サン=サーンスのチェロ曲
戌年如月。当地は夕刻から降雪。明朝は今年二度目の雪景色だろうか。
月があらたまり、日経文化欄の「私の履歴書」は草笛光子から良品計画の松井忠三へ。初回のきょうは中核ヘルメット戦士が企業戦士に変わっていったいきさつから始まった。林真理子の連載も相変わらず。今どき珍しくなった男目線のエンターテイメントが続く。さてさて、代わり映えしない日々。寒さもいえぬ時期だが、春もそう遠からず。渋茶をちびちびやりつつ、こんな盤を取り出した。

イギリスのチェロ奏者スティーヴン・イッサーリスの弾くサン=サーンスのチェロ作品集。収録曲以下の通り。
1.チェロ協奏曲第1番
2.チェロ協奏曲第2番
3.チェロと管弦楽のための組曲
4.ミューズと詩人たち
5.祈り
スティーヴン・イッサーリス(vc)
ジョシュア・ベル(Vn)4 フランシス・グリエール(org)5
ティルソン・トーマス&ロンドン交響楽団1
エッシェンバッハ&北ドイツ放送交響楽団2~4
サン=サーンスのチェロ曲というと、まずは「白鳥」それと協奏曲の第1番。それ以外の曲は演奏頻度がぐっと下がるといったほうがいいかもしれない。この盤は二つの協奏曲と併せて、魅力的なチェロ曲がパッケージされていて、チェロ好きには堪らないマストアイテムというところだろう。
先ほどから作品16のチェロと管弦楽のための組曲を聴いている。エッシェンバッハ指揮の北ドイツ放送交響楽団が伴奏を付けている。1999年録音。何でもこの録音が初のCD録音だそうだ。LP時代にはいくつか録音もあったようで、例のワレフスカのボックスセットにも入っている。プレリュード・セレナーデ・ガヴォット・ロマンス・タランテラという構成。元はピアノ伴奏だが管弦楽編曲版がよく演奏される様子。サン=サーンスがまだ20代の頃の作品で、組曲の構成で分かるように古い時代の舞曲形式とロマン派らしい曲想が加わったものといったらいいだろうか。バッハ無伴奏の1番を思わせる(でもないか)無窮動風のパッセージが続くプレリュード、軽い夜風がそよぐようなセレナーデ、和声の移ろいが美しいロマンス、チェロ協奏曲の終楽章といってもいいような躍動感とテクニカルなフレーズで聴かせるタランテラ。全曲を通して明快で美しく分かりやすい旋律と和声で構成されていて楽しめる佳曲。もっと演奏されてもいいように思うが、演奏時間がこの盤で17分という、オケのコンサートでソロのメインプログラムにのせるにはやや短いことが災いしているのだろうか、あまり耳にしない。スティーヴン・イッサーリス(1959-)は日本音楽財団から貸与されたストラディバリウスにガット弦を張り、力任せでない美しい音を奏でる。
この盤の音源でサン=サーンスのドッペルとでもいうべき「ミューズと詩人たち」の終盤。
作品16の組曲から「セレナーデ」 ピアノ伴奏版
オルガン伴奏の「祈り」
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