最近弾いたギター 2019年春@上野入谷方面



過日、都内での仕事が早めに終わったので、その足で久しぶりに某上野・入谷方面のギターショップへ。前回お邪魔したのが昨年6月だから9ヶ月ぶり。そうか、前回はブーシェを弾いたっけと思いつつ、千代田線入谷駅で下車、店に向かった。例によってK社長のフレンドリーな対応もあって、随分たくさんの楽器を拝見したが、そのうちいくつかの印象を備忘を兼ねて記しておこう。


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■メイプル横裏の4本■
H・ハウザー3世 2006年
ハウザ-には珍しいメープルを使った一本。2006年作♯599ということで、ぼくの2006年♯588と近い製作時期。いろいろな楽器を弾いたあとにハウザーを手に取ると、一気に安堵が広がる。均一で十分な鳴り、やや小ぶりで弾きやすいボディー、派手さはないが正に安定のハウザーという印象だ。美しいトラ目の裏板と斑入りの表板は、いかにも素性の良さそうな材料であることを印象付ける。
G・オルディゲス 2018年
人気のゲルハルト・オルディゲス。今回のものはシンプリシオモデルだそうだ。低音レゾナンス(ウルフ)がE付近のドッスン低音を予想していたが、それほどでもなく、シンプリシオの名前からイメージするほど古風なスパニッシュではなかった。それでも軽めのボディ、美しいメイプルの造形、中高音のはじけるような鳴り方など、魅力的な楽器だった。
尾野薫トーレスモデル 2019年
弦長640㎜と645㎜の2本を拝見。ボディサイズはほとんど同一。尾野ギターはどちらかというと、あえて控えめな鳴り方、がっちりとした造形など、やや玄人好みという印象だが、このトーレスモデルは2本ともそうした印象とは対照的で、軽く発音し実によく鳴るギターだった。やや小型のボディーは全音域で反応がよく、軽いタッチでも気持ちよく音が立ち上がる。640㎜のものも音量感はまったく遜色なし。むしろナット幅が50㎜とコンパクトで弾きやすかった。もちろん工作精度は非の打ちどころなく、メープル材の美しさと相まって、今回みた楽器の中ではもっともひかれた1本だった。

尾野薫トーレスモデル2本
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■定番名器3本■
エルナンデス・イ・アグアド 1971年
フレタ・イーホ 1967年
バルベロ・イーホ 1999年
少し強引にこれら3本に共通する要素はと考えるてみると、ちょっと弾くと手元での音量感に乏しく、また弾き始めは何となく鳴りが渋いように感じるものの、少しその音に慣れてくると、そのよく通る高音やタッチに対するリニアリティなど、さすがによくできた楽器だと、ジワジワ感じてくる。以前同じこのフレタを弾いたときは、それほどピンとくるものはなかったが、今回は力強い低音とよく歌う高音が魅力的に感じられた。バルベロも過去あまりいい印象の個体に巡り合っていないのだが、今回のものはアルカンヘルと同構造であることが納得できるもので、透明感あふれる高音は実に美しかった。

■ヤコピ父子■
ガマリエル・ヤコピ(父)1946年
ホセ・ヤコピ(子)1971年と1976年
人気のボサノバ奏者が使っていることから、その方面で人気のヤコピだが、もちろん古くからクラシックギターとしての人気も高い。アルゼンチンに渡る以前の父ガマリエルの作品は珍しく、70年代のホセ・ヤコピ時代の2本と比べると、印象はかなり異なる。この1946年の個体はすでに以後のヤコピの特徴である逆扇形のブレイシングを採用しているものの、重量は軽く、表板も薄く、作りとしては古いスパニッシュそのもの。低音ウルフはF付近。高音はややくぐもった独自な音。これで高音はもう少し華やかに立ち上がるとぼく好みだが、まあそこがヤコピの個性なのだろう。70年代ホセ時代の2本は低音ウルフは少し上がり、楽器もやや重くがっちりとした作りになっている。それでもややくすんだ高音は変わらない。

■その他■
清水優一ロマニリョスモデル 2018年
1980年生まれというから、そろそろ若手というよりは中堅という位置付けになるのかもしれない。数年前からアウラで売り出し中の成長株。このロマニリョスモデルはロマニリョス1世の完コピともいうべきもので、内部構造から造形まで精緻に作り込まれている。低めの低音ウルフと木質系の高音はバランスよく、落ち着いた成熟した鳴り方だ。
カズオ・サトウ 2006年
ドイツに本拠地におくカズオ・サトウ氏の最上位モデル。手に取るとずっしりを重く、おそらく1800グラムを超える程度だろうか。重量に比して表板はやや薄めなのか、低音ウルフは低めでFからE辺りでドッスンとお腹に響く。中高音はやや鳴り過ぎかと思う程、開放的によく鳴っていた。

清水優一ロマニリョスモデル。完コピのロゼッタ。
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…というわけで楽しく小一時間過ごし、例によって御礼代わりに弦を何セットか購入して店をあとにした。久しぶりの入谷巡礼。さて次回の巡礼はいつになりましょうか…


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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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