加藤知子(Vn)エルガー作品集
三月も半ばを過ぎた。仕事の年度末進行もほぼ完了見込みとなり休心。新年度の計画にも少々手を付け出した。本日も程々に業務に精励。7時ちょうどに帰宅。ひと息ついて夜も更けて…変わり映えしない音盤タイム。今夜はこんな盤を取り出した。

エルガー作品集。加藤知子のヴァイオリン、江口玲のピアノ伴奏。1997年に山梨県の牧丘町民文化ホール(現:花かげホール)で録音されている。日本コロンビアの廉価盤シリーズ中の1枚。エルガーが生涯に渡って書き続けたヴァイオリンのための小品とソナタが収められている。収録曲は以下の通り。
1. 夜の歌op.15-1
2. 朝の歌op.15-2
3. 6つのとてもやさしい小品op.22
4. 愛の挨拶op.12
5. 気まぐれ女op.17
6. マズルカop.10-1
7. ため息op.70
8. ヴァイオリン・ソナタop.82
9. カント・ポポラーレ
<愛の挨拶>ばかりが有名になり、いささか手垢にまみれてしまった感があるが、他の小品も味わい深い。この作曲家の一面である、穏やかなロマンティシズムと豊かな歌謡性に満ちた曲が続く。<夜の歌>は安息に満ちた夜のしじまを思わせ、<気まぐれ女>ではクライスラー風の軽妙な技巧を聴かせる。実際、クライスラーの愛想曲だったそうだ。短調のやや速いテンポの<マズルカ>はドヴォルザークの作品にヒントと得て書かれた由。ところどころにスラヴ風の曲想やペンタトニックが顔をみせる。<ため息>の原曲はオーケストラ、ハープ、オルガンのための作品。悲痛なロマンティシズムは作曲当時の第一次大戦に思いを寄せたものと、ライナーノーツにあった。こうした小品、そしてチェロやヴァイオリンのための協奏曲やシンフォニーなどの大曲、エルガーだけではないが、作曲家の多様な側面に等しく接していきたいものだ。
<夜の歌>
イヴリー・ギトリスの弾く<気まぐれ女>
のだめにも登場したヴァイオリンソナタ第1楽章。
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