昭和のギター曲集 -3-



ことのついでに今夜も昭和のギター曲集。その調子だと、ひと月くらい続きそうだが、まあ程々に休み休み続けましょう(^^;  さて、きょう取り出したのはこんな一連の曲集。


201807_Zenon_Etsude.jpg


1970年代初頭に全音楽譜出版社から出たエチュード集。書架を探索したところ写真のものが出てきた。「ギターエチュードアルバム3」はカルリ、ジュリアーニ、カーノ、ソル。カルカッシ、アグアド等、19世紀古典ギター黄金期の(多くは演奏家を兼ねた)作曲家によるエチュードが30曲余収録されている。おおむね初級から中級レベルのもの(コストは中~上級)。そして「全音ギターエチュードシリーズ」と称されるものが3冊あって、ソル、ジュリアーニ、コストのエチュードが収められている。いずれも当時のギター指導者が編んだもので、巻末には編者の写真とプロフィールが出ている。昭和の…と題したが、実はこのシリーズは現在も全音楽譜出版のカタログに載っていて入手可能。半世紀近く経っても版を重ねているからには需要があるに違いない。おそらく今でもそこここの<町のギター教室>で教材として使われているのだろう。

201807_Kobune.jpg 201807_Nishino.jpg 201807_Sakai.jpg

実際あらためて収録されている曲を眺めると、それぞれの作曲家が書いた多くのエチュードから、初級から中級向けのものをよく考えてピックアップした跡が読み取れる。いずれも20~30曲を選んでいるが、それぞれの作曲家の個性を感じさせる。メカニックな指の鍛錬にはジュリアーニ、古典的和声感を学ぶにはソル、少し時代を下ったロマン派の曲想にはコスト、といった具合だ。ぼくがこの曲集を手に入れたのはクラシックギターを初めて半年経ったあたりからだと思うが、独学のカルカッシ教則本と併行してこの曲集を広げていたものと思う。中ではソルのものと、コストの25エチュード(これは一つの作品群)には現在に至るまで、繰り返し弾いて楽しめる感興にあふれる佳曲が多い。


ソルの作品35の19


この動画投稿者はソルをはじめとするギター曲を鍵盤楽器で再現して演奏している。
ソルの作品31-16もこんな感じに。


コストの<25のエチュード>からNo.14



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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