昭和のギター曲集 -4-
70年代初頭。クラシックギターに足を踏み入れた頃に親しんだ楽譜を取り上げる記事の続き。きょうはこんな楽譜を取り出した。

「原典版 ギターの為のルネッサンス音楽1・2」と「原典版 ギターの為のバロック音楽1・2」の4冊。1973年に東京音楽書院から出たもの。本書前書きによると、当時在ベルリンのアダルベルト・カドトというギター音楽研究者によって編纂されてライプツィッヒのドイツ音楽出版(Veb Deutscher Verlag fur Musik Leipzig)から出版され、その頃ギターピースでよく知られていた日本の好楽社が版権を取得したという経緯が記されている。東京音楽書院も好楽社もなくなった現在は入手困難で、この手の曲集が国内では皆無ということもあって、プレミアムが付いているとも聞いた。
「原典版 ギターの為のルネッサンス音楽1・2」は有名なジョン・ダウランドの他、ホーヴェ、ノイジトラーなど、リュート弾きにはお馴染みの16~18世紀の作曲家が並んでいる。作者不詳のものも多い。「原典版 ギターの為のバロック音楽1・2」はヴィゼー、カンピオン、グラナータ、ブレッシャレロなどが並ぶ。いずれの曲集も巻頭にそれぞれの時代の音楽に関する基本事項と主として装飾音の扱いなどが記されていて、実際にこの曲集でオリジナルのイメージを感じるための一助となっている。収録されている作品は、いずれも規模の小さい、技術的にも易しい曲で、ガイヤルダやヴォルタに始まり、アルマンド、サラバンド、あるいはそれを組み合わせた組曲と、この時代の様式感を会得するにもちょうとよいサンプルといえる。おもむろにページを開き、19世紀ギターでポロポロと弾くと、その古風な音色もあって当時の雰囲気に近い感じが楽しめる。
この曲集に入っているジョゼッペ・アントニオ・ブレッシャレロ(1690- 1758)のソナタ第1曲アレグロ。バッハの難曲に挑んで「弾けねぇ~!」と叫ぶより、このあたりのバロック物をきちんと弾くべきかと。
バロックギター隆盛時の作曲家コルベッタの作品
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