F・ソル ソナタ ハ長調 Op.15-2
数年前、何度かいい加減な演奏を録音してはアップしたことがあったが、その後演奏録音はすっかりご無沙汰だ。そもそも楽器に触れることが少なくなってしまった。時間がないというのは言い訳にもならないだろうが、初見プラスアルファで弾けるような小品ばかりさらっておしまい。少しは気合入れてチャレンジするような曲に取り組もうとも思うが、それから先が進まない。まあ意欲減退という感もある。…と、ブツブツ言ったところで始まらないなあと思い、今夜はソルの作ったソナタから作品15-2をさらってみた。

フェルナンド・ソル(1778-1839)はいくつかの重要なソナタを残しているが、その中で作品15-2ハ長調のこの曲は、単楽章ながらセオリー通りのソナタ形式を踏襲し、しかも中級程度の技巧レベルで何とか楽しめる貴重な作品だ。全体を通してストレートな古典的表現が貫かれ、ソルの真骨頂である多彩な和声感はやや乏しい。モダンギターで弾くと手の小さいぼくなどは左手の拡張で少々難儀するところがあるが、その他は何とか通せるレベル。弦長640mm以下の19世紀ギターなら、ずっと弾きやすくなりそうだ。
曲はハ長調の明快な主題で始まる。そのまま弦楽四部で弾けばカルテットで成立しそうな曲想。程なく柔和な第2主題がト長調で現れ、一旦終始してから展開部へ移る。初めて弾いても曲の構成が一度で理解できるほどで、ソナタ形式の入門にはうってつけの曲だ。自称中級のギター弾きが古典様式を実感しつつ楽しめる曲。流行りのカッコいい曲あるいは弾けそうにない大曲ばかり追いかけないで、こうした古典中の古典のアレグロをしっかり弾くたしなみも大切だ。
楽譜はこちらに。(コーダ)末尾2小節のカットがないもの。
http://boijefiles.musikverket.se/Boije_0494.pdf
セルシェルの音源。解説の濱田氏の声も若い。提示の繰り返し有り。
マヌエル・バルエコによる比較的新しい録音。 この演奏に使っていると思われるバルエコ編によるソル作品集の楽譜も出ている。最後4小節に注目。
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