カラヤン&BPO ブラームス交響曲第2番



今年の桜は開花こそ平年より少し早めだったが、このところの低温傾向で足踏み状態だった。ようやく気温も上向いてきたきのう昼飯後、暖かさにつられて都内の仕事先近くをちょいと散歩。束の間のプチ花見を楽しんだ。

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さて週末金曜日。ネットを覗いていたら、きょう4月5日はカラヤンの誕生日と出ていた。そう言えばしばらく聴いてないなあ、カラヤン…と思い、こんな盤を取り出した。

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カラヤン(1908-1989)とベルリンフィルによるブラームス。1960年代ベルリンイエスキリスト教会でのセッション録音。手持の盤は一連のブラームス交響曲録音を集めたボックスセットの初出盤。解説書には昭和45年(1970年)発売・定価6,000円と記されている。高校入学当時のぼくにはまだ縁のなかった盤で、手に入れたのは十数年前。例によって大阪出張の折に梅田の中古レコード店で手に入れた。高校生のバイトが一日1,000円時代の6,000円の盤。手に入れた2005年頃は高校生のバイト代が6,000円程。この盤の購入金額は1,500円…なんだか、わかったようなわからないような…

それはともかく、カラヤン&ベルリンフィル全盛期のブラームス録音。先ほどから第2番ニ長調に針を落として聴いている。この当時のカラヤンはこの盤の解説書にも記されている通り、それまでのローカル色の強かったドイツ楽壇に新しい風を送り込んでいた。速めのテンポとレガートで流麗なフレージング、多彩なプログラムと積極的な録音活動や国際的なプロモーション等々。そうだったよな…と思いつつこの盤を聴き直してみると…。さすがにその後の音楽界の変化を経験し、21世紀の視点で聴くと、以前のイメージとは随分違って聴こえてくる。具体的には、確かにレガートでシームレスなフレージングはその通りだが、テンポは決して速くはなく、アンサンブルの縦の線も意外にカジュアルで、深いアインザッツの方が目立つ。決して新しい解釈とは感じない。確かに半世紀前には斬新に聴こえたのだろうが、今聴くと十二分にオーソドクスで伝統的な解釈に聴こえる。

ベルリンフィルはまだ往時の響きが濃厚で、弦楽群中心にアンサンブルが組み立てられている。木管のちょっとしたフレーズなど、今ならもっと積極的に前に出てきて朗々を吹くところだろうが、この録音では決して出過ぎず、渋めの音色でアンサンブルに溶け込んでいる。金管群も華やかな押し出しよりは、重厚な下支えとなって響いてくる。安定のブラームス。これ以上何が要るのかという思いに至る。

カラヤンは60年代の多くの録音を残したが、ブラームスばかりでなく、ベートーヴェンやチャイコフスキー他多くの録音について70年代・80年代に再録している。それぞれにその時代のカラヤン&ベルリンフィルの有り様や音響録音技術が反映されているだろうが、総じて60年代の演奏に分があると感じるのはぼくだけでないだろう。


この録音の音源。全4楽章。


スコア付き音源。演奏はクライバーとウィーンフィルだそうだ。こうしてみるとスコアはすこぶるシンプルだ(見た目だけは…)。


第2番第2楽章。冒頭のチェロパートの歌はいつ聴いても素晴しい。カナダのオタワにある国立芸術センターを本拠地とするオーケストラ。指揮するのは、あら懐かしやピンカス・ズーカーマン。このオケの音楽監督を務めているようだ。



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八ッ場ダム


当地群馬県北部で建設中の八ッ場ダムの工事が佳境を迎えている。

2019年2月初旬。八ッ場大橋よりダム本体をのぞむ。
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十年前の民主党政権時代に建設中止の決定がなされたことで全国区の話題となった当地群馬県の八ッ場(やんば)ダム。その後2011年に工事再開が決まり、ここ数年は後れを取り戻すべく突貫工事が続いている。これまでに湖底に沈む住宅や川原湯温泉の宿などは高台に造成されたエリアに移り、JR吾妻線も大規模な移設工事を終え、周辺道路や新設の橋の整備もほぼ完了している。2016年夏から始まった工事のメインイベントともいうべきダム本体のコンクリート打設工事は24時間体制を行われ、現在ほぼ完成時高さにまで達している。すでに一部の機械は解体も進めているようで、早晩ダム本体の工事は完了し、周辺整備や試験的な湛水(たんすい)に移るようだ。

首都圏で見られる大型工事。ネット時代を反映して工事事務所HPには様々なコンテンツが並んでいる。YOUTUBEには専用チャンネルが開設され、現地では見学ツアーがいくつも企画されていて、草津温泉帰りのぷらっとツアーから、八ッ場コンシェルジュによる団体ツアー、更にファン倶楽部。インフラツーリズム・ヤンバブランド…とちょっと驚きの様相だ。

二ヶ月ほど前に現地を訪れた(写真)。時折小雪の舞う中、重機の音が谷合にこだましていた。写真に写っているほとんどの部分が今年度中には湖水で満たされる。


国土交通省八ッ場ダム工事事務所チャンネルの「早わかり やんば」


同チャンネルのドローン映像2018年


ぷらっと見学会


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K・クライバーのベートーヴェン第4交響曲



長い勤め人生活が染み付いているのか、一年の始まりは一月よりも四月の感が今も強い。月あらたまって平成最後の卯月。平成最後の新年度スタート。新元号が決まったこともあって、年甲斐もなく気分も引き締まる。さて、そんな気分に相応しい盤は何かと考え、この盤を取り出した。


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ベートーヴェンの交響曲第4番変ロ長調。カルロス・クライバー(1930-2004)指揮バイエルン国立管弦楽団による1982年5月2日のライヴ。このライヴはその少し前に亡くなったカール・ベーム( 1894-1981)の追悼コンサートして行われたもの。そして、この曲について語るとき必ず引き合いに出される盤だ。手持ちの盤は帯にも記されている通り、クライバーの来日記念として千円の廉価盤としてリリースされた。さほど長くない4番だけを表裏に贅沢にカッティングしてある。

第4番はベートーヴェンの交響曲の中では規模の小さい部類に入り、シューマンによって「3番と5番という巨人に挟まれたギリシャの乙女」と称された。隙のない古典的な様式感とベートーヴェンらしい緊張感とが凝縮されている。贅肉のない、きりりとした造形は、乙女と言わずギリシャ彫刻を思わせる。この曲をクライバーが振ると聞いただけで、どんな演奏か想像できそうだが、実際の演奏もその想像通りの音が展開する。緊張MAXの冒頭序奏に始まり、主部に入るやしなやかに疾走する。第2楽章の歌もこの上なく品格高く、過度の思い入れなく進む。バイエルンのオケは当初硬さがあるのか、技術的なミスも散見されるが、楽章を追うごとによくなっていく。終楽章もクライバーのテンポはいささかも弛まず、オケにとっては中々の難所が続く。例の終楽章のファゴットソロなど危機一髪ですり抜ける。もちろんピリオドアプローチではないオーソドクスな編成と奏法ながら、クライバーの棒によって引き出される音楽のフレッシュさと勢い、そして品格の高さはさすがのひと言に尽きる。新年度スタートに相応しい演奏だ。


この盤の第1楽章


クライバーがアムステルダムコンセルトヘボウ管弦楽団を振ったライヴ。確か80年代前半の同時期だったかと。ステージ後方の階段から指揮者が現れる、お馴染みの名ホール:コンセルトヘボウ。いつ見ても美しく明快かつ無駄のない指揮ぶりだ。



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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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