フォーレ チェロソナタ第2番
三連休明け。昨年来慌ただしかった業務進捗が収束方向となり、ようやく平常ペースに戻りつつある。きょうもほぼ定時に退勤。帰宅後、ひと息ついて、変わらず2番オシの音盤ルーティン。今夜はこんな盤を取り出した。


ポール・トルトゥリエ(1914-1990)の弾くフォーレのチェロソナタ第2番ト短調。例の20枚組みボックスセット中の一枚。1974年録音。ピアノはエリック・ハイドシェック。この盤にはショパンとラフマニノフのチェロソナタが併録されている。
フォーレはチェロソナタを2曲残しているが、一般にはこの第2番の人気が高い。第1楽章はせわしく動くピアノの音形にのってチェロのゆったりとしたフレーズを歌う。調性は絶えず揺れ動くが、落ち着きの無さを感じる一歩手前で機能和声的に解決するので、不安さや難解さ感じはしない。第2楽章は有名な<エレジー>を思わせる出だし。淡々と四分音符を刻むピアノの伴奏音形と、付点つきのチェロのメロディーからもうかがい知れるように、これは葬送の音楽。ナポレオン没後百年記念式典に際してフォーレが作った<葬送歌>から取られているという。この曲でもっとも印象的な楽章だろう。第3楽章はふたたび闊達なピアノとチェロの対話。このレベルの曲になるとピアノパートの難易度も高い。古典派からロマン派あたりの典型的ソナタのように、終楽章は景気のいいロンドで終わりという曲ではなく、終楽章も規模の大きなソナタ形式をとり、調性も頻繁に動きながらも、響きの美しさを失わない。ドビュッシー、ラヴェルへとつながる近代フランス音楽の潮流を感じさせる名曲だ。
トルトゥリエの弾く第2楽章。60年代の演奏。
この曲の全楽章。有名な第2楽章は6分5秒から。
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