カラヤン没後30年



先回の若杉弘没後10年の記事で思い出したのだが、先週火曜日7月16日はヘルベルト・フォン・カラヤン(1908-1989)の命日だった。1989年7月16日に81歳で亡くなった。没後30年か…と述懐しつつ、ふと思い出し、こんな盤を取り出した。


201907_Karajan_1988_Tokyo.jpg


1988年カラヤン最後の来日公演の模様を収めたサントリーホールでのライヴ録音。このときの来日公演は5月2日サントリーホール、5月4日東京文化会館、5月5日サントリーホールと3回行われ、そのいずれもが十年程前にCD化された。このうち2枚が手元にある。今夜取り出したのは5月5日のもので、モーツァルトの交響曲第39番変ホ長調とブラームスの交響曲第1番ハ短調が収められている。とき正にバブル期ピークに向かってまっしぐらの時代。高いチケットも飛ぶように売れたことだろう。地方のメーカー勤めのぼくには無縁で、様々に報道される常軌を逸した世相を、まるで外国のことのように眺めていたものだ。

拍手に続いてモーツァルトが始まる。この39番の序奏部冒頭、さしもの黄金コンビも緊張したのだろうか、ヴァイオリン群の下降スケールでアンサンブルがわずかに乱れる。序奏が終わってAllegroの主部に入るとようやくオケの硬さも取れてくる。ベルリンフィルはもちろん上手し、音の安定感抜群だが、ときに力ずくのところが耳につく。全体の響きも筋肉質というよりはかなり脂がのったトーンだ。モーツァルトの相応しいかどうかというと意見が分かれるだろうが、カラヤンとベルリンフィルという、20世紀のクラシック界をけん引してきたといってよいコンビの貴重な記録だ。
続くブラームスの第1番。こちらはモーツァルトで気になった部分がプラスに働く。ベルリンのフィルの音はカラヤン以降現代までのトーンとは異なり、どっしりと腰のすわった重心の低さを残す。テンポはカラヤンのそれまでの録音の比して遅めだが、どこまでも厚く切れ目がない弦のレガートは変わりがない。力を込める部分での力感も圧倒的だ。第3楽章での木管群の音も中々渋く、一昔前のオケの音に戻ったかのように響く。終楽章の重量感と輝かしさも比類がない。

このアルバムジャケットにはラスト・コンサートと記されているが、カラヤンのラストコンサートはこの東京ライヴの1年後、1989年4月ウィーンでの演奏会だった。このあたりのことは、中川右介「巨匠たちのラストコンサート」に詳しい。


この盤の音源。モーツァルト交響曲第39番。


同ブラームスの1番


小澤征爾と。



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