モントゥーの<驚愕>



雨にたたられた七夕。午前中、これといった用事も無かったので、久々にボリューム上げて音楽を聴こうと思い、さて何を聴こうかと思案。ふと思いついてこんな盤を取り出した。


201807_Monteux_Haydn.jpg


傑作揃いのハイドンザロモンセットから第94番ト長調「驚愕」。モントゥーとウィンフィルによる演奏。1959年録音。手持ちの盤は60年代初頭の国内初出盤。例によって十数年前に出張先の大阪梅田の阪急東通名曲堂「60年代盤コーナー」で手に入れた記憶がある。発売元はビクターで、ジャケットには大きくLivingStereoの文字がある。当時ウィーンフィルは英デッカの専属。普通ならばデッカレーベルになるはずだが、諸事情あってRCA系から発売された。もちろん録音は英デッカによるもので、1959年にウィーン・ゾフィエンザールで行われた(当初RCAリビングステレオのちに英デッカ・ロンドンというパターンはF・ライナー&VPOの録音などと同様か)。70年代半ばにはロンドンレーベルから白いジャケットの廉価盤で出ていたので、それを思い出す向きも多いだろう。

演奏は当時の時流を反映して重厚長大、19世紀に片足を残したような演奏かと思っていると見事に裏切られる。編成は現代のハイドン演奏の標準からすれば大きいのだろう、弦楽群の細部のアンサンブルにやや甘いところがある。木管群の音も遠めだ。しかしウィーンフィルの音は実に柔らかく艶やかで低弦群のエネルギーも充実。左右いっぱいに広がる弦楽群を明瞭にとらえた伝統の英デッカサウンドを堪能できる。
一方、音楽の流れそのものは思い他フレッシュだ。第1楽章のほれぼれするような序奏のあと主部に入ると、ピリオドアプローチ顔負けのテンポ設定で疾走する。第2主題でふっとテンポを落としてギアチャンジ。目まぐるしい転調の続く展開部も畳み掛けるように進む。モントゥー指定の対向配置の効果もあって、構えの大きなハイドンが響く。「びっくりしたなあ、もう~」の第2楽章も快速調のアンダンテ。ロンド風ソナタ形式の終楽章も変らず速めのテンポで駆け抜ける。録音当時すでに84歳の老練の指揮者とは思えない。モントゥーの盤は他にも何枚か手持がある。また機会をみて取り出してみよう。


この盤の音源。第1楽章冒頭、ウィーンフィルの柔らかなアインザッツが素晴らしい。



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