ジョン・コルトレーン <ブルー・トレイン>



好天の連休入り。野暮用外出から午後3時過ぎに戻ると、部屋の中はムッとするほどの暑さ。夕方までの時間、久しぶりにアキュフェーズのシステムに灯を入れ、ブルックナーの第3交響曲をフルボリュームで聴く。ちょっと暑気払い。 日も暮れ、食事を済ませ、昨晩録画の五郎@群馬も見終わったところで、さてまだ寝るには早い夜半のひととき。今夜はジャズ気分。こんな盤を取り出した。


201804_Coltrane_BlueTrain.jpg


ジョン・コルトレーン唯一のブルーノート録音にして定番・名盤の「ブルー・トレイン」。ジョン・コルトレーン(ts)、カーティス・フラー(tb)、リー・モーガン(tp)、ケニー・ドリュー(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1957年録音。Amazonでのカスタマレヴューの多さからも、今もって高い人気を誇る名盤だ。収録曲は以下の通り。

 1.ブルー・トレイン
 2.モーメンツ・ノーティス
 3.ロコモーション
 4.アイム・オールド・ファッションド
 5.レイジー・バード

ぼくは格別コルトレーンファンというわけではないが、手元には10枚ほどの彼の盤があるだろうか。その中にあって、このブルー・トレインは少々異色といってアルバムだ。コルトレーンというと、ストイックで求道的なイメージの集中力の高いプレイをイメージするのだが、このアルバムでは3管編成によるアンサンブルと、個々のインプロビゼーションのバランスを考慮した完成された形式のプレイが繰り広げられる。演奏自体もコルトレーンらしい音数の多いアドリブ、負けずに吹きまくるリー・モーガンのトランペット、管が抜けたあとのケニー・ドリュー(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)によるトリオとしての演奏など、いずれもエネルギッシュでありながら、リラックスした楽しさにあふれている。
特にアップテンポの#2:モーメンツ・ノーティス、#3:ロコモーション、#5:レイジー・バードのドライブ感あふれるプレイはいずれも圧巻だ。


この盤の音源で<モーメンツ・ノーティス>


同曲。コルトレーンの息子ラヴィ・コルトレーンと現代の名手たちマイケル・ブレッカー、マッコイ・ターナー、クリスチャン・マクブライトたち。


チック・コリアによるモーメンツ・ノーティス。ぐっとモダンな響き。



■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

ソル:もう一つの<魔笛>



先日の<魔笛>変奏曲のあれこれで思い出し、フェルナンド・ソル( 1778-1839)の“もう一つの”<魔笛>をさらってみた。


201804_Sor.jpg 201804_Sor_Op19.jpg



<魔笛>からの6つのアリアという作品。有名な作品9の<魔笛>変奏曲の影に隠れて、演奏されることは稀だし、市販の曲集でもお目にかからない。以下の6つの曲がセットになっている。

 第1曲「僧侶たちの行進」
 第2曲「女の妖計から身を守れ」
 第3曲「ふたたびようこそ」
 第4曲「これはなんと素敵な響きだ」
 第5曲「心正しい人がすべてこんな鈴を持ったら」
 第6曲「イシスとオシリスの神よ」

ぼくは特別なモーツァルトファンでもないし、彼のオペラも手元に<魔笛>と<フィガロ>の全曲盤はあるにはあるが、ろくろく聴いていない。だからこうして有名なアリアから6つ…と聴いても、恥かしながら、ああ、あれネとにわかに合点できないのだ。

いずれも2分に満たない小品ながら、それぞれにギターらしい音形を取り込み、同時に古典から初期ロマン派の和声感を込めたソルらしい作品。第4曲「これはなんと素敵な響きだ」は作品9の変奏曲と同じテーマが使われ、テーマに続いてハーモニクスを使った変奏が続く。 総じてテンポもゆっくりで穏やかな曲想。速弾きや高速アルペジオなどの技巧は不要だが、ポリフォニックな音をバランスよく響かせつつ、和声の緊張と解決、倚音の扱いなどに意を尽くして弾くのは、中々ハードルが高い。中級レベルを自称する諸兄の自己評価には好適の曲かと。


F.ソル <魔笛>から6つのアリア作品19。Boijeコレクションにある楽譜。
http://boije.statensmusikverk.se/ebibliotek/boije/pdf/Boije%20471.pdf



この曲の音源。6曲を続けて弾いている。シュトゥットガルトの音楽大学での録音。「いわさきふみひこ」と記されているから留学中の方だろうか。


クラシックギター曲の定番、フェルナンド・ソルによる<魔笛>変奏曲作品9の主題は、第1幕第17場<なんと素晴らしい鐘の響き>による。上にあげた第4曲も同じ。以下の音源では1分40秒あたりから始まる。そのあとに2分25秒過ぎから第5曲に使われている「心正しい人がすべてこんな鈴を持ったら」が歌われる。



■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

パピーその後



昨年秋から盲導犬育成のボランティアとして一年間お預かりしているパピーのその後。生後7ヶ月を過ぎ、体はほぼ成犬になって半年前の面影はない。見かけだけはすっかり一人前。手足が長いイケメン君だ。


201804_Puppy6.jpg 201804_Puppy2.jpg


2015年に初めて盲導犬育成ボランティアをやったときは雌のイエローラブ。今回は男の子ということで、とんでもないヤンチャ小僧だったらどうしようかと気をもんだが、半年経過してまずまず落ち着いた。まだ一人で長い時間留守番をさせるのは、リスクゼロではないので控えているし、手の届くところに物を置かないよう徹底している。

私の尻にあごをのせ…
201804_Puppy1.jpg 201804_Puppy4.jpg


冬をはさむ半年間、夜も極力目を離さないようにと、家人と輪番の24時間監視はちょっと辛かったが、しばらく前からはほぼ人間の寝起きと同じタイムスケジュールになった。 もうすぐ5月。6月には梅雨を迎え、そして夏。9月末まで預かる予定だ。もうしばらく、よろしくね(^^


201804_Puppy7.jpg 201804_Puppy5.jpg


<追伸>
そうだ、業務連絡を…
この4月から始まった<孤独のグルメSeason7> あす4月28日の放送には当地群馬県下仁田町が登場する。下仁田=「しもにた」と読む。井森美幸の出身地にして、独自に甘みをもつ長ネギの産地として知られる。さて、五郎君の首尾やいかに…



■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

カルリの<魔笛>変奏曲



先日、旧友Y氏が、今まで未見だったフェルディナンド・カルリ(1770-1841)作の<魔笛>の主題による変奏曲の楽譜を見つけたとmixiに書き込んでいた。Y氏はおそらく日本でギター譜に関してもっとも広く深く知っている一人と思うが、その彼をして初めて見たというのだから、ぼくも少々驚いた。


201804_Carulli2.jpg  Carulli_Mozart_2.jpg


彼が見つけたのはこちらのサイトで(PCビューの画面右側にあるMusical Archive of originals and adaptations with guitar or lute in PDF by A.Nagytothy-TothのGuitar solosをクリック)、原典のファクシミリ版ではなく、リライトされたものがアップされている。多作家であったカルリの作品270(or276?)の中の一つであるようだ。ちょっとさらってみたが、有名なソルの<魔笛>変奏曲と同じ主題を使っている。序奏に続き主題、そして7つの変奏があって最後にコーダが付く。曲そのものは「いつものカルリ」でパッとしないが、よく知られる同じカルリのト長調の<魔笛>変奏曲よりも技巧的にできている。

ぼくらギター弾きにとって<魔笛>の主題による変奏曲というと、真っ先にフェルナンド・ソルの作品を思い出す。プロ・アマと問わず、あるいは弾けようが弾けまいが、必ず手を付ける曲の一つだ。主題に使われているのは第一幕の合唱曲<これはなんと素晴らしい響き>。この曲は単独でもよく演奏されるように、当時から大そうな人気曲であったようだ。以前、旧友Y氏とこの曲の話になって、意外に知られていないのだが、有名なソルの作品以外にも、同時代のカルカッシ、カルリ、ジュリアーニといったギター弾きにはお馴染みの作曲家もこの主題を使って変奏曲を書いているという話になった。確かにソルの作品は立派なホ短調の序奏が付き、軽妙な主題提示以降、各変奏曲もギターの特性を生かしながらも普遍的な古典的様式感と和声感を備えた素晴らしい曲ではあるが、他の曲も、当時の雰囲気を知る意味でもっと弾かれてもいいと感じる。

カルカッシが同じ主題で書いた<イシスの神秘の主題による変奏曲>作品24。<イシスの神秘>は<魔笛>の仏版に付されていたタイトル。立派な序奏付き。
楽譜はこちら ⇒
http://boije.statensmusikverk.se/ebibliotek/boije/pdf/Boije%20624.pdf


ジュリアーニ <魔笛>の主題による変奏曲。
楽譜はこちら(第1曲) ⇒
http://maurogiuliani.free.fr/partitions/Tre%20tema%20favoriti%20con%20Variazioni%20....pdf


カルリ作の以前から馴染みのある ト長調の<魔笛>変奏曲(48のプレリュードと24の作品中の1曲)は、かつて音友社から出ていたギターライブラリーにあった。
201804_Carulli.jpg  201804_Carulli_ZF.jpg


主題の原曲<これはなんと素晴らしい響き>第一幕の合唱曲…だったかな。



■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

演奏録音 小品2題



久々の演奏録音。演奏…なんて、そんな大したものではないけれど…。


Sor_32-2.jpg


久しく録音から遠ざかっているのは、ひとえにギターを弾いていないからに他ならない。毎夜つまらないブログなど書いてないで、せっせと練習に励めばいいものをと思いながら、一向に手についていない。

今回の録音は昨年2017年夏に地元で開かれたmixi仲間の発表会でのもの。ファイルを整理していたら、あっ、こんなのあったっけ…と見つけた。例によって現地集合のあとあみだくじで順番を決め、ぶっつけ本番。 事前のおさらいもせずに楽譜を広げて駆けつけ三杯の雑な弾きぶり…いろいろ言い訳が付くのは下手な素人の常…ごめんなさい。
当日、持参したレコーダーが不調だったので、知人が別のレコーダーで撮ってくれたもの。会場は響き過多の会議室で細かな音が聴こえない。チェロ組曲は前奏曲とサラバンドも弾いたのだが、あまりに不出来で公序良俗に反すると判断して割愛。ソルのワルツは倚音の扱いがポイントだが、右手・左手ともあちこちで制御出来ていない。


バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番よりメヌエット1・2 使用楽譜は小船幸次郎編


フェルナンド・ソル:ワルツ作品32-3。楽譜はこちら⇒http://boije.statensmusikverk.se/ebibliotek/boije/pdf/Boije%20480.pdf



■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

イザイの無伴奏ヴァイオリンソナタ



このところ身辺諸事情あって気分が晴れない。不惑の年どころか、還暦を過ぎても、ああでもないこうでもないと腐心することが多い。日々の備忘とはいえ、呑気にPCに向かって駄文を打っているのも、我ながら無為の最たるものと思うのだが…。と、そんな投げやりな気分をみずから癒そうかと、こんな盤を取り出した。


201804_Ysaye.jpg


イザイの無伴奏ヴァイオリンソナタ集。NAXOSレーベルの1枚で、80年代に名だたる国際コンクールを総なめにしたイリヤ・カーラーが演奏している。2001年録音。 イザイ(1858-1931)といっても、実のところ作曲家としてはこの無伴奏だけが突出して有名で、一般の音楽愛好家にはそれ以外の曲はあまり馴染みがないのではなだろうか。実際ぼくもこの盤以外に何も持っていなかったはずだ(無伴奏チェロがあったかな…)。この無伴奏ソナタはその名から想像する通りバッハのそれを意識して書かれた。第2番などは冒頭からバッハの第3番がそのまま出てくる。それと、ギター弾きの視点からみると、私見ながらギター編曲への適合性はバッハより良いと思われるのもこの曲の魅力の一つだ。

一聴すると何とも不思議な感覚になる曲だ。いずれの曲も調性感があり、曲の組み立ても古典的なのだが、常にどこか暗く不安な空気が支配している。その不安定で抽象的、神秘的な空気と、同時に聴きなれた調性感と機能和声の予定調和的安堵感とが同居する。そして聴き手の心が何故か落ち着き平静になる。不思議な魅力をもった曲の一つだ。


単一楽章の第3番ニ短調


ギター編曲版による第2番の第1楽章。


ギター編曲版による第4番のアルマンド



■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

バルバラ・ポラシェック(G)…つづき…



先日の記事に書いたギタリストのバルバラ・ポラシェック。彼女が残したもう一つの録音を新たに手に入れた。


201804_Polasek_Duo.jpg


ちょうど一週間前に記事を書いたあと何気なくポラシェックについてネットをサーチしていたところ、ヤフオクで1枚のアルバムが出ているのを見つけ、手に入れたもの。<ギターのパノラマ>同様、パリ国際ギターコンクールの主宰者だったロベール・J・ヴィタールが監修した<ギターの名手たち>という9枚組のレコード中の1枚。収録曲は以下の通り。ポラシェックのギターソロに加え、夫君ヤン・ポラシェックのチェロとの二重奏が収められている。録音データは記されていないが1965年と思われる。ちなみに高橋功氏によるライナーノーツには使用楽器1965年製ラミレスとある(ジャケット写真はワイスガーバーか)。

 バッハ:リュート組曲第3番
 ヴィヴァルディ:ソナタ ホ短調(Vc=ヤン・ポラシェック)
 ボッケリーニ:ソナタ イ長調(Vc=ヤン・ポラシェック)

この盤のことは以前、隣り町のギター・マンドリン指導者:新井貞夫先生から聞いていた。ぼくがチェロと二重奏にトライするという話をした際、「与太さん、ポラシェックがチェリストの旦那とデュオをやっている盤があるけど聴いてみる?」と教えていただいた。ぼくのずぼらが災いしてその盤を聴かずじまいだったのだが今回、ひょんなことから手に入れることになった。

さてこの盤。A面にはバッハのリュート組曲第3番が収められている。この演奏を当時メニューヒンが聴き、賛辞を寄せたことでも有名になった。先日取り上げた盤でのバッハ同様、録音当時60年代のギターによるバッハ演奏として、普遍的かつ正攻法によるアプローチ。ギターによるバッハ演奏は時に首をかしげたくなる場面で出くわすことがあるが、ポラシェックの演奏にはそうしたところがみられない。メニューヒンが評価するだけのことはある。

そしてこの盤の真骨頂はもう一つ、チェリストの夫ヤン・ポラシェックとのデュオが収められていることだ。今でこそギターとチェロのデュオは珍しくないが、60年代のこの当時、ギターと他の楽器とのアンサンブルはごく限られていた。このポラシェック夫妻による演奏はこの楽器の組み合わせの先駆といっていいだろう。ヴィヴァルディのホ短調のソナタ(チェロソナタ第5番ホ短調 RV40)は以前チェロ相方と演奏予定だったもので、手元に石月一匡氏による楽譜があるが、この盤を知ってから考えると、石月氏はこの盤を耳にしたことで編曲を思い立ったのではないかと想像する。 ボッケリーニは、ここで取り上げられた曲の原曲がチェロソナタのどれなのかは寡聞にして不案内。いずれも夫君ヤン・ポラシェックのチェロは暖かい音色と端正なフレージング、そして音量で差があるギターとのデュオであることも考慮してか、全体的に穏やかな弾きぶりで好感がもてる。

もう音盤は増やすまいと思っていたのだが、たまたまネットでヒットしたこの盤。入札開始価格780円のまま放置されていたこともあり、その金額で応札。誰とも競うことなく落札となった。届いてみれば、帯もジャケットも盤質も半世紀前のものとは信じられないミントコンディション。おそらくどこかの倉庫で眠っていたのだろう。こんなことがあると、気になっていながら縁なしと思ってるいくつかの盤を探してみようかと、またぞろ悪い虫が騒ぎそうだ。


この盤の音源。先回の記事にも貼ったポラシェックによるバッハのリュート組曲第3番。


ギター伴奏によるヴィヴァルディのソナタホ短調(チェロソナタ第5番)の第1楽章。



■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

カレンダー
03 | 2018/04 | 05
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
月別アーカイブ
QRコード
QR
閲覧御礼(2010.10.01より)