若き日のラーンキ
きょう昼下がりの3時過ぎ、突然ドーンと強く突き上げるような地震に見舞われた。当県南部を中心に最大で震度5弱の揺れを記録。震源が当地直下で前触れなく、驚いた。揺れが短時間で収まったこともあって、大きな被害はなかった様子。当地は比較的安定した地盤と認識しているが、日本中どこも直下型の震源になりうることに違いはないのだろう。 さて、梅雨空続く日曜が終わり、明日からまた仕事という晩。音盤棚を見回していたら、こんな盤を見つけて取り出した。

デジュー・ラーンキ(1951-)の弾くショパンの前奏曲集。1981年録音。手持ちの盤は1983年にリリースされたときの国内初出盤。これもまた以前ネットで箱買いした中の入っていたもの。針を通した形跡のないミント状態。30年余の眠りから覚ますようにSPUの針を降ろした。
ラーンキといえば1970年代半ばにハンガリーの三羽烏として、コチシュ、シフと共に大そうな人気を得た。中でもラーンキは、その甘いマスクと端正な演奏で多くの女性ファンの視線が集中したと記憶している。あぁ、あれから30年…いずれもそれぞれに一国を成し、円熟のときを迎えているといったらいいだろうか。このショパンのアルバムは1981年録音というから、ラーンキがデビューしてから数年後。すでに評価も定まり、ジャケットの写真にも20代の若者から30代となった成熟が見て取れる。
ぼくにとってショパンの前奏曲というと、学生時代に慣れ親しんだポリーニ盤の印象が強く、良し悪しは別として、どうしてもその演奏を基準において聴いてしまう。もっともそうした大昔の記憶も遠くなりつつあるのだが…。ラーンキの演奏はそうした比較を待つまでもなく、一聴してその端整なスタイルが聴き取れる。テンポの動きは少なく、ルバートも控え目、付点音符の扱いも正確だ。いずれの曲もお手本のように正確かつ真面目に弾いている感が強い。もちろんそれに不足はない。どの曲もナチュラルによく歌うし、第16番変ロ短調や第22番ト短調の激した表現も十分熱い。現在のラーンキがどんな演奏をするのか、ディスクもライヴも未聴だが、この盤の録音には、30歳の若きラーンキの輝かしい一瞬が収められている。青春ふたたびかえらずの貴重な記録だ。
この盤の音源。
ラーンキの今@2015年。夫人、息子との協演。
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