昭和のギター曲集 -14-



少し間が空いたが、かつて親しんだ昭和のギター曲集をたどる記事の続き。きょう取り出したのはこれ。


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昭和三十年代初頭に音楽之友社から出た<世界大音楽全集>。その中の器楽篇第71巻<ギター名曲集>。奥付けには昭和32年6月第1刷発行 昭和38年10月第3刷発行 ¥460とある。この全集の全容については寡聞にして不案内。70年代には当地のような地方の本屋や楽器屋にも置いてあり、80年代には新編が出たと記憶しているが、いつしか立ち消えになった。手元にはこの古い版のものが二、三冊ある。こうした全集にクラシックギター編が盛り込まれたこと自体、その頃のギターに対する受容の状況がうかがい知れる。戦後から昭和三十年代、四十年代と、ギターを他のクラシカルな楽器と同列に評価してもらおうという関係者の心意気があった時代であり、実際ギターもブームといえるほど売れたと聞く。もっともそうしたムーブメントとは裏腹に、初心者が門と叩く<街のギター教室>のレベルは悲惨な状況で、演歌ギターもクラシックギターも同列に扱われることも多かったし、多くのぼくら世代の愛好家は先生にもつかず独学も多かった。ぼく自身まさにその典型だ。

さてこの曲集。記憶が正しければクラシックギターを始めて程ない高校2年頃、市内の古本屋で買い求めたはずだ。帰宅後もろくろく勉強せずに松岡製のつるしのギターでせっせと音階練習に励んだ甲斐あってか、楽器をもって1年ほどした頃には初級から中級に差し掛かる曲をぼちぼちさらえるようになっていた。そんな折に手に入れたこの曲集は、コンパクトな装丁ながら充実した内容で大いに重宝した。

小倉俊氏による選曲は19世紀古典ギター黄金期の歴史をなぞるように選ばれている。モレッティ、カルリ、ソル、ジュリアーニに始まり、アグアド、カルカッシ、レニャーニ、フェランティ、メルツ、ブロカ、パガニーニ、コスト、カーノ、そしてレゴンディ、フェレール、タレガ、アルカスと進み、最後には唯一20世紀生まれの作曲家としてクラムスコイが取り上げられている。難易度もかなり幅広く選ばれているし、二重奏やヴァイオリン・フルートとのアンサンブル、シューベルトの歌曲の伴奏まである。あらためてその選曲の妙に感心する。 思えばアラビア風奇想曲も魔笛変奏曲も、ソル作品34の二重奏:アンクラージュマンも、みなこの曲集で初めて触れた。懐かしい曲集の一つだ。


これまで記事にした<昭和のギター曲集>は以下のリンクから。
http://guitarandmylife.blog86.fc2.com/?q=昭和のギター曲集


この曲集に収めされているレゴンディの夜想曲(写真)


フェルナンド・ソルの二重奏作品34<アンクラージュマン>。
高校・大学と幾度となくその時々の友人と楽しんだ思い出深い曲だ。



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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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