昭和のギター曲集 -12-



久しぶりにギターネタ。かつて親しんだ昭和のギター曲集をたどる記事の続き。きょう取り出したのはこれ。


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セゴビア編による「ソルの20の練習曲」
ぼくら世代と限定せずとも、昭和から現在に至るまで、クラシックギター愛好家であれば必携といっていい楽譜だろう。手持ちのものは、長らくこの楽譜のスタンダードであった三木理雄氏監修のもので、奥付には発行/東亜音楽社、発売/音楽之友社とある。昭和40年に初版が出て、ぼくが1974年・昭和49年に手に入れたものは、昭和48年第7刷をなっている。

19世紀古典ギター隆盛期の中にあって、その音楽性の豊かさで間違いなくトップクラスであるフェルナンド・ソル( 1778-1839)の練習曲と、20世紀のクラシックギター界にあってこれもまたトップの存在であったセゴビアによる編纂。その偉大なツートップを冠した楽譜であるから、その権威たるや絶大なものがあった。実際、選ばれた20曲はよく吟味されていて、いずれもギターの個性を生かしながらも、古典音楽の普遍性を保った作品が並んでいる。

ぼくがこの楽譜を手にしたのは、受験が終わって新たな生活を前にした1974年3月。受験勉強から解放された春、この楽譜を広げて嬉々として弾いていたはずだ。当時、クラシックギターを始めて三年程経った時期だったが、この曲集のいくつかはまずまず弾き通せるようになっていた。よく弾いていたのは第17番に充てられている作品6の11、ホ短調のアルペジオの曲。大学で入ったギター・マンドリン系のサークルで、夏休みに入る直前に新入生対象の練習発表があって、そのときに弾いた記憶がある。そして、その後も愛奏曲の一つとなった。 そういえば、その後四半世紀を経て開かれた当時のサークル同窓会で「与太さん、あの17番また弾いてよ」と言われ、驚いたことあった。

ひとつ気を付ける必要があるのは、この曲集はあくまで「セゴビア編」であって、ソルの時代の出版譜と異なる部分がかなりあるということだ。テンポ指定、臨時記号の有無、運指やポジショニングなど、セゴビアの「解釈」が色濃く反映されている。現在ではセゴビア編と初版やコスト編などの相違点について校閲した楽譜も出ているので、見比べてみるのもいいだろう。


第18番(作品29-10) 20曲中、終盤の18から20番はいずれも古典的美しさにあふれる。この18番、セゴビア編ではAndante_espressivoと指示されているが、原典はAndantino。しかも冒頭の音符にはスタカートの点が付されている。つまりこの演奏がオリジナルの曲想に近いもの。ゆっくりめのレガートでロマンティックに弾かれるのはセゴビア解釈ということになる。また、動画にOp.29-22とあるのは誤り。


かつてぼくの名刺代わりの曲だった?!第17番(作品6-11)


第12番(作品6-6)これくらい鮮やかに3度のダブルストップを弾いてくれると本来の躍動感が出てくる。(ソルのあと、タンゴ・アン・スカイ、アルハンブラと続く)



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