テデスコの二重奏曲
新年度スタート。きのう都内での仕事に向かう新幹線車中は真新しいキャリーバッグを手にしたフレッシャーズで混雑していた。入社式に向かうのだろうか。これから始まる彼らの社会人生活を思い、心の中で拍手を送った。いろいろあるだろうけど、頑張ってね~! そういうぼくは1978年に勤め人生活は始めてちょうど40年。なんだか遥かに来てしまったなあ…。 そんな思いを抱きつつ新年度の業務に着手。きょうも程々に働いて帰宅した。ひと息ついてネットを覗くと、きょう4月3日はイタリア現代の作曲家;マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコの誕生日とあった。19世紀末1895年のきょう生まれ、20世紀も佳境に入った1968年に没している。それではと思いついて、こんな盤を取り出した。


懲りずにギターデュオ(^^; 以前も取り上げたことがある、テデスコが2台ギターのために書いた作品を集めたナクソス盤。2007年録音。テデスコはぼくらギター弾きには馴染み深い。ギター協奏曲、詩の朗読に付した「プラテーロと私」、いくつかのギター独奏曲の中ではカプリツィオ・ディアボリカ、タランテラあたりがまず頭に浮かぶ。ギター曲以外にも多くの作品を残していて、後半生には映画音楽の作品も多い。この盤には2台ギターのための作品からソナティナ・カノニカと平均律ギター曲集(2台ギターのための24の前奏曲とフーガ)のうち前半の12曲が収められいる。
曲はテデスコの作風がよく出ていて、ときに新古典主義、ときにロマンティック、ときに民族的要素も現れる。ソナティナ・カノニカは程々の近代的和声にのせて、耳に心地よいメロディーが続く。バッハへのオマージュといわれる24の前奏曲とフーガもギターのさまざまな技巧や特徴的な音形が仕組まれていて、1曲1曲がそれぞれに特徴的で美しい。
演奏しているのはブラジル・ギター・デュオという二人組。写真の風貌からするとノリノリのサンバでも弾き出しそうだが、この盤では実に落ち着いた曲の運びでクラシカルな演奏をしている。ライナーノーツによると使用楽器はセルジオ・アブリュー製ギター。音もすこぶる美しい。ギターといえばアルハンブラや魔笛、アラビア風を連想していたかつての時代とは違い、昨今はジャンルにとらわれない作品も多数出てきているが、半世紀以上前にこうした斬新かつ多彩な曲を作っていたことは驚きでもある。通俗名曲や手垢にまみれたギター曲に飽き足らない向きには、強力お薦めの1枚だ。
ソナティナ・カノニカ。美しい第2楽章シチリアーノは4分過ぎから。そして終楽章はスパニッシュなファンダンゴが続く。
この盤のブラジル・ギター・デュオによるソナティナ・カノニカはこちら⇒
https://youtu.be/iaOn4FclOYk
この盤のブラジル・ギター・デュオによる演奏。第7曲:嬰ハ短調の前奏曲とフーガ。
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