ジュリーニ&シカゴ響 ムソルグスキー組曲<展覧会の絵>



週半ばの木曜日。今年度上期業務の目途もつき、いくらか気分よく帰宅。ひと息ついて、先回のジュリーニ&シカゴで思い出し、同じコンビによるこんな盤を取り出した。


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カルロ・マリア・ジュリーニ(1914-2005)指揮シカゴ交響楽団(CSO)によるムソルグスキー(ラヴェル編)の組曲<展覧会の絵>。1976年4月の録音。手持ちの盤はグラモフォン国内盤。プロコフィエフの古典交響曲がカップリングされている。記憶が正しければ2005年頃出張の折に、例によって大阪梅田の名曲堂阪急東通り店でワンコインにて買い求めた。前回のドヴォルザークは1978年録音でデジタル録音で録られていたが、二年前にこの盤はまだアナログ録音。ちょうどメジャー各社がデジタル録音に切り替えたのが70年代の終盤だった。

ドヴォルザークではショルティに飼いならされたCSOから中欧風の響きを引き出していたジュリーニだが、この盤では曲の性格もあって、スーパーオケCSOのパワーと機能性を生かした演奏を聴くことができる。出だしのプロムナードから明るい音色と明快なアーティキュレーション。それでも剛直という感じはなく相変わらずオケ全体の響きのバランスは極めて良好で、強奏部分でも音が混濁することがなく、見通しがいい。テンポは急がずもたれず、どの曲も妥当と感じるレベルだ。

重々しい<ビドロ>やそのあとの短調に転じた<プロムナード>でも、過度に引きずるような表現はなく、終始節度を保つ。一方で、<殻をつけたひなの踊り>や<サミュエル・ゴールドベルクとシュミュイレ>などは、もう少しスリリングかつおどけた表現があってもいいように感じる。 <カタコンブ>から終曲に向けてはCSOのパワーが遺憾なく発揮される。金管群の荘重な響き、打楽器群の張りのある音、いずれも素晴らしい。加えて、木管や弦楽群も合せて響きの透明感とバランスを終始失わないジュリーニの見事なコントロール。久々に取り出して聴いたが、実にあっぱれな名演奏だ。


この盤の音源。


60年代壮年期のジュリーニ。フィルハーモニア管弦楽団との演奏。この曲には自信があるのだろう、複雑なオーケストレーションにも関わらず暗譜で振っている。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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