トローバ「マドローニョス」



今週も穏やかに始まった。朝晩の冷え込みはまだ差ほどでもなく、日中は陽射しに恵まれ暖かい。市中の欅並木も色付き、見頃を迎えている。そんな中、業務は少々ひっ迫。年内は気が抜けない状況が続きそうだ。それでもきょうは少し早めに帰宅。ひと息ついてギターを取り出し、こんな曲をさらってみた。


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スペイン近代の作曲家フェデリコ・モレーノ=トローバ(1891-1982)が残したギター曲「マドローニョス」。この曲を知ったのは高校生の時分だったろうか。ギター弾きの間では「スペイン物」という言い方で通っているアルベニスやグラナドスの編曲物にあまり好印象を持たなかったのだが、同じスペインながらトローバのこの曲だけは印象に残り、いつか弾いてみたいと思っていた。貧乏学生時代には思うように楽譜も買えずにいたが、社会人になってから音盤優先の合間をみて少しずつ楽譜も手に入れるようになった。このマドローニョスもそんな時期に手に入れた。

昔から輸入楽譜のデザインには心惹かれるものが多かったが、この楽譜もその一つ。白地に黒と赤の配色で簡潔に描かれたギターの絵が印象的だ。マドローニョスはスペイン語で「木いちご」という意味らしく、派生した意味として「マドリッド生まれ」を指すとも聞いた。曲は3分にも満たない小品だが、フラメンコを思わせる調子ながら、ちょっと物憂い感じの出だしで始まり、以降も小粋なメロディーがミディアムテンポで奏でられる。譜面を見るとそれほど難所はなさそうだが、実際に弾いてみると、左手は案外面倒な箇所もあって一筋縄ではいかない。和音の構成音を確保するための左手のポジションを十分吟味し、その上でメロディーを小粋に歌いたいところだが、技量に余裕がないと「小粋に」が中々実現しない。

セゴビアによる演奏。


20世紀初頭に作られた名器エンリケ・ガルシアで弾いた演奏。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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