イッセルシュテットの第九



また第九かよ…そんな声が聴こえてきそうだが、ハイ、今夜も第九(^^; 今夜は正統かつ折り目正しい演奏を聴きたくなり、二十指は下らない手持ちの第九からこんな盤を取り出した。


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ハンス・シュミット=イッセルシュテット(1900-1973)とウィーンフィルによるベートーヴェンの第九交響曲。1965年録音。手持の盤は、80年代前半に出ていたもの。このコンビで全曲欲しかったが、まだ若造の頃ゆえ、財布と相談してこの盤だけ手に入れた。
イッセルシュテットは1973年に73歳で亡くなっている。ぼくがクラシックに入れ込み始めた頃には鬼籍に入っていたことになり、現役時代の様子もレコードの演奏も知る由もない。彼の演奏に接したのはようやく70年代後半になってからだ。しかも、それほど多くのレコードが現役盤で出ておらず、この第九やブラームスがわずかに手元にあるだけだった。しかし、そのいずれもが実に素晴らしい。中でもウィーンフィルにとっても最初のベートーヴェン全集となったこの録音は今もって色あせることのない名演だ。

この第九ももちろん文句なしの演奏。第1楽章冒頭から安定感と緊張感のある音楽が展開する。第1楽章の演奏時間は16分28秒とテンポは中庸。音価いっぱいにテヌート効かせて弾き込んでいく弦楽群の充実ぶり、木管群やホルンと中心に同時代のベルリンフィルとは異なり明るい響き、時折突き抜けるような音でアクセントを打ち込んでいく金管群、そしてハリのあるティンパニの連打。英デッカの録音がそれらをクリアにピックアップしていく。第2楽章のスケルツォは、よくあるような激しさともお祭り騒ぎとも異なり、重量感がありながらもどこか大らかで穏やかで、スケルツォ=諧謔曲というに相応しい雰囲気だ。第3楽章は意味深長さを追い求めず、室内楽的にさらりと微笑みながら歌う。全曲を通じて、どこまでも折り目正しく、正調のベートーヴェンだ。


この盤の音源で第1楽章。展開部前半の聴きどころは6分45秒から過ぎから1分ほど続くフーガ風の展開。7分15秒過ぎから低弦群の入り。ヴァイオリン群と低弦群のアクセントをずらし、拍節の表裏があいまいになる独自の効果をあげている。展開部のピークと再現部が重なる後半、弦楽群と木管群が下降音形を繰り返しながら緊張を高める。12分50秒過ぎから13分30秒過ぎまで低弦群のピチカートにのって緊張を高める。


同第2楽章。



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