップ「アウラ」へ行った帰り、JR鶯谷駅へ向かう途中で必ず横を通る、お馴染みの場所だ。


東京キネマ倶楽部@鶯谷 グランドキャバレーの全盛期を知っているのは、ぼくらアラカン世代の二回りくらい上の世代ではないだろうか。



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シュタルケルのドヴォルザーク



朝晩は冷え込むものの、さすがにピークは過ぎた。例年になく長く寒い冬だったが、ようやく終わりに近づいたようだ。さて週明け月曜日。年度末業務も程々に進行し、切羽詰まることもなく休心。きょうも7時ちょうどに帰宅した。ひと息ついて二日ぶりの音盤タイム。こんな盤を取り出した。


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シュタルケルとドラティ&ロンドン響が組んだドヴォルザークのチェロ協奏曲。手持ちの盤は十年程前にリリースされた廉価盤シリーズ中の1枚。ハンガリー生まれのヤーノッシュ・シュタルケル( 1924-2013)は10歳になる前から天才ぶりを示したといわれ、その後アメリカへ渡り、デトロイトやシカゴのオーケストラの主席奏者も務めた。このドラティとの盤は1962年、彼が40歳代を目前にした、もっとも充実していた時期の録音だ。

シュタルケルというと例のコダーイ無伴奏チェロの有名な録音の印象が強く、無類の技巧派で、ともかく何でもバリバリ弾くようにイメージしがちだが、このドヴォルザークではそういうイメージはない。もちろん技巧的には完璧で余裕をもってこの難曲を涼しい顔で正確に弾き切っているのだが、決して激することもないし、大見得を切るような解釈もない。むしろ彼の力量からしたら、すべて抑制を効かせて弾いているように感じる。それほどすべてが自然だ。この曲は全楽章、憧れと郷愁に満ちた美しい旋律にあふれているが、その一つ一つを丁寧に弾き進めている。第1楽章第2主題のしみじみとした歌いっぷり、第2楽章後半のオケとの掛け合い、終楽章の独奏ヴァイオリンとの併奏部分など、控えめながら説得力のある表現だ。オケの主席奏者としての経験が十分にある彼の特質なのかもしれないが、オケと一体になって音楽を進めているのがよく感じ取れる。バックを務めるドラティ指揮のロンドン交響楽団も申し分ないサポートぶり。録音も米マーキュリーのクリアかつ自然な音作りで、今聴いてもまったく色あせていない。併録されているコル・ニドライやチャイコフスキーのロココバリエーションも文句なく素晴らしい。


この盤の音源。1962年英ファーストプレス盤とのこと。


高関健&N響との協演。第1楽章。おそらく90年代初頭のものかと。



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モーツァルト K.563


二月半ばの日曜日。朝から野暮用高速ドライブ。昨年末に納車されてから二ヶ月になるVWゴルフでのドライブは快適そのもの。剛性の高い作りによる安定した走りと車格を上回る上質な乗り味。特に高速道では定速走行制御に加え、先行車を一定車間距離で追尾し加減速を自動的に行う制御にも不自然さがない。車線キープの制御も介入度合いが絶妙。総じて運転支援システムとしての出来は、当初の期待を裏切らないもので、よい買い物だったと満足至極のドライブだった。 帰宅後、ひと息ついて二日ぶりの音盤タイム。休日の昼下がりに相応しい、こんな盤を取り出した。


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パスキエトリオによるモーツァルト「弦楽三重奏のためのディベルティメント変ホ長調K.563」。パスキエトリオの名盤として昔から知られるものの一つ。詳細データを確認していないが、60年代初頭のステレオ録音。手持ちの盤は例によって出張の折に梅田の名曲堂阪急東通り店の60年代コーナーで見つけたもの。1965年の日本コロンビア盤で、こうしたものにコスト削減のメスが入る前の時代の分厚い盤質。聴いていてもノンノイズの美しい再生音が楽しめる。

この曲は作品番号からもわかるようにモーツァルト最晩年の作品の一つ。39、40、41のシンフォニーを一気に書き上げた年にこの曲も書かれている。ディベルティメントの定石通り全6楽章構成。両端のアレグロ楽章の間にメヌエットを二つおき、その間にアダージョ、アンダンテの変奏曲をおく構成。
弦楽三重奏という編成は楽器を弾かずにレコードやCDで音楽を聴いて楽しむだけの愛好家にはあまり馴染みの深い編成ではない。しかし、プロアマ問わず弦楽器をたしなむ人にとっては室内楽はその楽しみの多くの部分を占めているし、弦だけの二重奏や三重奏も、練習用課題としても演奏会用ピースとしても重要なものらしい。

この曲はさすがに楽聖モーツァルトの晩年作品だけに、技量、音楽性とも高いレベルが要求される作品と思われる。こうして聴いていると、弦楽四重奏とはまったく違う響きと楽しみを感じる。ヴァイオインが1本少ないことにより響きが薄くなる反面、その透明度は高まり、和声の移ろいやフレーズや曲想の変化はむしろ明瞭に聴く側に訴えてくる。響きのボリュームやダイナミズム以外の要素に対して、より耳を傾けるようになる。耳のダイエットという言葉が適当かどうか分からないけれど、聴く側の耳にも時には一汁三菜の味わいを教えておかないといけない。


全曲。YOUTUBE上で上位の視聴回数を誇る演奏。


スコア付き音源。グリュミオートリオ(Va=ジョルジュ・ヤンチェル、Vc=エヴァ・ツァコ…と思われる)の演奏。



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BWV639



夜半を過ぎて、モーリス・ジャンドロンの弾く小品集を聴いている。


BWV 639 Ich Ruf zu Did Herr  201802_Gendron.jpg


お馴染みのチェロ小品が並ぶ。その中の一曲、バッハのコラール前奏曲「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」BWV639。オルゲルビュッヒライン(オルガン小曲集)を楽譜を眺めつつ聴く。フルニエがこの曲を録音し楽譜も出ていることから、ジャンドロンの盤にも収録されたのだろう。その美しさゆえに古くから単独でも取り上げられ、オルガン以外の楽器でもしばしば演奏される。

オルガン譜にはフラット3つが付されているが、d=レには常時臨時記号としてフラットが付きdesになっていて、実際にはフラット4つのヘ短調として出来ている。バッハがなぜこんな記譜をしたかについて知人から「三位一体の修辞学的提示に他ならない。<我は御身を呼ぶ、イエス・キリストよ>というイエスは父と子と聖霊は一体ということからして神に向かっていることも同時に示している。」とのコメントがあった。

そう教えてくれた知人らと集まって以前、フルート・チェロ・ギターで遊んだ際にこの曲も合わせた。フラット4つはギターでは弾きにくいので、半音下げてホ短調でやらないかとぼくから提案したのだが、知人のコメントもあって、ここはやはりオリジナル尊重すべしということでヘ短調で演奏することにした。但しギターは少々インチキをして、カポタストを1フレットに付け、その状態でホ短調の楽譜で弾く。これで出る音はヘ短調になる。シャープひとつの楽譜とフラット4つの楽譜ではメンタリティーが異なるのだが、そこは<気分はf-mol>で勘弁してもらった思い出がある。


チェロとオルガンによる演奏


ポール・ガルブレイスのブラームスギターによる演奏。


オリジナルのオルガンによる演奏。楽譜付き。



バッハにおける記譜と実際の調性に関する考察。この動画に寄せられたコメントには、教会旋法から移行する時期に(手馴れた)ドリア調で記譜して、臨時記号を付して旋律的短音階にするという手法がとられたとある。記譜=ハ短調、実際の調性=ヘ短調というBWV639の事例はこの動画で解説しているホ短調~イ短調の関係と同じで、この理屈で説明が付くことにはなる。



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森口博子



インフルエンザやノロウィルスとも幸い縁なく二月も半ば。きょうは寒さ緩んで日中は暖かな日和になった。ぼちぼち春一番の時期だ。業務程々に推移。きょうもいつも通り7時ちょうどに帰宅した。ひと息ついて、YOUTUBEを見るでもなく見ていて思い出し、こんな盤を取り出した。


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森口博子のヒット曲を集めたベスト盤。2013年リリースの<パーフェクト・ベスト>。収録曲は以下の通り。

1. ETERNAL WIND ~ほほえみは光る風の中~
2. もっとうまく好きと言えたなら
3. Let’s Go
4. ホイッスル
5. あなたといた時間
6. スピード
7. 水の星へ愛をこめて
8. あなたのそばにいるだけで
9. 視線
10. LUCKY GIRL ~信じる者は救われる~
11. 夢が MORI MORI
12. 愛は夢のとなりに ~Dear Formula 1 Pilot~
13. 恋はタヒチでアレアレア!
14. もうひとつの未来 ~starry spirits~
15. 誘惑してよね夏だから
16. その胸の中でずっとずっと
17. やさしい星で

80年代半ば、ぼくはせっせと地味に仕事をし、オッサン予備軍の年齢になっていたので、アイドル歌手全盛期の当時について何も語ることは出来ないのだが、今頃になって気になる歌手がいる。その中の一人が森口博子だ。コンスタントなビッグヒットには恵まれず、アイドル歌手としてはイマイチであったが、その後は元祖バラドルとして、TVのバラエティーやトーク番組ではすっかりお馴染みなった。しかし、もとより歌の上手さでは折り紙つきの彼女。軸足はやはり歌手で、新曲のリリースこそ少ないが、現在もコンスタントにライヴをこなしている。

ざっと通して聴いてみると、やはり80年代アイドル時代の曲作りと音作り。アップテンポのポップな曲が続く。中では映画「機動戦士ガンダムF91」のテーマとして一番のヒット曲となった<ETERNAL WIND>、同じくガンダムのテレビ版主題歌<水の星へ愛をこめて>、PS2版の<もうひとつの未来>、それとCMに使われた<その胸の中でずっとずっと>などが、曲・編曲とも秀逸。単なるアイドルポップスに留まらずフュージョンテイストの凝ったコードワークも使われている。昨今はアニソンなるジャンルが成立しているらしく、ガンダム系統の曲から、彼女の名前もその方面で知られているようだ。

1968年生まれの彼女も今年は五十歳。あまりに素直な声でうまく歌うことで、かえって没個性になってしまい、強烈な個性を押し出す存在ではないだろうが、しかし、この声と歌唱でもう少しいろいろな曲を聴かせてほしいと、ひと回り以上年上のオジサンは思うのだ。


最大のヒット曲<ETERNAL WIND> 2015年ver.


デヴュー曲<水の星へ愛をこめて>と<ETERNAL WIND>(3分45秒から)
ライヴらしいパフォーマンスと分厚いバックサウンドで聴き映えがする。


<ETERNAL WIND>原作者の西脇唯



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カーメン・マクレエ<アフター・グロウ>



バレンタイン・デイ。きっと世のオヤジ・ブログではかろうじてゲットしたチョコレートねたで持ちきりか。エヘンっ、本ブログは硬派路線につきチョコも色恋も無縁也。本日も独逸の保守本流ワグナーの…と書き始めたのだが、実は手元にチョコが…(^^ 方針変更して今夜は激甘にGo!


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マイ・ファニー・バレンタインというジャズのスタンダードがある。バレンタインは恋人の男性の名前。私の好きな彼ヴァレンタイン、と惚れた女が歌う曲だ。ちょっと棚を探したら大あねごカーメン・マクレエが歌っている盤があった。1957年カーメンが35歳のときに入れた<After Glow>というアルバム。年に一度、バレンタインデイに聴くのが恒例になっている。 After Glowという言葉から思い浮かべる光景…パーティーが終わって酔いがちょと覚めたころ、あるいはセッションを終えたミュージシャンがひと息つく時間、仕事を終えた男ならちょっとネクタイをゆるめるとき、女性なら…う~ん、よくわからないがヒールを脱ぎ捨ててベッドに倒れ込むとき(これは違うか…)。…まあそんな感じかな。

この盤ではカーメンが終始リラックスしてスタンダードをしみじみと歌っている。カーメンは元々ピアニストととして世に出た。この盤でもレイ・ブライアントのピアノとは別に彼女のピアノが楽しめ曲も4曲入っている。歌はもちろんだがピアノもなかなかいい。さてこの盤のマイ・ファニー・バレンタイン。マイナー・キーを上手く使ったピアノのフレーズで始まる。カーメンがピアノのバックでワンフレーズ歌ったところでブラッシングするドラムとベースが静かに入ってきてリズムを刻む。後年のややドスの効き過ぎた歌いっぷりとは違って35歳のカーメンはハスキーではあるが、ハイトーンもまだまだ伸びやで美しい。


<マイ・ファニー・バレンタイン>


<ゲス・フー・アイ・ソー・トゥデイ Guess Who I Saw Today>



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ラフマニノフ チェロソナタ ト短調



三連休明けの火曜日。朝から頭痛に見舞われた。原因ははっきりしていて、寝不足、不摂生、そして何より仕事がよくない(-.-; 早めに床についてたっぷり寝て、そして仕事から解放されれば快調になる。話は単純なのだが、中々そうもいかないのが世の常だ。まあ仕方ないっスね。さて、つべこべ言わず今宵の一枚。こんな盤を取り出した。


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例のトルトゥリエのボックスセット中のディスク#15。この盤にはチェロソナタが3曲入っている。ショパンとラフマニノフ、それとフォーレ2番。今夜はその中からラフマニノフのソナタを選んだ。1968年の録音で伴奏をアルド・チッコリーニが付けている。

ラフマニノフの作品中もっともよく知られているのはピアノ協奏曲第2番だろうが、このチェロソナタはその甘口コンチェルトの直後に書かれているにも関わらず、甘さ控え目で中々渋いロマンティシズムに満ちている。そしてラフマニノフらしくピアノパートは素人のぼくが聴いてもかなり難易度が高そうだと察しが付くほど雄弁だ。第1楽章はLentの序奏のあとかなり激情的なアレグロが続く。第2楽章のスケルツォもタランテラ風で熱がこもっている。第3楽章アンダンテがもっともロマンティクな曲想だが、メジャーキーとマイナーキーの間をたゆたうように進む具合が美しい。ラフマニノフは露骨な甘さがいささか…という向きにはこのチェロソナタがお薦めだ。


トルトゥリエによるこの曲のレッスン。若き日の倉田澄子も。


ゴーティエ・カプソンのチェロとミニスカ・ピンヒールでお馴染みのユジャ・ワンのピアノによる全曲。



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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