ハイドン交響曲第49番ヘ短調「受難」



今夜は久しぶりにハイドンを。少し前に移動車中で聴いていて、近いうちにきちんと聴き直そうと思っていたこの盤を取り出した。


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ハイドンの交響曲第49番ヘ短調。「受難」という名が付されている。例によってデニス・ラッセル・デイヴィス&シュトゥットガルト室内管による全集中の一枚。 ハイドンが四十代だった1770年前後のシュトルム・ウント・ドランク(疾風怒濤)期に含まれている。この時期の交響曲としてはほぼ作曲年代順に、第38,58,35,59,49,26,41,65,48,44,43,52,42,47,45,46番が含まれ、疾風怒濤の言葉通り、積極的な感情表現の表出や劇的な曲想をもち、ハイドンの交響曲として有名な後期作品とはまた違った趣きの名曲が多い。また、そうした感情表現のためもあってか、短調作品が集中しているのも特徴だ。第26(哀歌),49(受難),44(悲しみ),52,45(告別)番と短調作品が並ぶ。

第49番を知ったのは40年前の社会人の成りたての頃。確かFM放送だったか、冒頭の緩徐部分が第1楽章の序奏かと思いながら聴いていて、随分長い序奏だなあ、主部はいつになったら始まるのかと腑に落ちないでいた。その緩徐楽章が実は第1楽章そのものだったと後になって知った。すなわち形式としては「ゆっくり・速い・ゆっくり・速い」の教会ソナタ形式と取る。今ならネットで調べて即座に分かるところだろうが、当時はそうした一つ一つの確認に随分と時間がかかったものだ。

その第1楽章アダージョは悲痛な響きに満ちながらもどこか安らぎの表情もあって、中々聴かせる。古典派作品ではあるが所々ロマン派の足音さえ感じさせる。第2楽章はソナタ形式のアレグロ。各パートに受け渡されながらもずっと続く8分音符の刻みが、切迫する心臓の鼓動のようにも聴こえ、ついついこちら側も先を急ぎたくなる曲調だ。第3楽章は第1楽章の主題を使った型通りのメヌエット。第4楽章は再びテンポを上げ、激しく駆け抜ける。まるで弦楽オーケストラの課題曲のような曲調に、時々木管群の和音が重なって厚い響きを作る。

デニス・ラッセル・デイヴィス&シュトゥットガルト室内管によるこの全集演奏は、時にテンポの遅さが指摘されるが、この曲に関しては快速調で速度不足による不満はないだろう。この曲を含め、比較的初期の曲には指定されている通奏低音としてチェンバロが加わっていて、時折その音色がバックから聴こえてくるのも少し得した気分になる。


ジョン・ラボック指揮セント・ジョンズ・スミス・スクエア管弦楽団(OSJ)による演奏。


例の全集でハイドンの交響曲全曲を一気にポピュラーにした立役者コンビによるライヴ。時々音の不調箇所がある。


ザルツブルク・モーツァルテウム大学でピアノと指揮を学んでいるという大井駿氏の指揮とその大学オケのよる演奏。第3,4楽章。



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