セルのブルックナー第3



連休明けの月曜日。休み疲れもものかは、本日も産業立国日本のため業務に精励。7時過ぎに帰宅した。雨夜の品定め、もとい音盤定め。こんな盤を取り出した。


201805_Szell_AB3.jpg


ジョージ・セル&クリーヴランド管弦楽団によるブルックナーの交響曲第3番ニ短調。1966年同コンビの本拠地セヴェランスホールでのセッション録音。手持ちの盤は数年前にこのコンビの録音がまとめて再リリースされたときのもので、第8番ハ短調とカップリングされた2枚組。8番は以前からLPで保有していたが、第3番はこの盤でようやく接した。1889年第3稿ノヴァーク版による演奏。

ブルックナーの交響曲に接したのは大学時代の70年代半ば。最初に聴いたのはお約束通り第4番だったと思うが、ブルックナーに心酔し、それこそ寝ても覚めての状態になったのは第5番や第8番を知ってからだったように記憶している。4・5・7・8・9番と親しみ、ついで第6番。やや遅れてこの第3番といった順序だった。20代にいやというほど聴いたためか、昨今取り出す機会が少なくなった。取り分け第3番を聴くのは久々だ。

あらためのこの曲を通して聴くと、第1楽章などはその規模の大きさに比して、素材の熟成がいま一つで、散漫な印象を禁じ得ない。展開するようでしない、盛り上がるようで盛り上がらない…そんな感じは他のブルックナー作品にもままあることだが(そこが魅力でもあるのだが…)、この曲の特に第1楽章は、どうなるどうなると思っているうちに終盤を迎える感がある。この曲の熱心なファンからすれば「聴く耳持たぬ与太ごときに何が分かるか…」と言われそうだ。まあ、それももっともだろう。 第2楽章は冒頭から美しいフレーズが展開する。第3楽章の旋回フレーズは、テンポを伸ばしたらレントラーになりそうで(イ長調に転じるトリオはまさにレントラー感MAX)、オーストリアのローカル風情に通じる感がある。

セルとクリーヴランド管の演奏はいつもながらの精緻極まるもの。ヴァイオリン群が歌う旋律のピッチやボウイングが実によく整っていて、とかく肥大しがちなブルックナーの音楽がまるで室内楽のように響く。録音もかつてたくさん出ていた同コンビの廉価盤LPの印象とはまったく異なり、十分良質に改善されている。


この盤の音源。美しい第2楽章は20分13秒から。


この盤の録音と同時期。ウィーンフィルとのライヴ。



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