タンスマンのピアノ曲
ようやくというべきか、寒波到来で寒い日曜日。昼をはさんで野暮用外出。午後は久しぶりにギターを取り出し、2時間ほどスケールとカルカッシ、ソルの練習曲をさらって終了。渋茶で一服したあとはアンプの灯を入れ、ベームの盤でモーツァルトをいくつか…と、のんびりした日曜日だった。さて、夜半近くなり、明日の仕事の段取りなど考えつつ、こんな盤を取り出した。


ポーランド生まれのアレクサンドル・タンスマン(1897-1986)によるピアノ作品集。以前にも一度記事にしたことがある盤。収録曲は以下の通り。エリアンヌ・レイエというベルギー生まれのピアニストによる演奏。2013年録音のNAXOS盤。
・古風な様式による舞踏組曲
Ⅰ.Entree II.Sarabande III.Gavotte
IV.Choral fugue V.Aria VI. Toccata
・バラード第1番、第2番、第3番
・アラベスク
No.1 Intermezzo No.2 Mazurka (Hommage a Chopin) No.3 Nocturne
No.4 Fanfare No.5 Berceuse No.6 Danza
・5つの印象
No.1 Calme No.2 Burlesque No.3 Triste No.4 Anime No.5 Nocturne
・8つの歌
No.1 Prelude No.2 Arioso No.3 Interlude No.4 Choral I
No.5 Invention No.6 Choral II No.7 Fuga No.8 Postlude
タンスマンはクラシックの作曲家の中では、ギター弾きに馴染みの深い作曲家だろう。ぼくも学生時代にはポーランド風組曲や、音友社セゴヴィアアルバムにあったダンスポンポーザなど弾いて楽しんだ。ポーランドの民族的要素と、新古典主義的手法とが程よくミックスされていて、親しみやすくも新鮮な響きがあって好きだった。この盤ではタンスマンの持ついくつかの典型的な作風が示されている。ネオ・バロック調の「古風な様式による舞踏組曲」や、新古典主義風ながらロマン派の色濃い「5つの印象」、一筆書きの趣きの即興的な「アラベスク」、悲痛な心情告白にも似た「バラード」、8つの歌はバッハへのオマージュとして書かれている。
タンスマンは若くしてフランスで注目され、アメリカへも早々にデヴューし将来を嘱望されていた。しかし第二次大戦をはさんで、彼自身の方向性もあって、その勢いが途絶えてしまった、やや不遇なイメージがある。こうしてピアノ作品をまとめて聴いてみると、その音楽は私的で濃密なロマンティシズムを抱えていて、やはり20世紀初頭の前衛的なフランス楽壇に馴染めないまま終わったのもわかるような気がする。
タンスマンのピアノ曲がいくつかまとまってアップされている。
この盤の奏者エリアンヌ・レイエによる演奏。収録曲:古風な様式による舞踏組曲から、アントレ・サラバンド・トッカータの3曲。
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