バッハ:オルガン協奏曲イ短調 BWV593
先回の記事に書いたバッハのトリオ・ソナタ。久々にオルガンの音を聴いていたら、どっぷりとオルガンの素晴らしい響きに浸ってしまい、何枚か続けて聴いた。今夜はその中のあったこの盤をあらためて聴くことにした。

バッハのオルガン協奏曲第2番イ短調BWV593。先回同様ブリリアント盤全集の中の1枚。この全集ではオルガン作品が全17枚に収められている。元々はスウェーデンBISレーベルのもので、スウェーデンのオルガニスト:ハンス・ファギウスによる1986年の録音。周知のようにバッハはオルガン協奏曲の名で6曲を残している。いずれも元々他の作曲家の作品であったものをオルガン独奏用に編曲したもの。第2番といわれるBWV593イ短調は中でももっとも親しまれている曲ではないだろうか。元曲はお馴染みヴィヴァルディによる<2台ヴァイオリンのための協奏曲イ短調>。当時のバッハのイタリア音楽への傾倒を示すものでもあり、バッハの他の協奏曲に通じる魅力的で流麗な旋律にあふれる。説明の必要もないだろうが、ここでいう協奏曲は、独奏楽器と伴奏(管弦楽あるいは鍵盤楽器)というお馴染みのスタイルではなく、独奏楽器によってソロ的な部分と合奏的な部分とが弾き分けられる協奏曲形式だ。
実はこの曲、古くからギターアンサンブル用としてもよく取り上げられる。70年代から横尾幸弘編の楽譜が出回っていて、学生時代に仲間内で遊んだことを思い出す。最近も所属しているマンドリンアンサンブルのギターパート仲間と合わせて楽しんだ。 ヴィヴァルディはワンパターンの協奏曲数百曲を残したと揶揄されるともあるが、もちろんよい曲も多い。このイ短調の協奏曲はバッハが目を付けるだけあって、魅力的な旋律と機知に富んだ和声で飽きさせない。ギター3本の編曲では原曲の魅力を十分再現するには少々無理ではあるが、その良さは十二分に感じられて、先日合わせたときも、実に楽しく弾くことができた。
バッハ編によるオルガンでの再現はまったく見事で、そうと知らされずに初めて聴けば、オリジナルのオルガン作品といっても何の疑いも持たないだろう。このブリリアント盤ではハンス・ファギウスがスウェーデンのウプサラにある福音教会のオルガンで演奏している。高音質で知られたBISレーベル原盤のデジタル録音だけあって、透明感のある高音から空気感を感じさせる重低音まで申し分のない音質で、バッハのオルガン作品を堪能できる。
独リューベック:聖マリ教会のオルガンによる演奏。
ヴァヴァルディの原曲
手持ちの廉価盤バッハ全集をリリースしているブリリアントレーベル公式チャンネル(このチャンネルの大盤振る舞いには驚く!)にある、12曲をオルガン協奏曲としてまとめたプレイリスト。動画コメント欄にあるように、本来のオルガン協奏曲だけでなく、バッハがヴィヴァルディの原曲から編曲した他の作品を併せてリストしている。BWV593は47分36秒から。
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