バッハのパルティータ



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音楽によって過去のある光景が浮かぶことは誰しも経験することだ。きょうたまたま移動の車中で聴いたパルティータはぼくにとってのそんな曲の一つ。思い浮かんでくる光景をここの記すのは気がひけるのでやめておくが、しばらく聴いていなかったなあと、帰宅後こんな盤を取り出した。


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バッハ:6つのパルティータBWV825~830。ウラディーミル・フェルツマン(1952-)による演奏。パルティータ全6曲に加え、2声のインヴェンションBWV772~786も収録されている。1999年モスクワ録音で2005年にカメラータトウキョウから発売された。ちょうど十年ほど前、バッハのパルティータをあれこれ聴いていた時期があり、このアルバムも発売されてまもなく手に入れた記憶がある。

先ほどから第1番変ロ長調がヘッドフォンから流れている。第1番のプレリュードは全6曲の開始としても相応しく、穏やかにそしてイマジネーション豊かに始まる。フェルツマンの演奏は久々に聴いてみて、やはり素晴らしい。すべての音が極めて明晰で、かつ美しい。多声音楽としてのこの曲の各声部が見事に分離し、曲の構造が透けて見えるかのような感じだ。使用楽譜の版についての知識を持ち合わせないが、他のの演奏になれた耳には時々おやっと思うところがある。フェルツマン自身が楽譜に少し手を入れているか、あるいは装飾音の扱いもかなり異なるのか、そんなところが要因だろう。明晰な音と声部の弾き分けではあるが、生真面目ばかりというわけでもなく、時折テンポをほんのわずか揺らしたりもする。解釈の軸足としては、ややロマンティック寄りであるが、音色感と音の構成感に甘さはない。

ピアノの音はかなり硬質に捉えられ、低音はやや少なめで中高音のクリアさが印象に残る(ブックレットにはスタインウェイを使用と記されている)。パルティータ第2番では第1曲の<シンフォニア>冒頭から装飾音を自在に駆使していく。手持ちの愛聴盤のひとつ、ペライアなどとは好対照。主部に入っても左手のタッチをスタッカート気味にコントロールして、すべての音が空間にくっきりと浮かび上がる。ペダルの使用も最小限かつ考えられたもののようで、自在な装飾音を入れながら、くどさを感じさせない辺りは、中々見事な音色と両手のコントロールだ。


フェルツマンの1998年のライヴ@NY。パルティータ第2番から始まり、ベートーヴェン第31番、<展覧会の絵>と続く。


アシュケナージによるパルティータ第1番。


ギターによるパルティータ第1番。超絶技巧という感じはないが、左手の押弦はアマチュア中上級では手が出ないだろう。



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