ソル「私が羊歯だったら」の主題による序奏と変奏
何気なくテレビのスイッチを入れるとプロレスラー蝶野正洋とジャズピアニスト大西順子が出ていた。後楽園ホールのリングで蝶野に技をかけられる大西順子に巡り合えるとは(爆)たまにはテレビも見ないといけません。 さて、きょう土曜日、所属している隣り町のマンドリンアンサンブルでちょっとした演奏機会があって参加予定だったが、急な野暮用でドタキャン。うだうだと時間を過ごした。夜になってひと息つき、先日の続きでちょっとギターをさらう。取り出した楽譜はこの曲。

前回からの変奏曲つながりでフェルナンド・ソル(1778-1839)作曲の「私が羊歯だったら」の主題による序奏と変奏作品26.広げた楽譜は前回同様中野二郎編。中野二郎編のソル全集は初版が70年代半ばに出て、今も版を重ねている。現在では複数のソル全集が存在するが、今もって信頼に足る版として貴重な存在だ。
楽譜を広げて弾き始めると、先日の作品28<マルボロ―の主題による…>に比べると技術的難易度が高い。11小節からなる序奏こそすんなり弾けるだろうが、続く主題の提示からハイポジションかつ縦に厚い和音構成。ハイポジションでの音の位置が頭と体に染み込んでいないと初見ではつまづく。ハイポジションでの和音は音をキープすることと同時に、左手各指の力の入り具合で和音を構成する音の音程がそれぞれ微妙にずれ、その結果和音としての響きの純度が失われがちだ。
主題の「私が羊歯だったらQue ne suis-je la fougère」は古いフランス民謡といわれるが、諸説ある模様。曲想は相変わらずソルの趣味のいい和声感に彩られている。特にイ長調に転じる第3変奏はLent_Cantabileの指定があって美しい。曲は技巧的な第4変奏で突然終わるが、何かエンディングがほしい気がしないでもないが、どうだろう。
楽譜はこちら
フィンランド出身パトリック・クレモラによる19世紀ギター(ファブリカトーレのレプリカ)を駆使した演奏。ハイポジション左手の完璧なコントロール! アーティキュレーション他すべてに二重丸◎だ。
フェルディナンド・カルリ(1770-1841)も同じ主題を使って変奏曲を書いている。こちらは曲の規模も小さく、難易度もソルの曲よりずっと易しい。
「私が羊歯だったらQue ne suis-je la fougère」元曲はこんな感じ。ペルゴレージ作という説もあるようだ。
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