ハンス・ホッター <冬の旅>
陽光ふりそそぐ週末土曜日。昼をはさんで野暮用外出。外に出ると風は存外に冷たく、まだ冬のなごりを感じさせる。夜更けには少し暖がほしくなり、ストーブを弱く点け、こんな盤を取り出した。

こんな夜、ひそやかに聴く音楽は何だろうかと考えるとき、思い浮かぶ曲のひとつがシューベル(1797-1828)の代表作<冬の旅>だ。声楽にはまったく不案内で手持ちの盤もごく僅かしかないが、そのごく僅かしかない盤のうち、お気に入りのひとつがハンス・ホッター(1909-2003)の歌うこの盤。1961年録音のDG盤。
ホッターはバスバリトンという位置付けのようだが、耳にはほとんどバスに近い印象がある。懐の深い落ち着いた響き、女性ならずともうっとりとする声だ。ピアノ伴奏はエリック・ウェルバが弾き、プロデューサーがオットー・ゲルデス、録音エンジニアがギュンター・ヘルマンスという、60年代独グラモフォン黄金期のコンビが受け持っている。知人のツテで、もう聴かないからという音楽ファンから譲ってもらった100枚ほどのレコードの中に入っていた。 <冬の旅>の一曲一曲についてまったく知識を持ち合わせないが、苦悩と絶望に打ちひしがれた若者が冬の荒涼とした野をさまよう様は、続けて聴いているとその悲しみが達観や平穏につながるイメージもあって、春の予感をも感じる。
第1曲「おやすみ」 自身がギターを愛好したシューベルの歌曲は、今日もギター伴奏で歌われることがしばしばある。ピアノ伴奏に比べ、相手がギターだと声量を張り上げず、自然に歌えると聞いたことがある。この音源のようにギターも2本使うと俄然音に余裕が生まれる。
やはりギター伴奏で「菩提樹」
1954年にジェラルド・ムーアと録音したEMI盤。
ギター版「郵便馬車」 シューベルトとほぼ同時代人でギター弾きにはお馴染みのヨハン(ヨーゼフ)・ガスパール・メルツ(1806-1856)によるアレンジ。名手マルチン・ディラによる演奏。
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