ブロムシュテット&SKD:ブルックナー第7



令和元年水無月。関東地方はぼちぼち梅雨入りが近い。週末日曜のきょうは朝からちょいと外出。昼過ぎに帰宅したあと、少し時間があったので、久しぶりに大曲をじっくり聴こうかと、こんな盤を取り出した。


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今年92歳になるヘルベルト・ブロムシュテット(1927-)とシュターツ・カペレ・ドレスデン(SKD)によるブルックナー交響曲第7番。1980年ドレスデン・ルカ教会での録音。手持ちの盤は2000年代になって日本コロンビアより廉価盤シリーズ<クレスト1000>として出たときのもの。

ブロムシュテットはその指揮ぶりが目に焼き付いている指揮者の一人。80年代N響客演時代にはよくテレビでその姿をみた。颯爽としていて、妙に深刻にならず整然と音楽を進めるが、ときの熱い一面も見せる指揮者だ。いつだったかN響を振ったチャイコフスキーの5番は素晴らしかった。このブルックナーの録音は発売当時からSKDの優れたアンサンブル能力と魅力的な音色、ブロムシュテットの奇をてらわない正統的な解釈、そしてそれらをよく捉えた日本コロンビアによるデジタル録音という評価が定着している。一方で、朝比奈隆やマタチッチなどの録音に比べスケール感や味わいに乏しいという意見もあった。そんなことを思い起こしつつ久々に聴いてみたのだが、やはりこれは長く聴きつがれるべき録音だとあらためて感心した。

まず冒頭、弦楽セクションによる息の長い主題からして、その透明感あふれる響きに魅了される。SKDの弦楽セクションはピッチがよく揃い、ボーイングも過度に深くなくヴィブラートも控えめ、加えてブロムシュテットの指示だろうがフレージングの呼吸が極めて自然体だ。マタチッチ&チェコフィルによる名盤の圧倒的なスケール感や深い呼吸はもちろん魅力的だが、ブロムシュテット&SKDのこの響きも、オルガンの音響をイメージして作られているブルックナーの交響曲の透明感を感じさせて素晴らしい。

各楽器間の音量バランス、ピッチ、音出しタイミングなど、うまくコントロールしないと団子状態の重苦しいだけの響きになりかねないところだが、むしろ少々軽量級ではないかと思わせるくらいの、この演奏の音響イメージの方がむしろブルックナーの意図に相応しいのかもしれない。もちろんこの演奏が軽く薄っぺらというわけではない。余裕を持ってコントロールされた音響といった方が適当だ。そうした特徴は第1楽章の主部や第2楽章など、いかにもブルックナー的な響きが次々と繰り出される段になると益々生きてくる。第3楽章のスケルツォの推進力も文句なしだ。

ブロムシュテットはその後1998年から2005年までライプツィッヒ・ゲヴァントハウスのシェフになり、ブルックナーを再録することになる。残念ながらゲヴァントハウス時代の盤を持ち合わせていないが、ブルックナー以外、ブラームスやメンデルスゾーンの評判も高い。


この盤の音源。全楽章。


この盤の録音当時、1981年にSKDと来日した際のライヴ。ブルックナーの第4番スケルツォ楽章。SKD黄金期。ホルンにペーター・ダム、ティンパ二にはゾンダーマン。




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