M・ポンセ 南のソナチネ



先日知人を話していたら、「与太さん、最終兵器を手に入れたというけれど、どう?弾いているの?」と問われ、思わず返答に窮してしまった。何というか、まあ、あまり弾いていない。平日は帰宅後そうそう時間も取れない。週末は週末でしょうもない野暮用もあるし…と言い訳しつつ、どうしたものかと思案の日々だ。もういい加減で仕事を辞めて道楽に専念すべきか、まずはこんな与太ブログなど書いていないで楽器の練習をしたらどうだろうとか、とか、とか…。そんなことを考えながら、今夜はちょいとギターのおさらい。こんな楽譜を広げた。


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マヌエル・ポンセ(1882-1948)作曲「南のソナチネ」。広げた楽譜はぼくら世代にはお馴染み、かつて音楽之友社から出ていたセゴビアアルバム中に第4巻。古くからセゴビア編ショット版として知られているもの。ポンセはメキシコ近代音楽の父といわれ、多くの作品を残した。とりわけギター音楽に関して、1920年代以降セゴヴィアとの交流の中から、現在もギタリストにとって重要なプログラムになっているいくつかの曲を残した。いくつかのソナタやこの「南のソナチネ」、擬バロック形式の組曲などはその代表的なものだ。

ポンセの楽曲は総じて新古典主義の作風をとる。南のソナチネもその延長線上にあるが、より民族調の色合いが強い。形式は古典的な3楽章からなり、第1楽章は型通りのソナタ形式で書かれていて、構造としていはいたってシンプルだ。軽快な三拍子が曲に勢いを与え、ギターの音がもっとも魅力的に響く音域にメロディーをのせるなど、中々効果的でよく出来ている。もっともそうした曲のもつ雰囲気を表現するためのには、相応の技巧レベルが必要で、アマチュア中級程度のちょい弾きでは手も足も出ない。長らく使われていたセゴビア編の楽譜に加え、近年は原典版ともいえる新たな校訂版も出ていて、旧来のセゴビア編との差異も少なからずあるようだ。今夜もまた「弾けない確認」で終わってしまったが、まともに取り組んでみたい曲の筆頭だ。


南米チリの名手ロミリオ・オレアナによる全楽章。


楽譜付き音源。演奏は上のオレアナとのこと。


アンドレア・ゴンザレス・カバレロによる第2・3楽章。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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