バッハ 平均律クラヴィア曲集II 第9番ホ長調 BWV878



今夜は久しぶりにバッハ平均律でも聴こうかと思い、グールドかアファナシエフか悩んだ末、グールドに。例のボックスセットからこの盤を取り出した。


202002_JSB_878_Gould.jpg


平均律第2集の9~16番が収録されている盤。録音は1970年。先ほどから第9番ホ長調BWV878を聴いている。シャープ4つのホ長調はギター弾きには弦の調律の関係でお馴染みの調性で、弾きやすく明るいイメージがある。ヴァイオリンにおけるニ長調に近い感覚だろうか。鍵盤楽器での調性のイメージはぼくにはよく分からないが、この曲を聴く限りバッハの平均律でも共通したイメージを感じる。前奏曲はいかにも前奏曲らしくフレーズがよどみなく流れる曲想。楽譜をみると、2声が追いかけっこをしている形だ。16分音符が横に流れるフレーズを歌う中、8分音符の跳躍的なリズムが時折アクセントになって曲が進む。そのまま合唱や弦楽合奏で演奏してもいいくらい自然で滑らかな曲想だ。楽譜もそんな感じといったらいいだろうか。フーガはごく自然なモチーフで始まるが、いくつかの奇跡的な転調を伴って曲は穏やに、そして深く厳かに進む。この1970年の録音ではフーガの出だしは極めて決然としたタッチが始まるが、下記の晩年に近い映像でグールドはまったく異なる解釈で柔らかな音色でテーマを繰り出していて実に興味深い。


グールドによるチェンバロでのフーガの演奏。全体のテンポや曲の運びはピアノによる1970年録音に近い。


グールドによるBWV878のフーガ。晩年の演奏。1970年録音に比べると驚くほどテンポが遅い。
https://youtu.be/Mia9woisQZo

ニコライ・デミジェンコの演奏で前奏曲とフーガ。前奏曲に続き、4分5秒からフーガ。


エマーソンカルテットによる弦楽四重奏版のフーガ。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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