フランク交響曲ニ短調



週半ばの木曜日。暑さもあって、ゆっくり音楽を聴く気分でもないのだが、食傷気味の音盤タイムに敢えての重い選曲をと考え、こんな盤を取り出した。


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セザール・フランク(1822-1890)の交響曲ニ短調。シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団の演奏。1957年録音。手持ちの盤は70年代初頭に日本ビクターから出ていたRCA系廉価盤の一枚。ぼくら世代にはお馴染みのジャケットだ。
フランクのこの曲に初めて触れたのは学生時代の70年代半ば。FMで何度か聴き、その後ロンドンレーベルの廉価盤で出ていたフルトヴェングラーとウィーンフィルによる盤を手に入れた。当時は随分と聴いた記憶があるが、その後新しい盤を買うこともなく、またこの曲の持つ独特の暗さにあまり馴染めず、好んで聴く曲ではなくなった。このミュンシュ盤も、もう聴かないからという知人から譲り受け、その後もずっと棚の中で眠っていた。この曲をきちんと通して聴くのも本当に久しぶり。

フランクがこの曲を書いたのは晩年66歳のとき。当時、独墺系に比べ歴史的に交響曲作品の少ないフランスにあって、ベルリオーズやサン・サーンスの成功を得て、それに続く作品を目指していたそうだ。フランス人ではあるがドイツ語圏の影響が強いベルギー生まれであること、またオルガン曲や教会音楽を多く作ってきたことから、ドイツ系のバッハ、ベートーヴェン、ワグナーらの作品からも大きな影響を受け、循環形式の名作といわれるこの交響曲もドイツ風の響きが色濃い。初めてこの曲に親しんだ頃、その重々しい響きから、フランス人作曲家というイメージにつながらなかった記憶がある。

指揮者のミュンシュ(1891-1968)もフランス人ではあるが、当時ドイツ領だったアルザス地方に生まれ、フランス系作品のみならずドイツ系作品でもボストン響やパリ管と名演を残した。晩年になってもエネルギッシュな演奏スタイルは変らず、テンポも落ちなかった。この盤の演奏も第一楽章の序奏こそ意味深長に始まるが、主部に入ると一転、速めのテンポと短いフレージングでグイグイと進む。響きのバランスは弦楽群を主体にした重厚なもので、後年のパリ管とのブラームス1番を彷彿とさせる。ハープに導かれてイングリッシュホルンが歌う第2楽章もほぼインテンポでもたれることなく進む。そしてここでも厚みのある弦楽群が音楽の重心を低めにキープする。終楽章は一転して大きな起伏を伴って表情豊かに歌う弦楽群、そして終盤ではそれまで秘めていたエネルギーを解き放つようにオケの咆哮が響き渡る。独特の暗さにあまり馴染めずなどと書いたが、こうして聴いてみるとやはり名曲。巧みに仕組まれた循環形式により、終楽章に向けて全曲が収斂する見事さは、ワグナーやブルックナーに通じるところもあり、深い感銘を受ける。 手持ちのこの古いLP盤でも強音部で少々音が混濁することを除けば、全体のバランスと響きの基調はよく再現されるが、最新のCD盤など、どんな音がするのか聴いてみたいものだ。


この盤(RCAリビングステレオ盤LP)の音源。。 左右チャンネルが逆のような…


エマニュエル・クリヴィヌ指揮と同氏が音楽監督が務めるフランス国立管弦楽団によるライヴ。フランスのオケにとっては御国物をいう感慨があるのだろうか。



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