平成三十年戌年回顧<覗機関編>



年末恒例本年回顧。ブログタイトルをなぞって<音曲編><六弦編>に続き、きょうは覗機関(のぞきからくり)編。のぞくためのからくり≒オーディオヴィジュアルって感じですかね。


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オーディオに関しては昨年導入したアキュフェーズのセパレートシステムから変化なし。稼働中のセットは以下の通り。

パワーアンプ:アキュフェーズ A-70
プリアンプ:アキュフェーズ C-2450 (フォノモジュールAD-2850)
SACD/CDプレイヤー:アキュフェーズ DP-560
アナログプレイヤー:CEC 930
カートリッジ:オルトフォン SPU-G
スピーカ:アヴァロン ECLIPSE
ヘッドフォン:ゼンハイザー HD800ソニー CD-900ST
イヤフォン:シュア SE535


アキュフェーズDP-560 整然とした内部レイアウトはそのままこのセットの音のイメージにつながる。
DP-560_2.jpg

DP-560.jpg


このうちプレイヤーのDP-560について記事に取り上げていなかったので少し記しておこう。DP-560は一昨年2016年12月に発売されたモデル。アキュフェーズのSACD/CDプレイヤープレイヤーの中ではエントリークラスに位置する。価格ランクとしてはこの下にCD専用機のDP-430がある。エントリークラスといいながら、そこはアキュフェーズ。他社も含めた製品群の中では十分にトップクラスと張り合える内容をもつ。旧機種のDP-550から大きく変わったのはデジタル入力系統の充実で、アキュフェーズオリジナルのデジタル系統に加えて、USB端子は384kHz/32bit、11.2896MHz/1bit DSDに対応し、今風の仕様になった。もっともぼくの場合は流行りのハイレゾにはまったく縁なく、しかもSACDも数えるほどしたないので、もっぱらCD再生機としての恩恵を受けるだけだが、旧機種で一部で問題になっていた駆動メカニズムから出る動作音もしっかり抑えられ、オペレーションは静寂そのもの。トレイの開閉もスムースで安心と信頼のかたまりといった感じだ。演奏中に停止やスキップのボタンを押すと、素早くその動作に移るが、その際に音量がスッとミュートされる辺りも心憎い配慮と感じる。

一昨年あたりから、まともにスピーカーを鳴らす機会が減った。夜半になって、食卓テーブルにおいたノートPCでブログ記事を書いたりネットを覗いたりしながら、PC付属のドライブにCDをセットしてそのままヘッドフォンリスニングということが多い。オーディオ的には及第点に届かない構成だが、うるさいことを言わなければ深夜のチョイ聴き確認にはオッケーのレベルだ。しかしスピーカと対峙して聴く音楽はまた格別だ。スピーカーをアヴァロンECLIPSEにしてからは、ECLIPSEが提示する音場感に浸るのが主目的になってきた。オーケストラはもちろんミニチュアサイズだが、左右の広がり、前後方向の奥行きなど、実際のステージをイメージして聴く。ピアノやチェロ、ギターなどの器楽曲は、音量設定を適切に行えば実際の楽器を目前にする感じにかなり近く、リアリティ満点だ。スピーカーの解像度や音場感が向上すると、音盤に刻まれた情報にはまだ奥があるのではないかと<欲>が出てくる。そんな欲がゆえに、オーディオの泥沼にズブズブ沈みこむ輩も多いわけだが、その気持ちも理解できる。理解は出来るが、それを具体化するためには相当な財政出動が必要。そこで逡巡、停滞、撤退、突進…と分かれることになる。まともにスピーカーと対峙して音楽を聴くことも以前と比べ少なくなった状態でオーディオセットを入れ替えるのはどうしたものかとも思ったが、限られた機会、限られた時間だからこそ、そのときは出来るだけいい条件で聴きたいと、勝手な理屈でちょいと散財。結果的には昨年の突進作戦は見事勝利、音楽の聴き方もより深化したと、自画自賛で納得している。


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◆ゴルフ7◆
ついでに車のことも…
昨年暮れに乗り換えてからちょうど一年が過ぎた7代目フォルクスワーゲン・ゴルフ(通称ゴルフ7)の近況。以前と違って通勤用途での距離が少なくなったので、この一年間の走行距離はようやく7000キロ。この間、渋滞含む市街地・郊外国道・高速・程々のワインディングとひと通り走った。そして乗るたびにその走りの素性の良さには感心する。燃費性能とマイルドな乗り心地、そして街中での扱いやすさを最優先する同クラスの国産車とは段違い。走り屋でも何でもない素人のぼくにもわかる走行性能の良さは高速道路はもちろん、路面荒れも多い市街地走行でも直進安定性は抜群で、ほとんど修正舵を必要としない。剛性の高いシャーシ構造とサスペンションのチューニングは、しっかり感とスムースさの両立を高いレベルで実現していて、よく言われるオン・ザ・レールの感覚だ。エンジンパワーも必要十分。ぼくの選んだモデルに搭載されている過給機付き1.4リッターエンジンは1500回転から最大トルクと発生し、それが5000回転くらいまで維持される。一般道での法定速度までの加速では2000回転手前でシフトアップを繰り返し、それ以上に上がることはない。高速巡行の燃費は1リッター当たり20キロを超え申し分ない。

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最近知人の所有するメルセデスベンツやBMWなどプレミアムブランドのエントリークラスと乗り比べる機会があったのだが、それぞれの所有者からは、ゴルフ7の走行性能や乗り心地、各種機能で高い評価を得た。ゴルフってこんないいの?というのが知人らの口から一様に出た言葉だった。実際ぼくの感想も同じで、質実剛健ゴルフは他のプレミアムブランドの車にまったく負けていなかった。唯一ネガティブな点を言えば、その地味な外観デザインだろう。平凡なFFハッチバックと片付けられそうな外観は実用本位に徹していて好感度大だが、人生一度くらいデザイン優先の、つまりカッコイイ車に(写真下メルセデスベンツCLAクーペ)乗ってみたいなあとも思う。

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さて、今年もいよいよ押し詰まり、残すところわずか。代わり映えのしない本ブログの与太記事にお付き合いいただき、まことにありがとうございました。年内更新はこれにて終了。来年もまたマンネリMAXでスタートの予定。引き続きよろしくお願いいたします。 最後にこれも年の瀬恒例の長講一席。冬の噺<二番煎じ>をじっくりと、そして大晦日の晩は五郎との再会で本年も大団円のクロージング。 それではみなさま、よいお年を。年明けにまた!


2001年に急逝した志ん朝は若い頃ドイツ語を学び、クラシックやジャズなど大の音楽ファンでもあった。




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平成三十年戌年回顧<六弦編>



本年回顧<音曲編>に続き、きょうは<六弦編>。マイ・ギターライフを振り返る。
クラシックギターを始めたのは1970年だから、やがて半世紀ということになる。といっても長いブランクもあり、本格再開したのは50歳を前にした頃。再開後は遅れてきた道楽バブルよろしく、楽器調達に他流試合にと楽しく過ごしてきた。幸い若い頃に比べて指が動かなくなったという感じはない。当時弾けたものは今も弾ける、弾けなかったものは今も弾けない。しかし還暦オーヴァーとなった今、それもいつまで続くか。短時間でも毎日楽器に触れるようにしたいと思うが、中々それも出来ずにいる。


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◆練習
全然していない。身辺諸事情もあって、楽器に触れるのは週に一回あるかないか。それでもケースから取り出して時間が許すと2時間くらいはせっせと練習に精出すこともある。大曲を一からという意気込みはなく、相も変わらずカルカッシやソルの練習曲。それとオデルマンドリン教本を使ったスケール練習。これが意外に飽きない。オデルのスケール練習などは、ギター弾きにもよい教材だと思う。加えて今年は、かつて慣れ親しんだ音友社のセゴビアアルバムなども開いて、十代の頃を懐かしむことも多かった。

◆楽器◆
もう楽器の出入りは無し…のつもりだったが、ひょんなことから7月にハウザー1世のウィーンモデルを手に入れた(こちらこちらも)。古楽器奏者:竹内太郎さんからの紹介。数年前一度紹介があって試奏したもののピンとこなかったのだが、ハウザーがスパニッシュなモデルに本格移行する前夜の作風を知るにも、またこの時代の独墺系系譜の一つを探る意味からも、その後物色していた。入手後、ちょっとした内輪の練習会でお披露目もして気に入っていたのが、少し気になることがあって、田邊工房に持ち込み現在調整中だ。前後してオリジナルのシュタウファーの紹介も受けたが、こちらは縁なくパス。
その他モダン楽器はハウザー3世、ラミレス3世、オルディゲス、サイモン・マーティー、田邊雅啓と健在。19世紀オリジナルの英チャペルも引き続き手元にある。そんな何本もあってどうするのかという素朴な疑問はもっともだが、それぞれに個性的な音を奏でてくれていて捨てがたい。しかし音盤同様、いずれ整理は必須だ。どれからサヨナラするのかと考えつつ、今年も終わってしまった。サントス、エステソ、アグアド…そのあたりで状態のよいものがあればという思いも、次第に熱意もなくなってきた。

◆アンサンブル◆
アンサンブルに関しては、同じギターの他フルートやチェロの相手にも恵まれながら、ぼくの個人的事情でお誘いに応じられない状況が続いている。昨年はチェロ相方の弾くヴィヴァルディのチェロソナタに<なんちゃって通奏低音>で参加したのが、今年は一度も合わせられず。一方でギター仲間との合わせは、所属しているマンドリンアンサンブルのギターパートのメンバーと時々遊んで楽しんだ。

◆宅録◆
あちこちで見聞きした受け売りのブログ記事など書いているよりは、楽器は弾く身であれば下手でも演奏録音のアップの方がずっとオリジナリティーがあるだろう。録音して聴いてみると、自分が意識せずに弾き飛ばしているところ、意識しているが理にかなっていないところなど、よくわかる。楽器弾きは録音すべし…と年頭に心したのだが、一向に手付かず。成果無しの一年だった。
以下はYOUTUBEにアップしている演奏音源。楽譜を開いて、初見プラスアルファでチョイ弾きした小品ばかり。それぞれがプレイリストになっている。リンクをクリックして<すべて再生>を押すと連続再生がスタートする。鑑賞にたえるようなものではないが、まあひやかしに覗いて下さいな(^^;

◇フルート・チェロとのアンサンブル
https://www.youtube.com/playlist?list=PLjAvYRun0efOSB3ANatVR54NDEbZnt_yy
◇佐藤弘和 48のやさしい小品集より Part1
https://www.youtube.com/playlist?list=PLjAvYRun0efOLDDkOMwokgUCGY3GUTuha
◇佐藤弘和 48のやさしい小品集より Part2
https://www.youtube.com/playlist?list=PLjAvYRun0efMx1g8mfgVwTs01Mb2mcFyu
◇佐藤弘和 48のやさしい小品集より Part3
https://www.youtube.com/playlist?list=PLjAvYRun0efMzw-WemSAXiJn6tH6RWYZt
◇佐藤弘和 48のやさしい小品集より 短調作品三題
https://www.youtube.com/playlist?list=PLjAvYRun0efODQA8HTN1EoudAw9qt7jsX
◇カルカッシ 25の練習曲より
https://www.youtube.com/playlist?list=PLjAvYRun0efNzj41ayqkwX7nnC_lymnUN
◇初級定番課題曲三題
https://www.youtube.com/playlist?list=PLjAvYRun0efNJHgnBPU02uKzWvj3TO0mq


以下は本ブログのギター関連記事リンク。
◆ギター工房訪問記◆
庄司清英(大阪)
野辺正二(浦和)
中山修(久留米)
堤謙光(浦和)
廣瀬達彦/一柳一雄・邦彦(名古屋)
松村雅亘(大阪)
西野春平(所沢)
田邊雅啓(足利)
田邊工房2014年
田邊工房2018年

◆ギター関連カテゴリー◆
カテゴリー<楽器談義>
カテゴリー<ギター全般>
カテゴリー<演奏録音>


数年前の演奏動画が見つかったので、遅ればせながらこの春にアップしたもの。バッハの無伴奏チェロ第1番メヌエットとフェルナンド・ソルのワルツ。





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平成三十年戌年回顧<音曲編>



今年も残すところ数日。アクセス数もひと頃の半分程に減り、記事もマンネリとなって久しい本ブログだが、年の終わりの本年述懐。ブログタイトル<六弦音曲覗機関:ろくげんおんぎょくのぞきのからくり>になぞらえ、きょうは<音曲編>を。


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今年10月にはブログ開始から8年が経過し9年目に入った。この一年で250本ほどの記事を書き、総数も2000を超えた。記事にした盤も1500枚程度になるだろうか。しばらく前から感じていることだが、音盤棚の目に付くところにあって、よく聴く盤は大体取り上げたかもしれない。もっとも総在庫はおそらく4000枚余。棚にはまだまだ未聴盤が控えている。そんなこともあって、今年の音盤購入は唯一カール・ベームのボックスセット益田正洋のトローバ作品集くらい。<音曲編>として述懐するほどの内容ではないのだが、久しぶりに引っ張り出して印象に残ったものなどを思い起こして並べてみた(写真)。

ベームのボックスセットはモーツァルトの交響曲が目的だったが、やはりそのモーツァルトが素晴らしい。そしてシューベルトもいい。ベートーヴェンとブラームスはLPのセットで以前から持っていて、いずれも手堅い演奏で悪くないが、これが唯一無二との感はない。具体的に言えば、ウィーンフィルによるオーケストラとしての機能的なアンサンブル精度の甘さが気になる。それでも独墺系の交響曲が水準以上の演奏でまとまっていて、細かいことを根掘り葉掘り言わなければ、ファーストチョイスとしていいかもしれない。ラッセル・デイヴィスのハイドンも春から夏にかけてしばしば聴いた。ハイドンの交響曲は近年人気で全集盤も複数あるが、やはり以前からあるドラティ盤が一頭抜きんでているように感じる。

10月の日経文化欄「私の履歴書」に前橋汀子が登場したので思い出し、久々に取り出したエッシェンバッハとの録音。LP盤最後期のものだが、実にいい音で入っていて驚いた。サーフェイスノイズもほとんど感じず、広がりと奥行きのある音が展開して何度も聴き返してしまったほどだ。 ギターの盤も益田正洋のトローバとスペイン舞曲集は勢いのある弾きっぷりと名器ロマニリョスのクリアかつ明るい音色が素晴らしく、久々にギターの録音とゆっくりと楽しめた。パク・キュヒの盤もキレのいい技巧で一筆書きのように奏でられるスカルラッティが聴きものだった。日本国内で聴けるクラシックギターのレベルも随分と高くなったなあと感じる。

それにしても…かつてのような、貪るような聴き方とは縁遠くなった。新しい盤にもまったく触手が動かない。少し前まで同曲異演盤をせっせと集めたものだが、そんな意欲はとうに失せた。少々難があっても、1曲1枚でいいだろうと達観する日々。そして音盤在庫もいずれ整理しようと思っている。もっともその「いずれ」は今年も手付かず。あと20年と勝手に定めた健康寿命もひとつずつカウントダウンが進む中、できればぼくよりふた周りくらい若い世代で熱心な音盤マニアがいれば、みんな持っていって!とお願いし、20年後には手提げ鞄一つに道楽の品を収まる程度にして、跡を濁さずの状況を作りたいのだが、さて実行かなうか、かなわざるか。去年の今頃も同じうようにつぶやいていたが、今年もまた同じかと、進歩のなさに溜息MAXの年の瀬述懐である。





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ルロイ・アンダーソン名曲集



ここ何年かクリスマスになると聴きたくなる盤がある。取り出したのはこの盤だ。


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モーリス・アブラヴァネル(1903-1993)指揮ユタ交響楽団によるルロイ・アンダーソン名曲集。手持ちの盤は1998年に<ヴァンガード・クラシック特選名盤>というシリーズでキングレコードからミドルプライスで出たときのもの。その昔、アブラヴァネルの名前が覚えにくく、<油粘る>じゃなく<油は(ば)ねる>…と語呂合わせしたものだ。アブラヴァネルとユタ交響楽団のコンビは、バーンスタインやクーベリックに先駆けて全曲を録音したマーラー交響曲全集を筆頭に、チャイコフスキーやシベリウスなど、多くの録音を残した。このアンダーソン名曲集もよく知られた盤の一つ。1967年録音。収録曲は以下の15曲。

 そり滑り、ブルー・タンゴ、トランペット吹きの子守歌、舞踏会の美女
 ラッパ吹きの休日、忘れられし夢、シンコペーテッド・クロック、
 プリンク・プレンク・プランク、フィドル・ファドル、サンドペーパー・バレエ
 タイプライター、サラバンド、ベルの歌、ジャズ・ピチカート、セレナータ

聴いていて幸せな気分になる音楽はいくつかあるが、アンダーソンの曲のその一つだろう。ウィンナワルツ集も素敵だが、どこかあらたまったよそいきという感じだし、モーツァルトのホルン協奏曲も晴れがましく最上の気分になるが、やはり高貴さが先に立つ。その点アンダーソンは日常的で微笑ましく、それでいて気がきいていて、ノスタルジックで…。年齢、音楽的バックボーン、そういうものを問わずに楽しめる。特に時節柄<そりすべり>は雪国に育ったわけでも、そり遊びに興じた経験があるわけでもないが、聴けば童心にかえり、心温まる。アンダーソン名曲集は昭和時代の健全家庭におけるホームミュージック的雰囲気もあり、一家に一枚あっていい盤だ。


この盤の音源で<そりすべり>


<そりすべり>のジャズヴァージョン。



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チャイコフスキー 組曲第4番



どんより曇り空の一日。朝から昼過ぎまで野暮用外出。帰宅後部屋を暖め、数日ぶりにオーディオセットに灯を入れた。午後の音盤タイムにこんな盤を取り出した。


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チャイコフスキーの組曲第4番「モーツァルティアーナ」。エルネスト・アンセルメ指揮スイスロマンド管弦楽団による演奏。1959年録音。手持の盤は昨年手に入れたアンセルメの主要録音を集めたボックスセットのロシア音楽編33枚組中の#2。くるみ割り人形の後編と組曲第3番、第4番が収録されている。第4番ト長調はその名の通り、モーツァルトの楽曲をモチーフにしたもので以下の4曲から成る。それぞれの原曲は第3曲の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」以外はあまり知られた曲ではないだろう。

第1曲「ジグ」=K.574
第2曲「メヌエット」=K.355
第3曲「祈り」=K.618 モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」
第4曲「主題と変奏」=K.455「グルック:<予期せぬ邂逅またはメッカの巡礼者たち>の主題による10の変奏曲」

リヒャルト・シュトラウスを待つまでもなく、チャイコフスキーが副題を付してこうした曲を成したことからしても、ロマン派のこの時期、モーツァルトはやはり偉大な作曲家として敬愛されていたことがわかる。曲は原曲をロマン派時代の管弦楽法によってほぼ忠実に置き直したといってよいもので、時に濃厚なロマンティシズムを交えながらも、モーツァルトの原曲の良さをよく伝えているように思う。中では半音階進行や不協和音が効果的に盛り込まれた第2曲「メヌエット」、各変奏が多彩な管弦楽法で再現される第4曲「主題を変奏」がチャイコフスキーらしさ楽しませてくれる。

楽譜付き音源。第2楽章メヌエットは1分38秒から。第4楽章主題と変奏は9分12秒から。


第2曲メヌエットの原曲K.355



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ハナバッハ、お前もか!



本ブログにコメントを寄せてくれる方は決して多くはないのだが、中にはそれがきっかけで交流を続けている方もいる。福岡のハンドルネーム「みっちゃん」さんはその一人。ギターネタでメール交換が始まり、その後ぼくの田邊ロマニとオルゲディスを送って試奏してもらったり、今も折にふれ情報交換が続いている。そのみっちゃんさんから、先日メールがあった。内容はこのブログの以前の記事<オーガスチン弦の怪>にも関わる内容。それではと、この度みっちゃんさんと相談し、その内容をあらためて伝えていただいて記事にすることにした。以下、みっちゃんさんからの特別緊急寄稿(^^;です。


お馴染みのハナバッハ弦。ミディアム・ロー・スーパーロー3種類の高音弦テンションはみな同じということに…
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与太さぁ~ん、聞いてくださいよ~

ネットで知り合ったギター友達からのおススメで先日、ハナバッハ(シルバースペシャル)の黄色を買って自分のギターに張ったんです。正確には「1&2弦ハナバッハ黄色(スーパーロー)、3弦ゴールディン、4~6弦サバレズコラム赤」。普段、アリアンス青とかオーガスティン・リーガルとか、比較的テンション高めの弦を使っていて、特に高音(1&2弦)に関してはテンションの低い弦を使うと音がベシャってなっちゃうことがあって苦手としてたんです。ハナバッハの黒(ミディアム)は時々気分転換に使っていて、ハナバッハ黒は他メーカーのハイテンションと同じくらいの強さがあるので良いんだけど、友達のおススメは最もテンションの低い黄色(スーパーロー)。友達曰く「色々と弦を試して検証した結果、ハナバッハ緑よりも黄色のほうが音が太いという結論に達しました」とのこと。低音コラム赤に関しては、私自身以前のメインギターでずっと使っていたので不安なし。ハナバッハ弦は値段が高いし気乗りはしなかったけど、せっかくなので友達のおススメのセットをバラ弦で購入。先日、愛用のギターに張ってみたところ、意外とテンションがしっかりしていて好印象。時々使うハナバッハ黒と同じくらいの感触で「これなら俺でも使える」と思いました。

で! もう一度このセットを注文してみようかな~と思って、 東京の某ア〇ラの通販ページ見てたら、私、気づいちゃったんです!ページに載ってたハナバッハ高音弦の太さとテンションの数字がどれも同じだということに!ちょうど現代ギターの新しい号で「テンションで選ぶギター弦」という特集記事があったので確認したら、1弦は黒より黄色のほうがテンションが上、2,3弦は緑が黒よりも上と、ケッコー無茶苦茶。ちょっと心が騒いだので輸入代理店のロッコーマンにメールで質問しました。

「ハナバッハシルバースペシャルって高音弦は同じものなんですか?オーガスティンは黒、赤、青とも高音弦は共通で低音弦だけが違うようですが?」と。数日後、返事がきました。お返事は…

「ハナバッハシルバースペシャルは、スーパーロー、ロー、ミディアムは同じ、ハイとスーパーハイはそれぞれテンションがきつくなっています」とのことでした。

私の「おっ?黒と同じくらいしっかりしたテンション」という感触は気のせいではなく、全く同じ商品だったからなのでした。あっぱれ!俺!(笑) 現代ギターの記事の数字は計測誤差の範囲ですね。黒、緑、黄色はテンションが入り乱れていますが、ロッコーマンの返事通り、青と赤はちゃんとテンション順通り高くなっていってますからね。メーカー発表のテンションではなく、自社で全部の弦を計測した現代ギターの熱意には敬意を表します。
さて、ハナバッハ緑と黄色を何度も比べて検証した友人の苦労って一体…
与太さんの以前の記事<オーガスチン弦の怪>同様、これまで3種類のテンションがあると思っていた高音弦が実はみな一緒という、ハナバッハ、お前もか…の顛末でありました。

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以上、みっちゃんさんからの寄稿。
今回のハナバッハに関してもぼく自身もだいぶ前の一時期、ローテンションと認識していたイエローを19世紀ギター用に使っていた。弦の選択はあれこれ悩ましくも楽しい作業だが、先入観や古くからの情報を鵜呑みにしていると思わぬ落とし穴があるという例だ。自分の耳と正確な情報とをバランスさせて、ハッピー・ギターライフを楽しみたいと思う。

みっちゃん、ありがとう!またビッグな話題をお寄せ下さい(^ ^)


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<緊急>業務連絡



ボチボチ年の瀬の空気が漂い始めたきょうこの頃。ふと気付くと…今年の大晦日も五郎君の登場となった。ヤッホー(^^! 昨年末は高松・広島へ出張だったが、今年は京都・名古屋だそうだ。 31日夜10時より。一部生放送もはさまれるとか。ゲスト陣も、鶴田真由、高橋ひとみ、中川家と多彩。楽しみに待つことにしよう。


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大晦日スペシャル予告編


これまでのシリーズから選りすぐった<冬に食べたい!はふはふグルメ特集>全23話の再生リスト。
期間限定無料配信中@テレビ東京公式チャンネル



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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