バロックチェロ協奏曲集



気付けば師走。毎年同じセリフになるが…早いなあ…。
週末日曜日。野暮用いくつかこなし日が暮れる。薄暮の音盤タイム。先回聴いたイタリアンバロックで思い出し、こんな盤を取り出した。


201912_Baroque_Cello_Concerti.jpg


アントン・ヴィヴァルディ、レオナルド・レオ、ジョゼッペ・タルティーニといった、ナポリやベニスで活躍したイタリアンバロックの作曲家によるチェロ協奏曲を収めた盤。英ターナバウトレーベルの1枚。トーマス・ブレースというチェリストのソロ、シュトゥットガルト・ソリスツのオケ。詳細なデータは記されていないが、リリースが1968年とジャケットに記されているので、録音はその前あたり60年代後半か。

ヴィヴァルディは数百曲の同じような(ワンパターンの)協奏曲を書いたと、ときに揶揄される。中にはその言葉通り、いつもながらの音形で、またかと思わせる曲もある。一方で特に短調作品における憂愁を湛えた曲想にはさすがの曲もあって、一筋縄ではいかない作曲家だ。ここに収められているイ短調の協奏曲もいつものヴィヴァルディ音形が続くが、チェロの比較的低い音域を使っていて落ち着いた雰囲気、2楽章のカンタービレも美しく、単なる能天気なヴィヴァルディでない。ソナタや協奏曲など、チェロに取り分け注力した作曲家だけのことはある。
レオナルド・レオはバロックにあまり馴染みのないぼくなどはほとんど聴いたことのない作曲家だが、この盤に収められているイ長調の曲はゆっくり・速い・ゆっくり・速いの4楽章形式を持つ充実した曲。全楽章とものびやかで、チェロのよく響く音域を使っているのか、実によく歌う。第3楽章は短調に転じ、憂いに満ちた旋律が続く。チェロの協奏曲としてはヴィヴァルディのそれより明らかに旋律的で、おそらくチェロ奏者にとっても弾きがいのある曲だろう。
トーマス・ブレースというチェリストについては寡聞にして不案内。ちょっとネットで調べてみるとこの盤のレーベル:ターナバウトにいくつかの録音があって、リュートのミヒャエル・シェーファーがハイドン作品として録音した四重奏の盤でチェロを弾いていた。コレギウムアウレウムの盤でもいくつか弾いているようだ。来日もしている様子。この盤の録音が60年代後半ということからして、現在では相応の年齢だと思うが、現役盤ではナクソスにいくつか録音があるようだ。


この盤に収められているレオのチェロ協奏曲イ長調


レオナルド・レオ ニ短調の協奏曲。


同ニ短調の協奏曲第2楽章。やはりこの作曲家の旋律性にひかれる人がいるようだ。憂いに満ちた表情の女性について、以下の提供者コメントがある。「The pictures are screen shots showing actress Valentina Yakunina, as Rachel, in Gleb Panfilov's film "Vassa" (1983). 中々意味深長な映画のワンシーンだ。 以前も何かの記事に一度貼ったことがあった。音質がかなりざらついているのが残念。


ビルスマによるレオのチェロ協奏曲全6曲。この盤のイ長調は第1番とされ56分45秒から始まる。



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