佐藤正美(G)



きょうは朝から雨。野暮用いくつかこなし、夕方からギターを取り出す。たまには気分を変えようと、こんな楽譜を取り出した。


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佐藤正美(1952-2015)のオリジナル作品を集めた「シェイド」と、彼の編曲によるボサノバ曲集。シェイドは同名のアルバム収録の曲を収めたもの、ボサノバ曲集はお馴染みの定番ボサノバ曲を佐藤氏がアレンジしたもの。いずれもギターソロ用。

クラシックギターの伝統的奏法をジャズやポップ等に持ち込んだギタリストとして名前を挙げるとしたら誰になるだろう。ぼくはその分野は不案内なのだが、古くはチャーリー・バード(1925-)やローリンド・アルメイダ(1917-1995)、バーデン・パウエル(1937-2000)やラルフ・タウナ―(1940-)あたりが思い浮かぶ(ラルフ・タウナーはつい先日当地に来演)。いずれもいわゆるクラシックギターを使ったアコースティックな音楽でジャズやボサノバの領域を中心にファンを獲得した。取り分け、ナイロン弦の奏でる音色との相性の良さから、ブラジル音楽やそこから派生したといってよいボサノバにクラシックギターは無くてはならない存在だ。ぼくらクラシックギター弾きも、ときにそうした音楽に首を突っ込みたくなることがあって、なんちゃってボサノバやなんちゃってジャズで遊んでみたくなる。佐藤正美編の楽譜はそんな経緯もあって少し前に買い求めた。

佐藤正美は70年代からブラジル音楽に傾倒し、アコースティックなフュージョン・グループ「カリオカ」の中心的メンバーとして活躍した。80年代にリリースされた曲は、爽やかで軽快や曲調から商業的にも成功したようで、テレビやラジオでもしばしば流れていたのを記憶している。ポップなメロディーラインやオーソドクスながら気に効いたコードワークなど、いま聴いても楽しめる。オリジナル曲を集めた「シェイド」とボサノバ定番曲を集めたギターソロ用曲集には、中級アマチュアでも少しリズムのコツを会得すれば、それらしくボサノバを楽しめる曲がいくつか含まれている。ソルやメルツとは異なる脳内領域を刺激するためにも、ときにはこんな曲集を紐解くのも一興かと。

現在も弟子たちによって更新されている佐藤氏のHP
https://www5.hp-ez.com/hp/masamisatoh/
佐藤氏が敬愛したバーデン・パウエルに関するHP(息子のフィリップ・バーデン・パウエル氏が開設)。多くの楽譜アーカイブも。
http://www.brazil-on-guitar.de/home_jp.html


2015年に急逝した佐藤正美氏。1994年の演奏二題。テレビ放映された映像とのこと。佐藤氏は永らくスペインのエルナンデス・イ・アグアド作のギター(通称アグアド)を愛器とし、ライブやレコーディングに使っていた。この音源もそのアグアドで演奏されている。そして、このアグアド。実は縁あって、いま私の手元にある…という話はいずれまた詳しく…

「北の椈林」「そよ風のショーロ」「広葉樹」


「未踏の原生林」「知床の想い出」「タルゴ」



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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