ケニー・ドリュー「Dark Beauty」



世間はお盆休みの中、諸事情あって今週もカレンダー通りに出勤。程々に業務にいそしみ、さて週末金曜日。軽いジャズでも聴こうと、こんな盤を取り出した。


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ケニー・ドリュー(1928-1993)の代表作「ダーク・ビューティー」。ニールス・ヘニング・エルステッド・ペデルセン(b)、アルバート・トゥッティ・ヒース(dr)とのトリオ。1974年録音。70年代にデンマークで設立されたスティープルチェイスというレーベルの盤。だいぶ前に一度記事にしいている盤。

50年代のケニー・ドリューはバリバリのビバップ系ピアニストだったが、あまりパッとせず、それが理由かどうか知らないが60年代になってヨーロッパに移り住み、そこで活路を見出すことになる。特に80年代にはかなりソフィスティケートされたジャズのアルバムを出して、それが「オシャレなジャズ」として女性ファンの心をつかんでヒットした。このダーク・ビューティは1974年の録音で、彼がまだそうした商業路線ともいうべき方向へ行く直前の、ハードにスィングする演奏が楽しめる。

とはいってもさすがに70年代半ばのヨーロッパ。50年代の米ビバップ全盛期のサウンドとはひと味もふた味も違う。世はすでにフュージョンのトレンドも出始めている頃。このアルバムでも十分エネルギッシュなドライブ感あふれるスィングを聴かせるが、例えば典型的なブルース進行の第1曲ラン・アウェイでも、単なるノリだけ押すことなく、ベースやドラムも中々細かいことをやっていて、洗練されたアンサンブルとして成立している。


このアルバムの第1曲ラン・アウェイ


It could happen to you。同じ曲の90年代晩年の演奏がやはりYouTubeにあるが、別の曲かと思うほどまったく違う仕上がりになっている。スィング感があるこの録音の方がずっといい。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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