武満徹「ギターのための12の歌」



お盆を過ぎてから、朝晩は少しだけしのぎやすくなってきた。夜更けにギターを取り出し、少しはおさらいをしようかと、こんな楽譜を広げて、ひとしきり楽しんだ。


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武満徹「ギターのための12の曲」。1970年代後半に編まれたこの曲集は、当時親しまれていたポピュラーソングを、武満徹がこれ以上ないくらいロマンティックにアレンジしたものだ。現代音楽の旗手である彼の違った一面を残す貴重な曲集でもある。70年代には確か全音のピースで出ていたと記憶している。現在はショット版が手に入る。12曲は以下の通り。

ロンドンデリーの歌(アイルランド民謡)、オーバー・ザ・レインボー(アーレン)、サマータイム(ガーシュイン)、早春賦(中田章)、失われた恋(コスマ)、星の世界(コンバース)、シークレット・ラヴ(フェイン)、ヒア・アンド・エヴリウェア、ミッシェル,ヘイ・ジュード、イエスタディ(レノン&マッカートニー)、インターナショナル(ドジェイテール)


ぼくら以上の世代には、いずれも聴き馴染んだ曲ばかりだ。しかし、そのポピュラリティーの高さとは裏腹に、アレンジされた譜面の難易度は高い。耳に心地いいそのサウンドから安易に手を付けたくなるのだが、古典派のようにお気軽に初見で楽しむようなわけにはいかない。

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数年前、その中からジョセフ・コスマの「失われた恋」を少しさらり、mixi仲間の発表会で弾いたことがある。ジョセフ・コスマと言われてもピンと来ないかもしれないが、フランスの映画音楽の大家で、あの「枯葉」の作曲者だ。「失われた恋」の原曲に親しんだことはなかったが、一聴して誰もが感じるであろうノスタルジーにあふれた曲。その題名通り、切々と哀愁せまるメロディーに、弾いているうちに気分もどんどん滅入ってくるのだが、それも音楽だ。

「失われた恋」


鈴木大介の弾く「イエスタデイ」


全12曲の楽譜付き音源



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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