セゴビア MCA2524



音盤棚を眺めていて久しぶりにこの盤が目にとまって取り出した。


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手元にはセゴビア(1893ー1987)のLP盤が20枚余りある。多くは近年になって中古レコード店で手に入れたものだ。もちろんジャケットイメージや演奏は40年前から馴染みがあるし、CDでは80年代終盤に出たセゴビアコレクション全16巻が手元にある。今夜取り出したのは輸入盤のMCA-2524。収録曲は以下の通り。1961年のリリース。

A1. パバーナ第2番(ミラン)
A2. パバーナ第1番(ミラン)
A3. パッサカリア ホ短調(ド・ヴィゼ)
A4. ジーガ・メランコリカ(セゴビア編)
A5. ラルゴ・アッサイ(ハイドン)~<弦楽四重奏曲作品74の3>より
A6. メヌエット(ハイドン)~<弦楽四重奏曲作品76の1>より
A7. グラナダのサンブラ(アルベニス)
B1. ガリアルダ(サンス)
B2. エスパニョレータ(サンス)
B3. ソナタ ト長調 L.79 K.391(D.スカルラッティ)
B4. アンダンテ・ラルゴ ニ長調作品5の5(ソル)~「6つの小品作品5」より
B5. ロンド ハ長調(ソル)~「グランド・ソナタ作品22」より
B6. 無言歌 作品30の3(メンデルスゾーン)
B7. ロス・ピーノスのロマンセ(トローバ)

中々盛りだくさんのプログラム。ルネッサンス、バロックから古典、スペイン近代まで、いささかごった煮の感が否めないが、まあセゴヴィア節を聴くためのアルバム、選曲は二の次と思えば不自然でもない。その昔、ギターを始めたばかりの高校生の頃、セゴビア、ブリームやイエペスといった当代のメジャー演奏家の中ではセゴビアの演奏をもっとも敬遠していた。しかし、いま聴くと音楽的に一番真っ当なのはセゴビアだと感じる。19世紀的スタイルだとか、どんな曲も時代性を感じないセゴビア節だとか言われることも十分承知してはいるが、音楽の基本にもっとも忠実なのは誰かと問われたらセゴビアを挙げたい。ブリームやイエペスの腑に落ちない点をここであげつらうつもりはないが、彼らの演奏には時として不自然なアーティキュレーションを感じる。一方、セゴビアにはそれが少ない。スタイルは19世紀的だが、音楽の流れがきわめて自然だし、古典様式の基本である和声・フレーズの緊張と解決を適切に伝えてくれる。


セゴビアの弾くハイドンのメヌエット(弦楽四重奏曲作品76-1より)。音楽はよく流れ、伸ばす音、切る音、倚音の扱い、いずれも自然に処理される。


1967年セゴビア74歳の記録。 「動画は再生できません」と出るので、画面の指示に従い、「YouTubeで見る」の下線部をクリックすればOK。



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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