マンドリュート



かねてより興味をもっていた楽器を手に入れた。


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マンドリュート。正しくはリュート・カンタービレあるいはリュート・モデルノと称する。ソフト・ハード両面から19世紀末以降の近代マンドリン音楽に貢献したイタリア:カラーチェ社によって作られたとされる楽器だ。リュートの名を冠するが、ルネサンス期からバロック期に隆盛した古楽器とのしてのリュートとは異なる、近代マンドリン属の一つ。

マンドリンそのものは一般の音楽愛好家でも馴染みはあるだろうが、マンドリン属と称してヴァイオリン属同様にいくつかの大小バリエーションがあること、またヴァイオリン属による弦楽オーケストラ同様にマンドリン属で構成された合奏形態があることは、現在はあまり知られていない。 もっともイタリア生まれの近代マンドリン音楽は大正時代以降、日本でことのほか広く受け入れられ、古賀政男が創設に参画したことでも有名な明治大学のマンドリン倶楽部をはじめ、昭和の長きにわたり、全国津々浦々の大学・高校に多くのマンドリン合奏団があったので、そう言えばと、記憶にある輩もいることだろう。ぼくも学生時代にはマンドリン合奏にのめり込んだクチで、このマンドリュートに近いマンドチェロという楽器を弾いていた。平成の世になって往時の隆盛からは遠くなったが、世界的にみて日本は今でもマンドリン合奏が最も盛んな国の一つだ。


全長97㎝、弦長58㎝。弦長65㎝のギターとの比較。マンドリンの1.5倍程度の大きさ。
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胴はインディアンローズウッドで彫り込みのある36枚接ぎ。
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5コース10弦。従って糸巻のペグは10個
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マンドリュートは、ヴァイオリン属のチェロに相当するマンドチェロに5度上の高音弦(E線)を加え、マンドリンのオクターブ低い音域をもつマンドラ(マンドラ・テノール)の音域までカバーする。各弦は同一弦を並べた複弦で低い方からC・G・D・A・Eの5コース10弦構成。マンドリン合奏ではマンドチェロのパートを受け持つことが多いが、考案者のラファエル・カラーチェ(伊1863-1934)が作曲したこの楽器のためのオリジナル曲も多く存在する。 だいぶ前から適当な出物があればと思っていたが、先日マンドリン専門店のリユース楽器で在庫していることを知り、手に入れることにした。

マンドリンの国内ブランドとしてはよく知られた石川マンドリン製で1993年の作。25年を経ているが楽器の状態は良好でキズも少ない。昨日土曜の午前に到着したので、そのまま午後から所属している隣り町のマンドリンアンサンブルの練習に持参し、音出しとなった。この楽器に触れるのは初めてだし、近い楽器であるマンドチェロを弾いていたのも40年も前のこと。どうなるものかと思いながら合奏に参加。この楽器の中高音域が生かせるマンドラのパートを弾いてみたが、弦長の長さが奏功し、音量、音の張りともに、ひと回り小型のマンドラを完全に凌駕する。大型ゆえに指の運動性は小型のマンドラに劣るだろうが、リュート・カンタービレの名に恥じず、旋律を歌うように弾きたくなる感覚に包まれた。かつての感覚を思い出しながら、少し練習に励んでみようか。


ラファエル・カラーチェがこの楽器のために書いたオリジナル曲。ガヴォット作品187。
カラーチェの楽曲はこちらのサイトで公開されている。多くのマンドリュート用の曲に加え、この楽器のための教則本もある。


同じくカラーチェのバルカローレ作品116。



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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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