昭和のギター曲集 -6-



ギターねた。昭和のギター曲集の続き。今夜はこんな曲集を取り出した。


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「ギター古典名曲集」と題された一冊。協楽社発行。運指:西野博と記されている。例によって裏表紙に当時のぼくのサインがあって、1973年=昭和48年夏に購入している。輪島が横綱に昇進し、NHKホールが落成し、金大中事件がおき、二か月後には中東戦争勃発でオイルショックに見舞われ…と、そんな年だった。この手の楽譜の常として出版年月は記されていないが、おそらく昭和40年前後ではないかと思われる。

クラシックギターの世界を知ってから三年弱の頃。ギターを弾くことと同時にFMでクラシック、特にバロック音楽を聴くのが楽しくなっていた時期だ。朝のNHKFM「バロック音楽のたのしみ」で、皆川達夫氏の名調子によりバロック音楽やそれ以前の音楽に親しんだ輩は多いだろう。そんな頃に選んだ曲集だったからか、本書にはガリレイ(キレゾッティ編)「リュートのための六つの作品」に始まり、ド・ヴィゼーの「組曲ニ短調」、バッハ「組曲第3番」(チェロ組曲第3番)、ラモーの「二つのメヌエット」などが収められている。運指は西野博氏によると記されているが、楽曲(いずれも原曲は6弦ギター用のものではない)の編者等はほとんど情報がない。収められている曲目からしても、おそらくセゴビア編あたりの流用ではないかと思う。

ド・ヴィゼーの「組曲ニ短調」やバッハ「組曲第3番」などは今でもしばしば演奏されるが、この当時よく耳にしたガリレイ「リュートのための六つの作品」などは昨今あまり聴くことがない。モダンギターでリュート曲を演奏することに対する受容が、当時と現代ではまったく違っているのだろう。プロアマ問わず、あの時代はモダンギターでバロックだろうがルネサンスだがろうが何でも弾いた。極端な音色変化やらヴィブラートやら何でも動員し、様式感も何もあったものではなかったが、まあそういう時代だった。


「リュートのための六つの作品」セゴビアによる演奏。


ド・ヴィゼーの「組曲ニ短調」 時代錯誤というなかれ。モダンギターで弾くのもまた一興。6つの舞曲をそれぞれ別の楽器で弾いている。フリッツ・オベール~トビアス・ブラウン~セバスティアン・ステンツェル~ハウザー3世~ハウザー1世



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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