バッハ ヴァイオリン協奏曲集



先日、皆川達夫の訃報に接した。4月19日没。享年92歳。合掌。
ぼくら世代には長らく続いたNHKFM「バロック音楽のたのしみ」やその後のNHKラジオ第1「音楽の泉」でお馴染みだった。特に「バロック音楽のたのしみ」は高校時代のちょうど音楽を聴き始め、そしてギターを弾き始めた頃に出会い、放送を通して多くの作品に触れた思い出多き番組だ。放送の最後に「…皆川達夫(少し間があって)でありました」と締めくくる名調子も懐かしい。吉田秀和と共に、ぼくら世代の音楽好きには忘れられない存在だった。今夜は、皆川達夫・バロック音楽…そんなキーワードを思い浮かべつつ、先日来、通勤車中で繰り返し聴いていたこの盤を取り出した。


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バッハのヴァイオリン協奏曲集。例のブリリアント版バッハ全集中の一枚。収録曲と演奏者は以下の通り。

・ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041
・ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042
・ヴァイオリン協奏曲ニ短調 BWV.1052(原曲:チェンバロ協奏曲第1番)
・ヴァイオリン協奏曲ト短調 BWV.1056(原曲:チェンバロ協奏曲第2番)
 エミー・ヴェルヘイ(Vn)
 カメラータ・アントニオ・ルコ
・3つのヴァイオリンための協奏曲ハ長調 BWV.1064
 ライナー・クスマウル、ヘンク・ルービング、トーマス・ヘンゲルブロック(Vn)
 アムステルダム・バッハ・ソロイスツ

実はこの演奏をあらためて聴くに至ったのは、しばらく前にブリリアント・レーベルのYOUTUBEチャンネルでこの演奏を偶然聴き、その素晴らしさに感心したからだ。手持ちの全集ボックスを手に入れたのはもう10年以上前になるが、ヴァイオリン協奏曲を集めたこの盤は印象に残っていなかった。つまりYOUTUBEで聴き、あらためて箱から同じ演奏の盤を取り出して聴いているという次第。

それにしてもバッハのヴァイオリン協奏曲はなんと素晴らしい音楽だろう。聴くほどに心震え、そして新たな発見がある。第1番、第2番はいうに及ばず、BWV1052のチェンバロ協奏曲からのアレンジもヴァイオリンで弾いてまったく違和感がない(もっともこの曲はヴァイオリン用がオリジナルとされている)。第1番イ短調の第1楽章は演奏時間4分程と比較的短いが、転調を繰り返しながら緊張を高め、やがて見事に解決する和声展開、低くうごめく印象的なバス旋律等、まったく間然するところがない。第2番ホ長調も明るい主題で開始するが、以降は能天気さとは無縁な展開で深みを感じさせる。そして名曲BWV1052ニ短調は冒頭のシンコペーションを伴なったユニゾンを聴いただけで鳥肌が立つ。

Wikipediaによれば、この盤でヴァイオリン独奏を受け持っているエミー・ヴェルヘイ(1949-)はかつて神童をいわれ、1966年のチャイコフスキーコンクールで最年少ファイナリストとなった由。この盤ではオーソドクスなモダン奏法ながら颯爽とした弾き振りで、バックのオケ共々素晴らしい演奏を繰り広げている。


この盤の音源。上記の収録曲が全曲聴ける。 ブリリアント・レーベルYOUTUBEチャンネルの充実ぶり、大盤振る舞いぶりは圧巻!


BWV1042の第1楽章。現代の標準からするをやや遅めのテンポで穏やかな表現ながら、音楽はきわめて躍動的で素晴らしい。


クセーニャ・シドロワのアコーディオンとビッグバンドによるBWV1052。第2楽章のトランペットがケッコー泣かせる(9分54秒から)


BWV1052ニ短調第1楽章の楽想はカンタータ「われら多くの患難を経て」BWV146の第1曲シンフォニアにも使われている。



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