前橋汀子の小品集
三連休終了。いよいよ秋本番…にしては暑い日が続くが。
さて、本日も程々に業務に精励。帰宅後、先日来の前橋汀子推しで、今夜はこんな盤を取り出した

前橋汀子の弾く小品集。1996~1997年に録音された盤。収録曲は以下の通り。お馴染みの小品が並んでいる。
1. プニャーニのスタイルによる前奏曲とアレグロ(クライスラー)
2. 精霊の踊り(グルック~クライスラー編)
3. スペイン舞曲(ファリャ~クライスラー編)
4. ノクターン(ショパン~ミルシュタイン編)
5. ウィーン奇想曲(クライスラー)
6. 4つの前奏曲(ショスタコーヴィチ~ツィガノフ編)
7. 感傷的なワルツ(チャイコフスキー~プレス編)
8. 愛の挨拶(エルガー)
9. ヴォカリーズ(ラフマニノフ~プレス編)
10. みつばち(フランソワ・シューベルト)
11. 想い出(ドルドラ)
12. 「ペトルーシュカ」~ロシアの踊り(ストラヴィンスキー~ドゥシュキン編)
13. ハバネラ形式の小品(ラヴェル)
14. ワルツ第15番(ブラームス~ホッホシュタイン編)
15. 「3つのオレンジへの恋」~行進曲(プロコフィエフ~ハイフェッツ編)
16. カヴァティーナ(ラフ)
17. 中国の太鼓(クライスラー)
18. 美しき夕暮れ(ドビュッシー~ハイフェッツ編)
こうしたポピュラー名曲集のたぐいに以前はあまり感心がなく、聴くならコンチェルトだろうと、生意気にも思っていたが、少し前からそう頑なになることもないだろう、むしろ演奏家の素の感性や音色を楽しむにはシンプルなこうした曲も悪くないと思うようになった(今更ながらで恥ずかしい限りだが)。そう思ってカタログをみると、どのソリストも当然のようにこうした曲集を出している。前橋汀子について言えば、エッシェンバッハと入れた協奏曲録音以降、録音でもコンサートでもこうした小品集に力を入れている。このアルバムはその中でも選曲の多彩さから楽しめる一枚だ。 晩年のシゲティに師事した彼女のスタイルは今となっては少し古いタイプに属する。現代の若手演奏家のトップならもっと技巧的にキレのある、シャープな演奏となるところだろう。しかし、情緒に満ちたたっぷりとした表情付けと味わい深く濃い口の音色はヴァイオリンを聴く楽しみにあふれている。中でも、ショパンの嬰ハ短調のノクターン、ラフマニノフのヴォカリーズや、ドビュッシーの美しき夕暮れがひときわ心を打つ。
前橋汀子は現在も精力的に演奏活動を続けている。この盤で伴奏ピアノを弾いているのは妹・前橋由子と若林顕。特に妹の由子氏とはよく共演をしていたが、残念なことに1999年に逝去した。
タイスの瞑想曲。1975年前橋汀子32歳。ごく初期のベータマックスによる録画だそうだ。
近影2017年。2011年の紫綬褒章に次ぐ叙勲。
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