モントゥーの「幻想」



ゴールデン・ウィーク終盤。変わらず終日在宅。変わらず音盤ルーチン。このところの「幻想」推しが止まらない。きょうはこの盤を取り出した。


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ピエール・モントゥー(1875-1964)&北ドイツ放送交響楽団(NDR響)の幻想を取り出した。モントゥー最晩年の1964年、亡くなる数ヶ月前の録音。手持ちの盤はVOX原盤・米ターナバウトレーベルの輸入盤。かれこれ40年以上前に秋葉原・石丸電気で買い求めた。実はこの盤、ぼくが初めて買った幻想のレコードだ。コンサートホールソサエティ盤で親しんだ輩も多いに違いない。

おそらくモントゥーは最も多くこの曲を録音した指揮者の筆頭だろう。昔から名盤の誉れ高いサンフランシスコ響とのモノラル録音(これにも1945年、1950年の二つがある)を聴いて、その素晴らしさに感銘を受けたのが、もう半世紀近く前のこと。その印象が強烈だったので、幻想のレコードを買うならモントゥー盤と決めていてこの盤を選んだ。

この曲を隅々まで知り尽くしているモントゥーらしく、あちこちで自在な表現を聴くことができる。パートのバランスもときに強調感があって中々面白い。がしかし、録音がいささか精彩を欠く。記憶の片隅にあるサンフランシスコ響とのモノラル盤の方がずっと生々しく、この曲の持つ性格をよく表していた。手持ちLPのプレス品質の要素もあるだろうが、冒頭からSN比が十分に確保されているとはいえず、カッティングレベルも低い。しかし、少し耳が慣れてきたところで注意深く聴くと、オケは中々健闘しているし、帯域も狭いわけではなさそうだ。終わりの二つの楽章は録音技師がミキサー卓のボリュームを意図的に操作したのではないかと思われるほど弦も管も音像が間近に定位し、生々しく迫ってくる。復刻盤CDなら十分良好な状態で聴けるのかもしれない。どんなもんだろうか。


この盤の音源。終楽章「ワルプルギスの夜の夢」


2010年。下野竜也指揮のサイトウ・キネン・オーケストラによる終楽章。熱演のあと延々と続く拍手。そして御大も登場(16分40秒過ぎ)



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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