モーツァルト フルート協奏曲ト長調
先週から本格開始した通常出勤と在宅勤務のローテーション。きょうは在宅勤務。夕方までに予定の業務を終え、いつもなら通勤時間に費やする時間を生かして音盤タイム。先日聴いたモーツァルトのファゴット協奏曲で思い出し、こんな盤を取り出した。

モーツァルトのフルート協奏曲。ト長調の通称第1番とオーボエ協奏曲ハ長調がオリジナルの第2番ニ長調の2曲が収められている。70年代に出ていたEMI系廉価盤レーベル:セラフィムシリーズ中の一枚。バレエ音楽や現代曲を得意としたエフレム・クルツ(1900-1995)がフィルハーモニア管弦楽団を振り、独奏は当時クルツ夫人だったエレーン・シェッファー( 1925-1973)が吹いている。
この盤を買ったのはクラシックを聴き始めてまもない高校の頃。レコードが欲しくても中々買えず、この盤は協奏曲というジャンルで最初に買った一枚だった。久々に針を落としてみたが、ノイズもなく実にみずみずしい音がスピーカーから流れてきた。2曲とも様々な演奏で聴き親しんでいる曲だが、この演奏は実にフレッシュで爽やか。もちろん先鋭的ではなく、響きは常に柔らかくて穏やかだ。若い頃はオーボエ協奏曲が原曲のニ長調の方が好きだったが、近年はト長調の通称第1番ト長調の落ち着いた雰囲気に惹かれる。他のクラリネットやファゴット、ホルンの協奏曲など、モーツァルトの管楽器協奏曲はいずれも屈託なく明るく穏やかで、いつ聴いても心和む。
安藤由典著「楽器の音色を探る」という70年代終わり頃に出た中公新書に、エレーン・シェッファーとピエール・ランパルの音を比較し、特に高音域の倍音成分に大きな違いがあることが示されていた。もちろんランパルの方が高次倍音のレベルが高く、それがあの輝かしい音色につながっているという内容だった。この盤でもそのことが表れていて、エレーン・シェッファーの音色は派手さはなく終始柔らかな音で実に好ましい。一方クルツの指揮はやや速めのテンポで、付点のリズムや躍動する音形のアーティキュレーションを明確に浮き立たせていて、この曲の若々しい曲想によく合っている。
この盤の音源。第1楽章。
高木綾子と藝大の室内オケによる全楽章。
このところの#STAYHOMEトレンド受けて、当地群馬交響楽団の団員も「おうちで群響」を発信中。フルートの白水氏@自宅リビングによる第1楽章。
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