ブルーノ・リグットのショパン・ワルツ集
相変わらずの猛暑日。宅内野暮用で終日在宅。夜半近くになって、部屋の整理をしながら音盤棚をながめ、こんな盤を取り出した。

ブルーノ・リグット(仏1945-)の弾くショパン:ワルツ集。1976年録音。手持ちの盤はIPG:テイチクレーベルの国内初出盤。第1番から第18番まで(第19番はカット)。宇野功芳氏によるライナーノーツによればリグットはヘンレ版の楽譜を使い、その順番に従っている由。ブルーノ・リグットはサンソン・フランソワ唯一の弟子とされ、1963年19歳のときにロンティボーで入賞してそのキャリアのスタートを切った。
ぼくはショパン愛好家でもないし、そもそもピアノ音楽自体もそれほど親しんでいるわけではないので、ピアニストの特質は録音で一度聴いたくらいでは中々把握できない。従ってこのリグットの演奏も、これが他のショパン弾きと比べてどう違うの即答できない。そう思いながらも聴き進めていると、サンソン・フランソワの弟子だからという先入観もあってか、このリグットの演奏は優れて詩的で、よい感覚の表出を感じる。現代のショパン弾きと比べると音のダイナミズムはずっと控えめで、全編が中程度の音量でさりげなく弾き進められる。テンポはマイナーキーの曲ではやや遅く、他の明るい調子の曲でいくらか早めに感じる。曲のあちこちの現われるテンポ・ルバートも控えめ。総じて軽めの感覚で一筆書きを見るかのような印象だ。
1976年録音ではカットされていた第19番イ短調。リグットは90年代にショパンのワルツ集を再録音している。この音源は90年代のもの。1976年録音の淡白ともいえる歌い口とはかなり印象が違う。
幻想曲ヘ短調。2010年の演奏。冒頭のフレーズで音を外してしまっているのが少々痛い(0:05秒)。
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