マチネの終わりに



平野啓一郎著「マチネの終わりに」。だいぶ前から話題になり、メディアでも取り上げられていたが、先月文庫版が出たのを機に手に取ってみた。


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ギター、それもクラシックギターやその演奏家が物語の中心となる小説や映画があったろうか。三十年以上も前にことだが、逢坂剛の直木賞作「カディスの赤い星」では、名工:サントス・エルナンデス作のフラメンコギターが軸となったのを記憶している輩も多いだろう。村上春樹の本にも時折ギター曲が登場していた。
「マチネの終わりに」は数年前に新聞連載され、その後単行本として出てベストセラーになった。中身は実際の本を手に取ってもらうとして、特筆すべきは、クラシックギター弾き以外ではあまり馴染みのないギター作品や作曲家の名が出てくる。テデスコのギター協奏曲、バークリーのソナチネ、ソルの幻想曲等々。そして映画化。福山雅治と石田ゆり子という当代の人気俳優が演じるとあって話題だ。 歌手としての福山雅治はもちろんギター片手に歌うことはお手の物だろうが、クラシックギターとなると勝手が違う。しかしプロフェッショナルとしての姿勢や音楽的感性もあって、ギタリスト福田進一の指導のもとにレッスンを積み、すっかり主人公のクラシックギタリストを化したと、映画作品の公式サイトに出ていた。

主人公と同世代のアラフォー諸氏はもちろん、熟年からまもなく前期高齢者のぼくら世代も、たまには切なく甘いラヴストーリーもいいだろう。映画公開は今秋11月1日だそうだ。さあ、こんな与太ブログを書いている間があったら、ギターを手にして福山雅治になりきり、練習するぞ! ゆり子~待ってろよ!(^^;


先月末に公開された映像。 映画化に際し、福山雅治は福田進一のレッスンを何度か受けたほか、都内某クラシックギター専門店で名器を購入したとの情報も…


この物語の中で架空の名曲として登場する「幸福の硬貨」。以下は林そよか作曲「幸福の硬貨」の演奏音源。但し映画ではこの曲とは別の菅野祐悟作曲「幸福の硬貨」が使われる。林そよか作曲「幸福の硬貨」は楽譜も出版されたが、現在は版元品切れで再販の予定はないとのこと。ちょっと事情がありそうだ。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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