昭和のギター曲集 -8-



クラシックギターを弾き始め、もっとも熱心に練習した高校から大学時代はちょうど昭和40年代の半ば。小遣いもままならず、楽譜の購入ももっぱら国内版の安直な曲集に頼っていた。今にして思うと版権や校訂もあやしいものが多かったが、高価な輸入ピースに手が出ないギター小僧にはちょうどいい塩梅だった。先日来手元にある、そんな昭和のギター曲集を備忘にとどめるために記事にしているが、きょうはその第8弾。こんな曲集を取り出した。


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1973年当地に荘村清志が来演した際、この曲集を持参しサインしてもらった。
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編者の北村峰雄氏
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新興楽譜出版社から1969年に発行された「世界バロック音楽全集」という曲集。<イギリス・イタリア編>と<スペイン・フランス編>の2冊が手元にある。この他に<ドイツ編>があったはずだ。編者は北村峰雄というギタリスト。裏表紙には1971年購入と記してある。

この当時に「世界…」「…全集」といった力の入った書名の曲集が多かった。60年代終わりから70年代にかけて、ギターがクラシカルな楽器の一つとして認知されつつ時代背景もあったのだろう、ギターも酒場の楽器だけにあらず、立派な歴史的楽器、他の楽器と肩を並べて語ることが出来る楽器…そんな気負いを感じられる。あるいは世相そのものが、文学も音楽も「世界…」「…全集」がもてはやされた背景もあるだろう。そんな気負いと気概がこの曲集には表れていて、ケース入りの装丁からして中々立派だ。巻頭には編者北村氏による「バロック音楽概略」と称された見開き2ページに文が添えられていて、ルネサンスからバロック期の大まかな音楽の流れが記されている。

<イギリス・イタリア編>はダウランドやカッティングのリュート曲に始まり、チマローザやスカルラッティなどの鍵盤曲からの編曲などが並ぶ。<スペイン・フランス編>はムダーラやムルシア、サンス、ミランなど、ビウエラやバロックギターの曲、そしてフランス物としてクープランやラモーの鍵盤曲からの編曲とロベルト・ド・ヴィゼーの例の組曲ニ短調が収めされている。おおむねアマチュア中級から上級レベルで、この本を手に入れた高校2年当時、果敢に…もとい、無手勝流に弾き散らかして楽しんでいた記憶がある。


この曲集で初めて触れた曲、アントン・ロジーの組曲イ短調(アリア・カプリース・サラバンド・ガボット・ジグ)。 初級から中級へのステップでよく弾かれる。


同じロジーの組曲ハ長調(シャコンヌ・クーラント・メヌエット・サラバンド・ガボット・ジグ)



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